29話 壊される家について(胸糞回なので注意)
胸糞回なので嫌いな人はご注意ください。
「それでは失礼します。」
グロウが無機質な声で言うと、ゾロゾロとグロウ達3人が家の中に入ってきた。
「ワン。」
グロウ達を見て、ネイバーが一度吠え声を上げた。
グロウはネイバーを見下ろしたが、とくに興味がないらしく、ネイバーを無視してライトの方を向いた。
「さて、それでは捜査を始めますが、ライトさんは玄関のところから動かないでください。証拠がある場合に下手に動かれて証拠を隠されると困りますので。」
「ええ、わかりました。」
自分の家なのに動くなと言われ、さらに自分が犯人であるかのような言い振りにライトはイラついた。だが、ここで文句を言うと相手の思うツボだと考え、大人しく従うことにした。
「それでは2人とも、始めますよ。」
グロウが2人に声を掛けた。それに合わせて2人はそれぞれ別々の方に行く。
そして、食べ物を入れているカゴや、棚の中にある物を手に持つと、
バサバサバサバサ
と、手当たり次第に床にぶち撒けた。
「な、なにをするんだ!!」
慌ててライトが2人を止めようとする。だが、
ドスッという鈍い音が鳴り、動こうとしたライトの腹にグロウの拳がめり込んでいた。
「うぇっ。」
ライトは体を大きく丸めて、正座をするような体制で床に沈んだ。
「勝手に動くんじゃない。」
グロウはライトを見下ろして冷たく言い放った。
ライトは痛む腹に手をあてながらグロウに言った。
「うう、何でこんなことするんですか。家を荒らす必要なんてないじゃないですか。」
「必要ならありますよ。荷物の奥に証拠を隠しているかもしれないのですから、効率を考えれば一度バラすのがむしろ当然でしょう。そして……。」
グロウは感情のない声で語り、ライトの背後から両肩を掴むと、ライトを床に押し付けた。
「ぐえっ。」
「私が玄関から動くなと言ったのに、あなたは動こうとしましたね?これは捜査妨害ですよ。わかっているのですか?」
「うぐぐ。」
床に押し付けられたライトは痛みと苦しさに顔を歪ませた。
バサバサ
ドサリ、ドサリ
ライトがグロウに押さえ付けられている間に、他の2人が家の物を全てひっくり返していく。
まるで悪夢のような状況であった。
「や、やめてくれ。なにかあるなら俺が自分で探すから、これ以上家を荒らさないでくれ。」
「ダメです。あなたが犯人だった場合証拠を出さない可能性があります。」
「そんなものないよ!そもそも俺は犯人なんかじゃないんだ!」
「そうですか。」
それからグロウはもう話すことはないというように黙り、ライトが懇願しても、何を話しても反応することなくライトを抑え続けたのだった。
その時ネイバーは、犬の姿でお座りの姿勢をしたまま、静かにライトを見つめていた。
そして、家の中は居間から寝室までくまなく荒らされ、まるで家の中で竜巻が起きたような有り様になっていた。
家を荒らし終えた兵士と貴族は再び居間に戻り、グロウに状況を報告していた。
「とくに犯人とつながるようなモノは見つかりませんでした。」
「俺が調べたところも、鳥の頭の被り物とかそういったものはとくになかったぜ。」
「そうですか。」
2人の報告を聞くと、グロウはライトを解放して立ち上がった。
そして、組み伏せられた痛みでまだ立ち上がることができないライトを尻目に玄関の扉を開けると、
「とくに何も出てこなかったようです。よかったですね。捜査へのご協力ありがとうございました。」
そう言うと家から出て行ったのだった。
他の2人に至っては何も言うこともなく、ライトを見ることすらせずにグロウを追って家から出て行った。
「ううううう。」
ライトは声を詰まらせて泣いていた。
後には床に転がるライトと、何も言わないネイバーと、無惨に荒らされた家が残されていた。
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