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 俺は蛇を収納した……が、なんだか空気がおかしい。


 不審に思い二人の方を見てみると、虚を突かれたような顔で固まっていた。



「あのー……」


 話しかけてみるも……あれ、時が止まってる?


「あ……え? あの、今、何を……」


「お、お前、今のは……」


 そんなことはなかった。

 二人共なんだか物凄い顔になってしまっている。


「いや、何って収納を……」


 えー、確かに珍しい魔法だってのは薄々分かってたけど、そんな驚くほどか? 探知魔法だって珍しかったんじゃなかったのかよ。流石に力を渋ってまで目の前の金塊をスルーするのはどうかと思ったんだが……やめといたほうが良かったか?

 てかリーリルとかに見せた時もここまでは驚かれなかったはずだけど……そんなことなかったっけ?


 まぁでも今後も考えれば見せるタイミングはなんだかんだ来ていた気もするし、ここはもう開き直ろう。ワンチャン巨大な蛇が消えたマジック的な感じでびっくりしている可能性だってある。こそこそする方がむしろダサいってもんだ。


「まぁアイテムボックスってやつだよ。亜空間に物を収納できるんだ。どうだ、凄いだろぉ?」


 思いっきりイキってやった。

 ……あれ? 反応なし?



 俺がかなりの不安に襲われる中、一拍あって、




「「ええええええええええええええ」」




 ユイセと村長の絶叫がこだました。

 ええ……仲良いの?







 結局今日はもう遅いからということで、暗くなる前に帰ることになった。


「お前らはどうするんだ? 日も暮れ始めてるが、今からナナカラに戻るのか? それとも俺達の村に泊まってくか? お前さんたちが良ければ祝賀会でも開こうかと思ってるんだが」


 元来たルートを歩きながら村長がそんな提案をしてくる。

 

 はい? 村に泊まる? マジでないわ。あんな異世界の貧乏くさい村に泊まれるかよ。虫でるわ。それに今日はもう宿をとってるんだ。泊まらないともったいなさすぎる。


 俺はそう思ったが、ユイセはどうしたいのか目線を配ってみると、


「いえ、流石に帰らせて貰います。宿もとってあるんで」


 うん、同意見だった。

 お前絶対村に泊まるの嫌なだけだろ。

 言い訳まで完璧に被りやがって。


 まぁ気持ちは分かるよ、ユイセも流石に村は無理だよな。

 良識ある女の子なら、あんな汚い村泊まりたいと思うわけがない。

 一瞬で汚れてしまう。


「そうか……残念だがお前らにも生活があるわな。じゃあ今日のところは感謝だけに留めておこう、いつでも遊びに来て貰っていいからな」


 村長は心なしか残念そうに見えた。


 因みに俺はユイセに『後で絶対絶対話して貰うから。いい?』という強制祝賀会を義務付けられている。

 まぁ別に逃げてもいんだけど……はぁ、まぁ俺が不用意に使ったのも悪いのか? ダルいことになりそうだなぁ。まぁ女の子と話せるってわけで役得ってことにしておくか。


「てか結局ゴブリンどこ行ったんだろうなぁ……」


 俺は前で何やら会話しているユイセと村長の後を追いながら、思わずポツリとひとりごちる。


 意気揚々と向かったのはいいが結果はこれだ。

 ギルドの依頼になっていたのは一体なんだったのだろうか。

 それにFランク冒険者パーティーの末路も気になる。

 移動する前のゴブリンたちにさっきの場所でやられたってことなのか? 

 ゴブリンはマジでどこに行ったんだよ。


「ってあれ? 普通に探せばいいんじゃ」


 今更すぎるが俺には探知魔法があるんだ、これを使えば一発じゃないか。

 もう空気を読んでみたいなのはいらないよな。

 まぁさっきの反応的にも他人の前で使うのはますます避けたいところだが、探知魔法ならこっそり使えば問題ないだろ。



 俺は最後の最後に答え合わせをすることにした。






 ――探知魔法、発動!!






 薄い魔力を一気に周囲に解き放つイメージで、索敵を開始していく。


 

 うーん、近くにはそれっぽいのはいないな……まだゴブリン見たことないから分かんないけど、流石に二足歩行だよな? 四足歩行の魔物とかは割といるけど……え? 人間がいっぱい……! ってここはさっきの村長んとこの村か。もっと範囲を広げるか……



「おりょ?」


 あまりゴブリンっぽい魔物を補足できず範囲をどんどん広げていくと、数キロメートル先に、少し違和感のある場所を見つけた。

 二足歩行の魔物がいっぱい生息しているのだ。

 人間とは姿形が明らかに違う。遠すぎて上手く形が捉えられないが……なんというか……エイリアンみたいな? 耳がデカくて前傾姿勢で変てこな感じだ。


 こいつらがゴブリンなのかは定かではないが、俺が違和感を感じたのは何もそれだけではない。

 そいつらのはびこる領域の中、一部の場所に人間のような反応が見受けられたのだ。

 それも十数人で纏まっている……うーん、うまく捉えられないけど女っぽい感じかな。でもなんかお腹がぽっちゃり出ててちょっとシルエットが変かも……うーん、流石に遠すぎてはっきりしない。


 本気を出せばもうちょい頑張れる気もしたが、疲れそうだったのでここまでにしておいた。

 ま、大体は掴んだからいいだろ。


 俺の予想だが、もしかしなくてもあいつらが移動したゴブリンたちなんじゃないだろうか。……たぶん。

 で、何やかんやで移住先を見つけ、人間たちと一緒に暮らしてる…………あれ?


 ……人間捕らえられてね?


 俺はひやりと嫌な真実に辿りつきそうになったが、これ以上考えるのはやめておいた。



 ちら。

 前方の二人の様子を伺ってみる。


「さっきのレベルの魔物がよく出るんですか?」


「いや、流石に今回が初めてだ」


 何やら話し込んでいるようだ。

 うーん、流石に一応報告だけでもしとくか? …………まっ、今日はもう頑張ったしいっか。

人間何事も深く考えすぎてはだめだ。

 リフレッシュして生きていかないとな!

 あと探知魔法は最強すぎるからあんまり使うもんじゃねーな、ぺっぺっぺ。


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