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 俺は牛乳牛討伐分の報酬を受け取った。


 なるほど……まぁこんなものなのか? 体感だけど大分少ないような気も。

 肉だけで6万ドリアとかいってただろ?

 単純に依頼達成分で6000ドリアって……あの宿に一泊しか泊まれないじゃないか。

 しかも俺の場合はソロだから総取りだけどパーティーとかとなると割り勘されてもっと悲惨なことになりそうな気がするんですが。


「ありがとうございます。牛乳牛の報酬って結構しょぼかったりするんですか?」


「まぁ確かに他の依頼に比べれば相場は低いですね。危険度が低いと判断されている節はあるかもしれません」


 まぁ確かにただの牛だったもんなぁ。

 微妙な依頼選んじゃったのかもな。報酬額とかあんまり見てなかったし。まぁ肉が売れたから結果はオーライだけども。


「まぁそもそもがFランクの依頼ですと危険度の低いものが多いですからね」


「なるほど。ランクも上がっていけば当然危険度も上がって報酬もおいしくなりますもんね」


「無論ですね」


 となると今後の為を考えてやっぱりランクは上げておいた方がいいよな?

 Fランクとか言って馬鹿にされたりもするし、それも俺のプライド的にちょっと癪だしな。


「ランクってどうやって上がるんでしたっけ。試験を受けるんですよね?」


「そうですね。実績を積み重ねると昇格試験の受験資格を満たしますので、それに合格すれば晴れて昇格です」


「俺の場合実績って何をすれば」


「ピースさんはFランクですから、Fランクの依頼を十回達成ですね」


 そうだったのか。つまり今回で一回ってこと? 結構だるいなぁ。


「一発で上げる方法とかはないんですか?」


「基本的にはないですね。まぁよっぽど凄い方などはギルドの協議でランクを決定する場合もあるそうですが……少なくとも私は見たことがありません」


 基本的には地道にやらないとだめってことですか。

 あれだったらもう一気に上げときたいなぁ。

 一人でガーッと上げるか?

 特に目的のない人生だしな。冒険者として昇り詰めることを目標の一つにしていいかもしれない。

 頂きの景色を見てみたい! ってな。


「参考になりました、ありがとうございました」





 報酬を受け取った俺は受付を離れ、ギルドの出入り口から外へと出る。


 そして裏手へ。

 そろそろ良い時間だろう。


「あ、ピースさん」


 リーリルの元に行くと、すでに捌き終わっていた。流石だな。


「早いな。流石です」


「昨日とおんなじ魔物でしたからね。これもその、収納するんですか?」


 そうだな、しておこう。

 俺は肉を収納した。

 その後水洗い場に持っていき、リーリルに水洗いしてもらう。

 さらに収納する。


「どうしますか? 他の牛乳牛も捌きますか?」


「そうだな」


 俺は牛乳牛をもう一頭分出した。


「頼んだ。あとこれが終わったら保冷ボックスを買いに行きたいんだがいいか?」


「え? まぁはい。というか別に私がどうこういうアレもないですし……」


「リーリルにも付いてきてもらいたいんだよ」


「え、私も?」


「だってどこに売ってるかとか分かんないし」


 俺の言葉にリーリルはえーみたいな顔をしていた。


「まぁ、分かりました。依頼もいっぱいもらえてますし、そのくらいでしたらお安い御用ですよ」


「助かるよ」


 リーリルとお出かけよっしゃあああああ!!




 暇だったので、リーリルの頑張りを見守りながら待っていた。

 気の所為でなければ、昨日より確実に捌くスピードが上がっている。

 牛乳牛捌きのプロになりつつあるなこれは。

 要領が上がってる。俺がこの子を育ててやろう。


「ふぅ、終わりました」


「じゃあとりあえず肉屋に売りに行って、その資金で買いに行こう」


「分かりました……ふふ」


 なんか笑ってるんだけど。

 血でベトベトのナイフとタオルを持って言われても、怖いだけだからやめてくれる?


「ん? どうしたんだ?」


「いえ、お買い物なんて久しぶりなんで……少し楽しみだなって」


 キレイな笑顔だった。

 はぁ、成長したら化けるなこりゃ。




 その後昨日の肉屋に肉を売りに行き、快く買い取ってもらえた。

 二頭分で、金貨を十二枚も貰えた。

 6000ドリアの依頼なんかと大違いだ。




「いやー、ピースさんってホントに凄いですよね」


 異世界の街道を歩きながら、少し先行するリーリルが語りかけてくる。

 現在保冷ボックスを売っているというお店まで案内して貰っているのだ。

 どうやらここナナカラの街には中央大通りという道があるらしく、そこの付近にお店が密集しているらしい。俺は街の知識がゼロなので、こうやって案内して貰えるのはガチでありがたすぎる。


「何が凄いんだ? 歯か?」


「歯は別に普通じゃないですか。だって一瞬であんなお金稼いじゃうじゃないですか。私の一ヶ月分くらいの収入をあんなあっさりと……。私みたいな下々からすれば本当にすごいですよ」


「肉が売れたのはリーリルの腕があってのことだろ? 綺麗に切ってもらえたからあんな値段で売れたんだ。たぶん」


「適当に喋ってませんか? まぁいいですけど」


 ダラダラと喋りながら、ナナカラの街の道を歩く。

 うーん、こうやってまったりと誰かと並んで歩くというのも悪くないですなぁ。

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