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 俺はクエストボードの前にいる男に突撃することにした。


「あの、すみません」


「え、いや、え? な、なんですか……」


「あっ、その、すみません。魔物を解体する場所とかって知らないかなって……」


「え、僕が教えるんですか?」


「え? う、うん。できればでいいんですけど」


「……うーん、僕かぁ」


 ……やばい、なんか想像以上に微妙な感じになってるんですけど。ガチで失敗した感出てるんですけど……俺もこんな風に見られてたりするのかな、がっくり。


「……この建物の裏に解体場があるんで、そこに行ったらいいんじゃないですか」


「あ、そうなんですね。ありがとうございます」


 と思ったら普通に教えてくれた。

 ふぅ、助かった。


 やっぱり解体場あるんだ。そりゃそうだよな、魔物討伐を専門としてる所なんだもん。







 バスんッ!



 裏に行ってみると、豪快に何かの肉を切り開くおっちゃんの姿が目に飛び込んできた。

 おお、ザ職人って感じ。絶対ここがそうだ。

 てかくっさ。なんだここ。ガチで耐えられない匂いする……よくこんなところで呼吸できるな。


「おい坊主あぶねぇぞ!」


 顔をしかめていると、大きな荷物を抱えた二人組が真横を通過していった。

 おお、ここにいたら邪魔か。



 とりあえず匂いは慣れに期待するとして、ギルド職員ぽい人いるから話しかけてみようか。

 分かんない時は人に聞くに限る。これはこの世界で学んだことの一つだ。


「あの、すみません」


「ん? なんだ?」


「魔物の解体をしたいんですけど……」


「おお、空いてる所があればそこでやっていいぞ。一応自由スペースだからな。ただし一人一度に15分までだ、ルールは守ってもらうぞ」


 ということらしかった。


「僕魔物の解体したことないんですけど、誰かにやってもらうこととかってできますかね?」


「ああ? そりゃ誰か雇うしかないだろうな。皆そうやって自分で考えて計画的にやってるんだ。お前見ない顔だが新入りか何かか?」


「今日冒険者になりました」


「あー……なるほど。まぁそりゃ仕方ねぇか。しゃーない。俺が暇なやつあてがってやるよ。今回だけだぞ。おーい! リーリル! いねぇかー!?」



 大きい声で誰かを呼ぶと、ひょこんとその辺にいた誰かがやってきた。


「こいつを貸してやる。ギャラとかについては適当に交渉しろ」


「あのガンバさん、これはどういった感じなんでしょう……?」


「ああ、こいつがどうやら新米らしくてな。捌いてもらう奴がいねぇってんで、手伝ってやってくれよ」


「なるほど……」


 やってきた人は女の子だった。

 紫の髪を持つ、十歳ちょっとくらいに見える女の子だ。


「じゃあ後は頼んだぞ」


 ガンバさんと呼ばれたギルド職員はどこかに行ってしまった。


 この人に頼めばいいの……?


「あ、えーっと、よろしくね」


「あ、はい。よろしくお願いします」


「えーと、じゃあどうしたらいいか……」


 女の子を相手に喋ったことなんか俺が男の子だった時以来だから話し方忘れたわ。


「あ、ちょっと向こうで作業したやつを片付けてからでもいいですか? 散らかしたままなんで」


「あ、全然おっけーです」


 少女は急いで元いた場所に駆けていった。

 えー、まぁ別にいいけどあんな小さい子で大丈夫なの……? 解体とかって大変じゃないの? 流石は異世界、よく分からん。


「おまたせしました」


 思ったよりも待ち、その少女はやってきた。

 当たり前かもしれないが、血が飛び散ったボロボロの服を着ている。なんかやだな……しょうがないんだろうけど。


「じゃあ早速解体をお願いしたいんだけど……」


「あ、はい。全然大丈夫ですよ。この辺でいいですかね」


 俺がいた付近は空いていたので、確かにここでいいだろう。


「ギャラとかってどうなるのかな? 一応雇う感じになるんでしょ?」


 その辺りが全然わからないので聞いてみる。


「あ、そうですね。その辺は言い値といいますが、相場くらいでしたら全然やりますよ。私そんなに早い方じゃないので」


「え、そうなの? ごめん、俺こういうの頼むの初めてで勝手とかが全然わかんないんだ。相場っていくらくらいなのかな?」


「え、まぁそれは魔物にもよりますし……でも大抵は見積もりの一割くらいが多いですよ。その辺が後腐れもない感じかと……」


「ああそうなんだ。じゃあもうよく分かんないからそれでいいよ」


「あ、そうですか。分かりました。それで、依頼の物はどこにある感じですかね……?」


 少女は辺りをキョロキョロと見渡していた。


「ああ、ここだよ」


 俺は魔法で亜空間を操作しようとしたところで固まる。

 ……そういや派手に空間系の魔法なんて披露して大丈夫かな? この世界ではめちゃくちゃレアだったりしないか? 変に注目をあびるのも癪に触るし……一応釘を差しとくか?


「あ、えーっと、今更だけど名前なんだっけ……?」


「あ、そうですよね、私はリーリルと申します」


「リーリルか。俺はピースだ。ところでリーリル。空間系魔法って知ってたりする? 何もないところから物を取り出したり、みたいな……」


 探りを入れてみる。


「え? 空間系、魔法? いえ、すみませんよく分からないです。聞いたことあるようなないような……」


 なるほどな。これはマイナーな感じだな……マズいか。


「リーリル。これから発動させる魔法は他言無用で頼む。それを依頼の条件の一つにしようと思うんだがいいか?」


「は、はい。分かりました。よく分かりませんが分かりました」


 よし、まぁ素直そうだし大丈夫だろ。それによく考えれば仮にバレたとしても大きな問題になるわけでもないよな。




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