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 ドンッ!




 俺は先程狩ってきた牛乳牛と思われる牛の胴体を、一頭分取り出した。

 やべ、思ったより振動が……もっと地面スレスレで出せばよかった……っ!


「……へ」


 リーリルは固まってしまっていた。



「おい、あの肉、今一瞬で現れなかったか?」


「まさか、ひっくり返しただけだろ」



 あああマズい。目立ってしまいそうになってる……やっぱりこんなデカいもん出すもんじゃない。俺の懸念は当たっていた!?


「よ、よし、とにかくリーリル。これの解体を頼む」


「あ、あの。ピースさん。このお肉は、一体どこから」


「気にするな。俺の魔法でちょちょいのちょいというやつだ」


「ええ……」


 リーリルは俺の方を見てきていた。

 何だこの人、ヤバい人なんじゃみたいな顔つきに見える。


「とにかく頼めるか? もしかして結構デカイし無理だったりする?」


「い、いえ! 大丈夫です。牛乳牛ですよね、一応やったことあるんで大丈夫だとは思います。部位ごとに切り分ける感じでいいですか?」


「え? うん、じゃあそれで」



 そう言うとリーリルはせかせかと作業を開始した。

 てかやっぱり牛乳牛であってたのか。良かった。まぁ牛なんてそうそう種類いないよな。



 リーリルは持ってきていた切れ味の良さそうな大ぶりのナイフで、ギコギコと刃を通していく。

 おお、凄い。せっかくだから見学させてもらおう。

 しかしいきなり切り始めたけど血抜きとかいらないのか?

 俺が口出すことでもないか。


「こういうのやったことないんだよな、凄いなぁ」


 料理もまともにできない俺からしたら、こういう事できる人って結構尊敬だったり。


「なんか固そうだけど大丈夫?」


「は、はい。牛乳牛は普通くらいなのでっ。でも力はない方なので、時間は掛かると、思いますがっ」


 リーリルは頑張って切っていた。

 なんだろ。こんな小さい子に働かせて俺だけ見てるってのもなんだか罪悪感なんだが……まぁでもお金が発生してる雇用関係だしなぁ。寧ろ変に手を出したりするのも野暮ってものなのかな。


「…………」


 待ってる最中暇だったので何か話しかけようとしたが、俺が暇なだけであって少女は頑張っていたので、黙って見守ることにした。変に口出しされてウザいと思われてもあれだし。




 そして待つこと二十分後。


 牛はきれいに切り分けられていた。

 どこからか持ってきた木の皮の上に、お肉が部位ごとに並べて置かれてある。

 二十分でこれだけ完璧にできるのか。意外といい仕事をする子なのかも。正直舐めてたわ。でも確か制限時間が十五分とかだった気がするけど……まぁその辺は適当なんだろう。現場は血でべとべとだ。


「はぁ、はぁ、ふぅ。一応大体は終わりました」


「ここからまだ作業があるのか?」


「このままだと買い手に嫌がられるので水で洗う必要がありますね、それで値段が変わることだってあるので」


 まぁ血でべっとりしてるもんなぁ。見た目が大事ということか。


「そういや最初に血抜きとかはやらなくてよかったのか?」


「やった方がいいですが、時間もないのではしょりました。慣れると魔物にもよりますがそのままの方が早いんですよ」


「そうなのか。じゃあとりあえず一頭分は終わりか。残り五頭分あるんだけど、一旦他の人と交代しないとマズいかな?」


「……え?」


「え、いや、あと五頭分いるんだけど……」


 リーリルは唖然とした顔をしていた。


「あれ、もしかして駄目だったりする? 流石に多いか?」


「い、いえ! 依頼してくださるんなら喜んでお受けいたしますっ」


「じゃあ頼むよ」


「ただ五頭分となると、少しお時間がかかるかもしれません……」


「そこは大丈夫だ。因みに切った肉とかってどこかで売れるんだ?」


「え? それは色々あるかとは思いますが、お売りになった経験とかは……?」


「ないな」


 正直に答えた。


「あ、そうなんですね……うーん、ギルドで買い取って貰える素材とそうじゃない素材とがあるんですが、肉とか新鮮な素材は基本ギルドはNGですね」


「なるほどな。じゃあどこか他のとこに持っていかないといけないってことか。どこかいい場所知ってたりする?」


「ええ、そう言われましても責任持てませんし」


「まぁリーリルが思う一番いいとこでいいよ。その分の依頼料も払うから。いいだろ?」


 まぁお肉を売るのでどれくらい儲けれるのか知らないけど。少なくともそんなしけた値段ってことはないだろう。まぁどの道おまけみたいなもんだしなんだっていいけど。


「まぁ本当に責任は取れないということだけ呑んでいただけるのでしたら……」


「そこは二言はない。じゃあお願いできるかな」


「かしこまりました。あ、保冷ボックスはどこですか?」


「え……なに?」


「え? 保冷ボックスですけど……」



 話を聞いてみると、どうやら解体には保冷ボックスというアイテムが必須らしい。

 切った肉が傷まないように保存しておくのだとか。

 うん、知らないです。


「すごい箱があるんだな、わはははは」


「えぇ、それじゃあ切り分けた意味ないですよ。肉なんて一時間もすれば鮮度が落ちてきますし。肉は鮮度が命なんですよ」


 ええマジかよ。そんなの聞いてないんですが。まぁ俺が調べなかったのが悪いんだけど……どうしよう……

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