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■第4話:次なる刺客は「王国No.5のプロ・ホスト」。……えっ、その営業スマイル、顔面痙攣ですか?

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

『困った神様シリーズ』第5弾、本日も更新です!


魔法もチートも使わない、圧倒的な「自己肯定感」と「ド正論」による異世界蹂躙劇。

どうぞ、リラックスしてお楽しみくださいませ!



【場所:神界・ネフェルの部屋】

「……よし。まだよ、まだ王都の男が全滅したわけじゃないわ!」


女神ネフェルは、モニターの前でギリギリと爪を噛んでいた。


王子がパシリになり、天才文官が電卓ストーカーになり下がった現状。しかし、彼女の復讐心(と、自分と同じ顔に対する謎の対抗心)はまだ燃え尽きていない。


「アマチュアがダメなら、『プロ』をぶつけるまでよ!」


ネフェルが新たな生贄のカードを引く。


「王都最大の夜会倶楽部『黒薔薇の園』。そこに君臨する、指名料トップクラスの男……クロード!」

「彼は過去に、私の神像を見て『美とは後天的に作れるもの。この女神は努力が足りない』とプロ目線でダメ出しした男よ! 許せない!」

「あの女の扱いに長けたプロのテクニックで、好子をメロメロの依存症にしてやりなさい!」



【場所:王都・高級ラウンジ】

その夜、好子は王都のセレブが集う高級ラウンジのVIP席で、一人優雅にグラスを傾けていた。


周囲の男たちは彼女の美貌に釘付けだが、先日の「王子&文官・瞬殺事件」の噂が広まっており、恐れをなして誰も声をかけられない。

そこへ、甘い香水を漂わせた一人の男が、自信満々な足取りで近づいてきた。


胸元をはだけたシルクのシャツ、計算し尽くされた無造作ヘア。

夜の王都で女性を狂わせるプロフェッショナル、クロードである。


「やあ。こんなに美しい月夜に、君のようなヴィーナスが一人だなんて。世界が間違っているね」


クロードは、滑らかな動作で好子の隣に座り、その瞳を熱く見つめた。


(フッ……。王子や文官は、女心をわかっちゃいない。強気な女ほど、奥底では『自分を理解し、甘やかしてくれる男』を求めているんだ。俺のテクニックで、今夜中に泣かせてやる)

神界のネフェルが叫ぶ。


(出たわ! クロードの必殺・共感テクニック! これで落ちなかった夜の蝶はいないわ!)


「君の瞳……とても強い光を放っているけれど、どこか寂しげだ」


クロードは、好子の髪にそっと触れようと手を伸ばした。


「強がらなくていい。僕の前では、本当の君を見せてごらん?」


完璧な声のトーン。完璧な角度。


しかし。

好子は、伸びてきたクロードの手を「ペチッ」と扇子で叩き落とした。


「……痛ッ!?」

「気安く触らないで。香水の匂いがキツすぎて、せっかくのワインの香りが台無しよ」


好子は、氷のように冷たい視線を向けた。


「そ、そんな……」


クロードは一瞬たじろいだが、すぐに営業スマイルを立て直した。


(なるほど、ツンデレの最上級か。だが、俺には通用しない!)


「ははっ、手厳しいな。でも、そういう棘のある薔薇ほど、僕には魅力的に見える」


クロードは、さらに顔を近づけた。


「ねえ。僕のこと、知らないはずないよね? この『黒薔薇の園』でナンバーファイブを張っている、クロードだよ。君の寂しさを、最高の夜に変えてあげる」


その言葉を聞いた瞬間。

好子の動きがピタリと止まった。


「……は?」


好子は、信じられないものを見るような目でクロードを見返した。


「今、なんて言ったの?」

「え? あ、だから、ナンバーファイブのクロード……」

「……5位?」


好子の声が、ラウンジ全体の空気を凍らせた。


「たったの5位で、私に話しかけてきたの?」

「えっ」


クロードの顔から余裕が消えた。

好子は、蔑みの表情を隠そうともしなかった。


「あなたの上に、まだ4人も優秀な男がいるんでしょ? なのに、どうして『5位のあなた』が、この『完璧な私』の隣に座る資格があると思ったの?」

「私を誰だと思ってるの。『余り物』で妥協するような安い女に見える?」


ズガァァァァン!!(プロのプライドが崩壊する音)


「あ……いや……それは、たまたま今月の売上が……」


クロードが滝のような冷や汗を流して弁明を始める。


「言い訳なんて聞きたくないわ」


好子は、扇子をパタンと閉じた。


「それに、さっきから『寂しげだ』とか『強がらなくていい』とか、安いマニュアル通りのセリフを並べてるけど。あなた、本当に人を見る目がないのね」

「私は1ミリも寂しくなんてないし、強がってもいない。常に100%の自信と完璧さでここに存在しているの」


好子は、クロードの顔を指差した。


「あなたのその引きつった『営業スマイル(右の口角が3ミリ下がってるわよ)』じゃ、私の心の表面にすら傷一つつけられないわ」

「ひっ……!」

「出直してきなさい。せめて、自分より上の4人を全員物理的に排除して、『ナンバーワン』の称号を獲ってからね。……まあ、獲ったところで相手にはしないけど」

「ああぁぁぁッ……!!」


クロードは、両手で顔を覆って床に崩れ落ちた。

彼の「女心を知り尽くしたプロ」というプライドは、たったの5分で完膚なきまでにへし折られた。


「お、俺は……俺はただの『5位』……中途半端なマニュアル男……!!」

「ごめんなさい! あなた様の言う通りです! 俺のテクニックなんて、ただの浅はかなお遊戯でしたァァッ!」


クロードは、這いつくばって好子に許しを乞うた。

彼はもうホストを辞め、明日から「好子様ファンクラブ(王子と文官が創設済み)」の平会員として出直すことを心に誓ったのだった。



【場所:神界・ネフェルの部屋】

「…………(ポキッ)」


ネフェルが握りしめていた羽根ペンが、真っ二つに折れた。


「『たったの5位で私に話しかけてきたの?』……」


ネフェルは、モニターの前でワナワナと震えていた。


「な、なんて恐ろしいセリフなの……! 相手のステータスそのものを根底から否定するなんて……!」

「私なら、『あ、5位なんですか! すごいですね!』って絶対お世辞言っちゃうのに!!」


ネフェルは、ベッドにダイブして枕に顔を埋め、足をバタバタとさせた。


「悔しいィィィッ!! なんであの子は、あんなに堂々と生きてるのよォォッ!!」

「私と同じ顔のくせに! カッコよすぎるじゃないのよォォォッ!!(号泣)」


もはや、ネフェルの感情は「憎しみ」なのか「強火のファン」なのか、自分でもわからなくなりつつあった。

(第5弾・第4話・完)


本日もお読みいただき、ありがとうございました!


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それでは、また次回の更新でお会いしましょう。

今後とも宜しくお願いいたします!


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