その頃、神殿1
クラルスの中央神殿の倉庫にて、鑑定士たちがアイテムを鑑定していた。
神殿では聖女、神官が聖属性のアイテムを製作したり、武器防具に聖属性魔法を付与する。
アイテムは製作する者によって等級が変わる上、同一人物が製作したアイテムにも品質はバラつきがある。体に魔力が満ちた状態で製作したアイテムと、疲労して魔力切れを起こす直前に製作したアイテムが同じ品質では無いのは当たり前だ。完全均一な品質のアイテムを製作し続けるのは難しいとされている。そこで、作られたアイテムの等級を分別する専属の鑑定士が神殿に多数雇われている。
「んんん?」
鑑定済みのリストを見て一人の鑑定士が首を傾げる。
「どうした」
同僚と思わしき男性が声を掛ける。
「何かここ数日、特級のポーションが殆ど無いんだが」
「そりゃ量産してた大聖女様が亡くなったからな。大神官様は大聖女様程の実力は無い」
クラルスでは神官より聖女のほうが上の地位である。女神が最初に聖魔法を与えたのは女性だった事と、現在でも聖魔法使いは圧倒的に女性が多い為、神殿では女尊男卑の傾向があった。聖魔法使いは女性の数に比べて男性は2割程の為、優秀な者は聖女のほうが多い。
「確かに大聖女様が亡くなられてから数はガクンと減ったが、それより更に減ってる」
「そもそも、特級は1級を作れる方が稀に作れる等級だしなあ……あー最近ずっと天気がどんより曇ってるから、そのせいで気分が落ちていつもの調子が出てない方が多いのかもな」
「そうかもな、晴れたらどうせすぐに元通りになるか。上に報告はしなくていいだろ」
「それにしても曇り長いよなあ」
2人の鑑定士は会話を終え、仕事に戻った。




