その頃、神殿4
今日、ミネデアは大聖女になった。
現在は女神クラルスに新たな大聖女として挨拶し、加護を賜る為に儀式の間に籠っている。
秘密裏に雇った者から、アレティリヤが作ったポーションが特級だったと報告を受けた為、急いで大聖女選定を行った。
根回しの結果、無事にミネデアが選ばれた。大神官は安堵する。後はアレティリヤが戻らないように手を回すだけだ。
儀式の間からミネデアが出てきた。
「大聖女様」
「……」
ミネデアは俯いたまま暗い顔をしている。
「どうなさいました、大聖女様」
「お父様……!私は大聖女では無いと女神クラルス様にそう言われました……!」
ミネデアは泣きながら報告した。
大神官はすぐには意味が理解できず停止する。
「それは……どういう事ですか……」
その後、大聖女選定をやり直し、新たな大聖女を選んだが、ミネデアの時と同じで女神の加護は受けられなかった。何度、新しい大聖女を選んでも結果は同じだった。
大聖女候補全員、一度は大聖女となり儀式の間にて女神に挨拶したが、女神は彼女らを追い返した。
「……」
大神官と上級聖女、上級神官全員が広間に集まっているが、皆暗い雰囲気で誰も口を開かない。
「どうするのですか大神官様」
大神官にアレティリヤを探せと言った上級聖女が言った。
「……」
大神官は険しい顔をしたまま、何も答えない。
「やはり大聖女候補であったアレティリヤを連れ戻すべきです」
大聖女候補全員が女神に「お前は大聖女でない」と突き放された時、先代大聖女を軽視している事にお怒りになっている女神の意思も感じたという。
「アレティリヤを大聖女にするのですか」
「アレティリヤをもう一度大聖女候補にして、選定をやり直しさえすれば、女神の怒りは静まり、大聖女が誰であろうと加護を受けられるでしょう」
「とにかく、アレティリヤを探し出さなければ」
上級聖女、上級神官が次々に発言する。
「……わかりました」
そうは言ったが、既に神殿騎士にも秘密裏に雇った者にも探させている。国民にこの事を知られるわけにはいかない為、これ以上大々的には捜索できない。
アレティリヤを追放しなければ、こんな事にはならなかっただろうか。神殿の者はここにきてやっと自分の愚かさに気づき始めた。




