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第十六話 生と死の狭間で

ルナティアをリーダーとしたチームは魔族と遭遇した。

遭遇自体が偶然なのか、仕組まれた事なのか、必然なのかは解らないが、魔族との交戦でルナティアは瀕死の重症状態になっている。

ギリギリのところでルナティアが魔族に勝利したのだが、この場所が安全とは言い切れない。

ミラルバはシャーリンを一旦地面に寝かせるとルナティアの側に駆け寄った。

「ルナ!大丈夫?」

と、呼びかけたが反応はない。


「まさか、ラミーラの分体がやられるとはな。」

少し離れた場所でハンニベルと魔族の男は戦っていた。

ルナティアが魔族の女を倒した事を魔族の男は感じ取っていた。


「魔族の気配が消えた…」

魔族と対峙しているハンニベルもルナティアが遭遇した魔族の気配に気が付いた。


その時ルナティアは生死の狭間を彷徨っていた。

深い意識の中で賢者らしい男性が目の前に立っていた。

賢者はジッとルナティアの事を見つめている。

「悠久の魔女の話しを聞かせてやろう。

魔女の名はシュトラーナ・マリステラと言ってな。

自然を愛する魔法使いなのだが、魔法の見聞を深く知って行くうちに闇の力に触れてしまったのだ。

闇の精霊はシュトラーナの願いを一つ叶える代わりに大切な物を一つ渡せと迫ったのだ。

シュトラーナは願いを叶える為に自分の命より大切な親友の命を差し出したのだ。

彼女の願いは親友の命を救う事だった。

闇の精霊はシュトラーナに、それは矛盾していると激怒した。

シュトラーナは親友が不治の病に犯されている事を知っていてその命を救う為に闇の精霊を利用したとも言えるな。

それ以来魔道士や魔術士が闇魔法に手を出すと呪われると言われる様になったとされている。」

賢者に話しかけてもルナティアの声が発せられなかった。

賢者がルナティアに何を伝えようとしたのか、その時は知る由もなく。


そして、ルナティアは目を覚ました。

「うぅぅ。」

自分が何処かの部屋のベッドで寝ている事に気がついた。

身体を起こして部屋を見渡すと病室である事がベッドの感じと部屋の装飾、置かれている物、ドアの雰囲気から察しられた。


ぼうっと窓から外を眺めてみると、芝生の中庭が見えた。

身体はすっかり回復した。

ベッドから降りると部屋のドアを開けた。

廊下を歩いて行くと。

「あ!ルナティア様。

お目覚めになったのですね。

直ぐに先生を呼ぶのでお部屋でお待ちください。」

慌てた様子の看護師にそう言われると手を引かれて病室に戻される。

暫くすると、男性の医師が部屋に入って来てルナティアは診察を受けると特に異常のない事を告げられた。

「先生。大丈夫です。

私とても調子が良いんです。

それで、私はどれ位寝ていたのでしょうか?」

医師から瀕死の状態で運ばれて、治癒魔法士による治療を行い、三日三晩意識が戻らなかった事を教えられた。


ルナティアは床に両膝をついて両手を重ねると聖堂の方角に向かってホーラス神に祈りを捧げた。

「ホーラス神よ。私をお守りいただき感謝します。

今日命あるのも神の恩恵によるもの。

日々の幸せに感謝致します。」

神への信仰はルナティアにとって大きな心の寄り所だからである。

片時も信仰心を失う事はない。

医師との話が終わり暫くすると部屋に側付きのマティアが入って来た。

「ルナティア様。

目覚められて良かったです。」

涙目になりながらマティアはベッドの側まで歩いて来た。


「ごめんねマティア。

心配かけたわ。」

側に来たマティアの震える手をルナティアは手と手を重ね合わせた。


「ホントですよ。

どんなに心配したか…、ほんとうに困った人だわ。」

声が震えていた。

三日三晩寝ずにルナティアの側にいた事を後程ルナティアは看護師から聞いた。

手を握りながら祈る様に泣いていたそうだ。

それを聞いて申し訳ない気持ちで一杯になった。

マティアは安心したのか、看病をする世話人の部屋が完備されていて、少しの間倒れ込む様に寝てしまった。

ラスタナル王国立聖峰貴族院病院は貴族や王族を優先的に高度な治療を行う為に建てられた国営病院で優秀な治癒魔法士を揃えている。

ルナティアは公爵家である為、早急に治療を施された。


看護師が部屋に入って来た。

「ルナティア様。

ゼルス様、セシリア様、ライザット様がお見えになりました。」

すると、

「ルナティア!」

真っ先にゼルスが飛び込んでくる。

そして、ルナティアの笑顔を見るなり床に崩れ落ちた。

その後ろから、「ルナティア!」と叫びながらセシリアが飛び込んできてルナティアに抱きついた。

「お母様、ご心配をおかけしました。」

「お父様も。」

セシリアは泣きじゃくっている。


「2人ともルナティアは元気だと医者から聞いたのであろう。

慌てるでない。」

少し遅れてゆっくりとライザットが部屋に入って来た。


「叔父様…」

予想以上にルナティアが元気そうなのを見てライザットも安堵の笑みを浮かべた。

ルナティアはライザットを見て申し訳なさそうに俯いた。


「ルナティア。

意識が戻って何よりだ。

まあ〜この2人と来たら、屋敷に戻ってもウロウロと落ち着かず、挙句の果てには治癒魔法士が下手くそだったのでは無いかと言い出す始末。

自分の娘の回復力を信じられないとは全く情け無い。

まあ、それもお前の事を心配しての事だ。

夜も寝れぬほどにな。」


マティアといい、両親と叔父も含めてとてつも無い迷惑と心配をかけてしまった事にルナティアは深く反省した。

あの時、逃げ出す方法を考えるべきだったか、他に方法は無かったか、反省してしきりだった。


数日後、ルナティアは検査の結果問題無しと結果が出ると同時に退院した。

病院では親族以外の面会は全て謝絶している為、ミラルバやシャーリンとはまだ会っていなかった。

ゼルスの話よるとシャーリンは肋骨と腕の骨折で重傷であったが、今は回復している事やミラルバは軽い怪我程度で元気らしい。

魔族は先生達の活躍で退けた事。

今現在、魔族出現で王宮は混乱状態になっている事。

学校は来週から再開される。

周辺の警護や調査は冒険者や警備隊によって行われていて今現在何も解っていない。


ルナティアのステータス

15歳

人間族 女

ステータス 健康状態

魔力 1600万マルス

筋力 65

防御 120

魔法防御 200

知能 350

魅力 350

素早さ 230

運 200(神の加護により+120)

魔力変換率 15300マルス/秒

気力 80


スキル

無詠唱 レベル3

魔力強化 レベル6

祈り レベル6

風属性強化 レベル7

自然治癒 レベル1

治癒魔法強化 レベル4

念熟 レベル3

魔力感知 レベル1

成長加速 レベル1

ユニークスキル

魔力制覇

固定スキル

天真爛漫

心愛の定め


使用可能通常魔法

風属性 レベル3

回復魔法 レベル1

使用可能高位魔法

光属性 レベル5


ルナティアはステータスを見て驚いたのは、魔力値と魔力変換率が途轍もなく上がっている事とユニークスキル「魔力制覇」魔力感知や成長加速、自然回復が自然治癒に昇格し回復魔法を取得していた。

これについてライザットの元を訪ねていた。


「叔父様。

私のステータスなのだけど、魔力と変換率が大きく上昇してるし、回復魔法まで習得してるの。

これ程の変化は今まで無かったと思うんだけど。」

成人の儀式を終えると自分のステータスを見られる様になる。

勉強熱心なルナティアは魔法の訓練をした後も随時ステータスをチェックしている。


「なるほど。

ステータスの変化はユニークスキル「魔力制覇」が要因かも知れないな。

正確な事は言えないが、これ程の増加は珍しい。

ルナティアの魔臓器も優秀だと言う事だろう。

それに死線を彷徨った事で成長が加速された。

成長加速のスキルはその恩恵だろう。」

ルナティアのスキルを見ながら顎に手を掛けて頷きながら分析をしている。


「魔族があんなに恐ろしい存在だなんて、私の知る世界はまだまだ狭い。

もっと勉強して、皆んなを守れる人になりたい。」

自分の不甲斐なさに唇を噛んで悔しさを滲み出している。


「そう嘆くでない。

魔族を1人倒して、仲間を守ったのも事実。

誇って良い。

おお、忘れる所であった。

陛下よりルナティアに勲章が授与される事が決まったぞ。

魔族と初めて対峙してその1人を倒して仲間を守った功績が陛下の知るところとなった。」

ライザットの言葉にルナティアは固まってしまい呆然として動かなかった。

陛下の耳にまで聞き及んでしまった事に驚きを隠さないでいた。

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