第47話――ドラゴンの頭 VS アルマゲドンの職人
道に突然、静寂が訪れた。
ラスタバンは落ち着いた足取りで前に出る。
彼の前で、マリンは首を伸ばし、大あくびをし、何の遠慮もなくゆっくりと息を吐いた。
「さて……さっさと終わらせましょ。汗かきたくないの」
ラスタバンはわずかに眉をひそめる。
「よく喋るな、落ちるくせに」
彼女は肩をすくめた。
「よく言われるの」
ジャン=マルクが大げさに手を挙げる。
「決闘、開始せよ!」
マリンはゆっくりと息を吐く。
柔らかく、ほとんど怠惰な吐息。
その空気中に、ガラスの構造物が現れた。
透明な刃。
浮かぶ尖塔。
ラスタバンを囲む不完全な円。
「ガラス……?」とアラタがつぶやく。
ラスタバンは後退せず、地面に足を踏み下ろす。
紫色のエネルギーが迸った。
地面が震える。
ガラスの構造物が突然揺れた。
内部の何かが従うことを拒んでいるかのように。
亀裂が入り……そして砕け散った。
「はっ! 脆すぎる」とラスタバン。
マリンは動かず、ゆっくり息を吸い込む。
とてもゆっくりと。
ハストゥールは目を細め、注意深く観察する。
「アラタ……よく見ろ」
「え?」
「ラスタバンの力……一言で表すなら」
「反乱だ」
ラスタバンが突進する。
拳が振り下ろされ、紫のエネルギーに包まれる。
地面が自らを押し返すように隆起し、マリンを吹き飛ばした。
彼女は地面に滑りつき、ため息をつきながら立ち上がる。
「あ……痛い。強いわね」
「すべてが他に依存しているものは……」
ラスタバンは拳を握りしめる。
「……俺はそれを自分に反逆させる」
紫の亀裂が腕を走る。
不安定なエネルギーが皮膚の下で脈打つ。
ハストゥールは目を離さず解説を続ける。
「彼の能力は、二つの結びついた構造を反乱させる。
物体に対して、持ち主に対して、
エネルギーに対して、そして自分自身のアニマにまで……」
アラタは唾を飲み込む。
「待って……自分の力にまで攻撃されるの?」
「そうだ。
使用するたびに体に感染する。
少しずつ、彼のアニマは別物になっていく」
それに応えるかのように、ラスタバンの背中に形が現れ始めた。
紫のエネルギーでできたドラゴンの頭。
マリンは首を傾げる。
「おお……痛そう」
ラスタバンが消え、すぐに彼女の目の前に再出現する。
一撃、また一撃。
彼の攻撃は、彼女が作ろうとするガラス構造物を次々に破壊した。
CLAC.
CRASH.
破片が飛び散る。
「遅すぎる!」とラスタバン。
マリンは木に吹き飛ばされ、血を少し吐き、しかし微笑む。
深く息を吸う。
空中に漂うガラスの破片が振動する。
空気そのものが彼女に集まるようだった。
アラタは目を見開く。
「え……?」
マリンが息を吐く。
今度のガラス構造は違った。
厚く、暗く。
中央には……
凝縮された火の球が脈打つ。
「まじで……?」とハーヴィー。
ラスタバンは躊躇なく攻撃する。
ガラスが爆発。
BOUM.
ラスタバンは後方に飛ばされ、地面を引きずられる。
腕が煙を上げた。
「どうして……!?」とアラタ。
ジャン=マルクは口ひげを整え、真剣な表情になる。
「マリンが弱いと思ったか……
大間違いだ」
彼は微笑む。
「彼女は本当に恐るべき存在だ」
マリンは再び息を吐き、周囲に爆発するガラスの槍を生み出す。
「吐きながら作る。
吸いながら吸収する。
そして全てを……利子付きで返す」
ラスタバンはゆっくり立ち上がる。
背中に二つ目のドラゴンの頭が現れた。
「なら……もっと強く壊せばいいのか」
「試してみな」
二人は互いに飛びかかる。
ガラス。
火。
紫のエネルギー。
爆発。
一撃ごとにラスタバンは限界に近づく。
破壊するほど、マリンはより危険になる。
決闘はまだ始まったばかりだ。
ラスタバンは息を整え、一つのドラゴンの頭が背中に輝く。
紫の瞳が燃えていた。
「悪くない……」唇の血を拭いながら彼は言う。
「でも、それだけでは足りない」
マリンは眉を上げ、腰に手を置く。
「紫の息だけでこれが限界? 本当のガラスの力を教えてあげる」
深く息を吸う。
壊れたガラスの破片が周囲に浮かぶ。
空気を吸い込むかのように取り込む。
目に見えないエネルギーが体内を巡る。
そして再び息を吐く。
今度のガラス構造はさらに複雑になった。
大きな透明の柱が立ち、それぞれの中心に凝縮された火の球。
地面はその重みでわずかに震える。
アラタは口を開けて見つめる。
「でも……どうやって……?」
ハストゥールは首を傾げる。
「彼女の力は二段階だ。
作る、吸収する、そして攻撃に変換する。
だからラスタバンは注意が必要。
アニマを使いすぎると危険が増す」
ラスタバンは眉をひそめる。
背中のドラゴンの頭が動き、脅威を察知しているかのようだった。
「過小評価したことを後悔させてやる」とマリン。
彼女はガラスの刃と尖塔を放つ。
ラスタバンは完璧な流動性で避け、紫の軌跡を残す。
「速い……でも、まだ始まりよ」
「おい、バン」とハストゥールがアラタにささやく。
「彼女の動きに注目。回避のたびにエネルギーを反撃に変えている」
「すごい……」アラタ、感嘆。
ラスタバンの連続攻撃。
各打撃が紫の波を生み出す。
マリンはガラスで受け止めるが、中心の火の球が小爆発し、わずかに押し戻される。
「はっ! いい感じね。これでやっと面白くなってきた」
ジャン=マルクが道端で声を上げる。
「そうだ! 彼女は単なるガラス細工師ではない。
すべての呼吸が武器だ」
ラスタバンは圧力を感じる。
背中のドラゴンの頭がわずかに震え、完全に現れようとする。
彼は反アニマの影響を考え、出しすぎないよう制御した。
「全力を出したら、二人とも死ぬぞ?」と彼はマリンにささやく。
彼女は笑みを浮かべる。
目には狂気の輝き。
「こういう挑戦、大好き。全力を見せて…楽しませてもらうわ」
二人の体が飛びかかる。
ガラスの破片、火の球、紫の軌跡。
ラスタバンの攻撃は柱を破壊し、マリンは吸収して変換し、返す。
「はっ! 俺を殺す気か……」ラスタバン、緊張の笑み。
「その通り!」マリン、笑う。
アラタは口を開け、ハストゥールを見る。
「ついていけない! どうやって制御してるんだ?」
「危険な力だ」とハストゥール。
「反アニマが徐々に進む。毎攻撃が体を消耗する。しかし、彼は生き延びながら圧力を維持するため慎重に動く」
戦いは続く。
地面はガラスの破片で覆われる。
紫の波と爆発が空気をきらめかせる。
ラスタバンは跳び、転がり、攻撃する。
マリンはガラスを操り、吸収し、返す。
ジャン=マルクは首を振る。
「まだ弱いと思っているのか……! 破壊力と創造力を兼ね備えた真の職人だ」
ラスタバンは疲労を感じる。
背中のドラゴンの頭はわずかに震え、完全に現れず。
反アニマを管理しつつ攻撃を続ける。
一秒一秒が力と生存の均衡。
「悪くない……」息を切らしながらラスタバン。
「でも終わりじゃない」
「私もよ」マリン、残酷な笑み。
戦いは続く。
火とガラス、紫のエネルギーの命の舞踊。
マリンが完全優位になる時が近づく。
ラスタバンは小さなミスが致命的と知る。
背中に二つ目のドラゴンが現れ、弱々しく震える。
両脇を噛み、強烈な痛みで姿勢が崩れる。
攻撃力がわずかに弱まり、軌道が逸れる。
マリンは躊躇せず、ガラスと火の息を直撃。
衝撃は**凄まじく**、ラスタバンは吹き飛ばされ、力を失う。
静寂が訪れる。
マリンは膝をつき、息切れしながら座る。
手は震え、肩は力を抜いた。
ラスタバンは倒れ、アニマも揺らぎ、動けない。
決闘は終了した。
アラタ、エファ、ハストゥールは立ちすくむ。
恐怖と尊敬、安堵の混じった空気。
戦いは**過酷で完璧、示唆に富んでいた**。
マリンが勝利した……だが、代償も大きい。
ラスタバンは最後まで耐え、限界を超えた。
静寂の後、徐々に呼吸が戻る。
ジャン=マルク:勝者はマリン!
ハストゥールは鋭い目でラスタバンに近づく。
ラスタバンは突然目を覚ます。
「俺……負けたか……」
ハストゥールは手を取り、温かく微笑む。
「よく戦った、兄弟よ」
彼を抱え、戦場から離れた場所に下ろす。
「後のことは任せろ」
ジャン=マルク:次の挑戦者、進め!
ラストが一気に跳び出し、アリーナへ。
ハストゥールも前に出る。
ラスト(獰猛な笑み):さて、お前が俺の相手か。期待を裏切るなよ。




