第二話 女子高生!?
第二話 女子高生!?
木馬は、錯綜の頭を踏み潰していた。
錯綜が攻撃を仕掛けるよりも速く。
錯綜は絶命した。
こうして、任務は遂行された。
僕たちはクライアントへの報告を済ませ、スクラの
事務作業をしていた。
瞬「なぁ、今回の錯綜の案件をくれたクライアント
あるだろ?」
「ん...?あの常連客のことか?」
瞬「そう。そこの事なんだがな?」
瞬は進めていた作業の手を止め、デスクにある
資料の中から赤いファイルを取り、そこから一枚の写真を
取り出した。
「なんだそれ?」
瞬「なんだと思うよ?」
めんどくさいなこいつ
「女子高生...お前まさか!?」
礼太「瞬さん。失望しました。」
瞬「ちげぇよ!!断じて!!断じて違う!!」
瞬はうるさい声をさらに張り上げて言った。
「んで、それは結局なんなんだよ?」
瞬「実はなぁ、クライアントに言われたんだ。この女子高生を探してるって。」
礼太「依頼ってことですか?」
瞬「いんや、そう言うわけでもなさそうだ。」
瞬は「ただ」と言葉を続けた。
瞬「もしかたら、この女子高生、なんらかのエフェクトを
持ってる可能性はあるがな。」
こんな裏社会に捜索されるような女子高生か。
なにか裏がありそうだが、結局僕らは依頼を遂行して
カネをもらう。それだけだ。
変に首は突っ込みたくない。
この仕事において、変な正義感を出し死ぬようなバカが
たまにいる。
何があろうと、僕らみたいな人間は依頼の遂行が第一だ。
「あぁ、足痛っ」
クライアントから買っている回復溶液で多少は緩和されて
いるが、それでも痛いもんは痛い。
礼太「ざっくりいっちゃってましたもんねぇ。」
瞬「俺の木馬でも一発で木っ端微塵だもんな。そりゃあ直撃したら痛ぇよ。」
「靴が頑丈で助かった...」
実際、生身で受けたら足ごと持ってかれてたかもしれない。
連続で打たれなくて良かった。
エフェクトと言うのは、一度に使いすぎると身体に色々な
悪影響が出る。
エフェクトを使っている間は、呼吸を止めているような
ものなのだ。
だから三半規管がぶっ壊れ、鼻血だの酔いだのと気持ち
悪い症状が出る。
だからバンバン使うことが難しいエフェクトもある。
ちなみに僕のエフェクトはそこまでじゃない。
限界より速く、もしくは長くワイヤーを伸ばしたり、
精密な動作を続けているとそうなる。
今回の錯綜の場合、連発できるのは3回までのようだった。
4発目を打つ時、数秒のクールタイムを取っていた。
流石にあの威力だ。相当身体に負担がかかるんだろう。
ちなみに、瞬のエフェクトは簡単、動く木馬を出せる。大きさを小さくすればそれに比例して木馬が出せるパワーも小さくなるが、その分大量の木馬を出せる。
瞬「おっ!こんな時間に新しい依頼!」
瞬が突然そう言い出した。
ちょっとびっくりした。
...いや割とマジで
やめてほしいものだ。
礼太「マジですか!?」
礼太が反応する。
「依頼内容は?」
瞬「...」
少しの間、この狭い事務所に静寂が訪れた。
「どうした?瞬。」
瞬「さっき、俺が見せた写真あるだろ?」
瞬の声はいつもより数トーン下がった低い声だった。
大体こういう時は、真剣な話になることが多い。
瞬から出る言葉は大半が冗談交じりだ。
ただ、この声で話す時だけは違う。
「あぁ、あの女子高生の?」
僕が相槌をうつと、瞬は一呼吸おいて言った。
瞬「その女子高生の拘束依頼が来た。」
「拘束って、殺さずに捕まえるのか?」
瞬「あぁ、指定された場所まで運んでほしいらしい。」
なんでまた殺し屋に。
しかも、実績が多数あるわけでもないのに。
礼太「なんか裏がありそうですね。」
礼太は訝しげに言った。
瞬「まぁ、依頼だししょうがない。」
「...そうだな。」
拘束依頼は基本、殺さなければある程度の暴力は
許される。何せ殺し屋に依頼してるわけだからな。
ただ、今回の依頼は違った。
傷つけずに拘束、運搬。
裏があるような気がしてならないが、先ほど言ったことと同様、クライアントの依頼の遂行が第一だ。
どんな理由があろうと。
作戦決行日、僕らはとあるビルの屋上にいた。
女の子の名は白石一果。
ビルとビルの間、路地裏にその子はいた。
瞬は一呼吸おいて言った。
「よし、行くか。」
瞬「あぁ。」
ワイヤーを使ってその子の目の前に降りる。
一果「っ!!」
一果は咄嗟に進行方向を切り替え、
後ろを向いて走り出そうとした。
瞬「おっとっと、こっちは通さないぜぃ」
そこに瞬が降りてくる。
逃げ場はなくなった。
さて、どう動く?
一果は交互に僕たちを睨んだ。
「そう怖い顔するなよ。僕たちは君に手を出す気はない。」
瞬「手ぇ出すやつの言い方だな。それ。」
「うるせぇやい。」
こいつはどちらの味方なんだか
一果「...貴方達は、どうして私を追って来るのですか?」
一果は警戒を解くことはないが、口を開いた。
「どうしてと言われてもまぁ...依頼だからとしか。」
そう、依頼だから僕らはこうして、今ここにいる。
依頼だから、この華奢な少女を拘束しようとしている。
すると、一果は言った。
一果「体目的ってことですか?」
「なんでそうなるんだ...?」
ホントになんでそうなるんだ。
一果「いや、だって私の不z」
バンッ
突如、銃声が鳴り響いた。
「えっ...?」
どこで銃を撃ったのかは分からない。
正直焦った。
完全に不意を突かれたからだ。
敵の存在も、今こうして銃を撃ったやつの場所も
わからない。
ただ、命中先は見えていた。
目の前、数m先。
弾丸は、一果の額を...正確に撃ち抜いていた。
次回第三話 不死身ってマジ?




