第三話 不死身ってマジ?
第三話 不死身ってマジ?
「なっ!!」
瞬「あ゛っ!!」
咄嗟に体が動くが、もう遅い。
何せ彼女は既に額を撃たれてるのだ。
バンッバンッ
さらに追撃で二発、弾丸が発射される。一発は瞬の木馬の首元を破壊し、もう一発は僕の右肩に穴を空けた
「がぁあ゛!!」
瞬「花梨っ!!」
その瞬間、撃たれたはずの一果が起き上がった。
「はっ!?」
額に出来た傷は既に血が止まっている。
なんだ?これが一果のエフェクトか?
そう考えていると、一果はこちらを見て。
そして、僕を抱き寄せた。
え?
なんで?
いや、は?
どういうことだ?
そんなことより肩が痛すぎる
そらそうだ。
穴が空いてるんだからな。
と思ったが、痛くない?
一果「どうですか?」
「いや、えっ...?」
「なんっ...」
瞬「おいっ!後ろ!!!」
瞬が数m先から僕に叫んだ。
咄嗟に後を振り返ると、拳銃を持った男がこちらに
走ってくるのが見えた。
即座に地面に手をつけ、ワイヤーで足払いをする。
???「うおっ!!」
男が転んだ瞬間に横を木馬が走り抜け、やがて頭を踏み
つけた。
僕は念のため一果の両目を隠しておく。
「一人だけか?」
瞬「いんや、逃げたな。」
「そうか。」
一果「あの、手、大丈夫です。」
「えっ?ああごめん。」
僕は手を両目から離す。
すると、瞬はこちらに振り返り、言った。
瞬「色々聞きたいことがあるし、君には俺達についてきてもらう。本当に君にはなにもしない。俺たちはね。」
すると、一果は僕の目を見て言った。
一果「貴方達は、誰に雇われたんですか?」
「言うことはできないな。」
一果「...私の能力は知ってるんですか?」
「知らない。聞かされてないからな。クライアントから。」
瞬「クライアント側と話をしたところは、知らない感じ
だったぞ。」
一果の傷は既に塞がっている。
出血も止まっている。
ただ、額にはべったりと血がついていた。
「とりあえず、ここビルのトイレでもいいから顔洗って
こい。話はそれからだ。」
すると、一果は不思議そうに言った。
一果「いいんですか?逃げるかもしれないんですよ。」
確かにそうかもしれないが。
「その顔で居られても困る。」
それに尽きる。
「いいよな?それで。」
僕は瞬に訊ねた。
瞬「まぁ、良い、けど...」
「そういうことだ。ほら、立て。行くぞ。」
一果「...はい。」
ビルの中に入り、トイレに連れていく。
「拭くものあるか?無いならタオル渡すけど。」
一果「欲しいです。」
「ん。」
一果にタオルを渡すと、ありがとうございますと小声で残し、トイレに入って行った。
「どうするか...」
うーーーーーん。
首を突っ込まない。これは大切なことだ。
ただ、他組織が絡んでいるとすれば、話は別だ。
他のクライアントが組織に案件を出している?
そこまであの子が狙われる理由は何だ?
そもそもなぜあの子は額を撃たれて生きている?
なぜ僕の肩の傷は塞がっている?
さまざまな疑問が頭を駆け巡る。
「どういうことなんだ...?」
本人に事情を聞かない限りはわからんな。
そうやって考えていると、一果がトイレから戻ってきた。
暗がりの中で分からなかったが、何と言うか、その、
かなり整った顔をしている。
茶髪のボブで綺麗な瞳。
色白の肌に、ってなに考えてんだ僕。
「...行くか。」
一果「はい。」
一果を連れて建物を出て、瞬と礼太の待っている車に
乗り込んだ。
さてと。
「聞かせてもらおうか?」
すると、一果は口を開いた。
一果「まず、貴方達は殺し屋ということで良いんですね?」
「そうだな。」
一果は一拍おいて言った。
一果「私の両親は、殺し屋に殺害されました。」
一果「そして両親が殺される場に、
私は居合わせてしまいました。
父親は腕を切られ、上半身を下半身と切り離されました。
そして母親の首が飛んだとき、
私の中で、何か大切なものが壊れる音がしました。
首に刃物を突き立てられ、私は意識を失いました。」
一果は淡々と続けた。
一果「そして私は、目が覚めました。」
一果「自分に何が起こってるのか分からない。
けれど首に刺さっていたはずの刃物は床に落ち、
傷口は塞がっていました。それが真実なんです。
両親の死体はなくなっていました。
なぜ私の死体を運ばなかったかは分かりません。
私は一心不乱に走って、走って、そして...」
一果「私は、気付いたんです。
不死の身体になってしまったんだと。
何度も、私は両親の元へ行こうとしました。
何度も何度も。
それでも、私の身体はそれを許しませんでした。」
一果は乾いた笑いを漏らした。
次回第四話 不審者じゃないです。




