第一話いっってぇなおい!
3日間お試し限定公開!!
10月30日16時10分まで通読可能。
好評なら続き出るかも...?
目の前に女子高生がいる。
何の変哲もない、茶髪の可愛らしい華奢な女子高生が、
額を撃たれて、血を流して。いる。
目の前に女子高生がいる。
超常現象、超能力、魔法、
一般の人間がそう呼ぶ事象。
これをこっちの「世界」では通称エフェクトと言う。
そんなエフェクトを使い、裏社会の人間は日々活動を
している。
その中にうちも含まれるのだが...
ーーー数日前ーーー
瞬「えぇ、これより!我が社 SCRAの会議を始めます!!」
礼太「いぇえええい!!」
瞬「テンション高いねぇ?」
礼太「そりゃそうですよ!何せ僕がスクラに入って
初めての会議ですからね!!」
礼太「ねぇ?先輩!!」
「ん?...あぁ。そういえばそうか。」
瞬「おい!花梨!お前やる気が無さすぎだぞぉ。
礼太を見習え礼太を!」
「この毎回お前のせいでめちゃくちゃになって僕が議題持ち帰る会議に、どうやる気出すってんだよ?」
瞬「それは、そのぉ...ご苦労様です。」
僕の名前は礼太、ではなく花梨。女性のような名前にきこれるかもしれないが、僕は正真正銘ストレートの男だ。
スクラなんて大層な名前がついている'う'ち'だが、
一応殺し屋である。
うちはクライアントから案件をもらい、その依頼を遂行して金をもらっている。
とは言いつつ、常連クライアントは数件。
新しく入ってくるのはかなり珍しい。
ちなみに、この場にいるこの三人も、それぞれエフェクトを持っている。
瞬「あれ...?」
会議を始めたとたん、瞬は自分のパソコンの画面を見ながら呟いた。
「どうした?」
瞬「この案件、明日までじゃなかったっけ...」
礼太「えっ?」
「えっ?」
えっ?
瞬「今すぐこの男殺るぞぉおお!!」
「ちょっと待て!!なんの計画も無しに突っ込むって
バカかお前!!」
瞬「つったって早く殺らないと案件が!」
だとしても計画無しに突っ込む殺し屋はバカだろ。
「はぁ...大丈夫だ。幸い、この案件は礼太が作戦練ってくれてるはずだ。」
礼太「はい!その通り!゛僕゛が゛計画を立てました!」
礼太はえっへんと聞こえてきそうな態度で言った。
瞬「んで、その計画ってどんなのなんだ?」
そして、礼太の計画が語られた。
その計画は新人にしてはかなり完成度が高いもので、
思わず感心してしまった。
「やるじゃないか、礼太。」
瞬「おい!なぁんで俺の計画は指摘ばっかしてくるのに礼太の計画は褒めるんだよぉお!!」
「そりゃあ、こんなに完成度が高い計画を新人が作ったってんなら褒めざるを得ないだろ。」
いつも瞬はなんとも無茶な計画ばかり持ってくる。
それを僕が修正し、なんとかマシな物にするのだ。
礼太「えっへへ」
礼太は満更でもなさそうに頭の後ろを掻いた。
別に期待していたわけではない。
新人ってのはすぐに死ぬ。
自分のエフェクトの強みをうまく発揮できず、
大抵は熟練のエフェクターにあっさり殺される。
そう。あっけなく、殺される。
だからこのスクラは人数が少ない。
というか現状は俺たち三人。
ただそんなんでも依頼してくるクライアントがいる。
僕と瞬は昔からこんな活動をしていたので、そこで
知り合った人間からの依頼がほとんどだ。
瞬と僕は元々別の組織に属していた。
なんやかんやで知り合い、腐れ縁でズルズル関係を続け、独立した。
そう考えるとまあまあ僕もお人好しに聞こえるな。
現場は○○県の山の中にある建物。
ターゲットは住み込みで働いているらしいが、どうやら裏の人間との接点があるようだ。
「ターゲットは60代のおっさんと聞いているが、
本当に合ってるんだろうな?」
瞬「流石に間違えることはねぇよ!!」
まぁ、流石にそうか。
逆に間違えてるのがおかしい。
瞬「ターゲットは60代ハゲのおっさん井川錯綜!
髭なし身長180cm筋骨隆々!ゴツくてハゲのおっさんがいたらソイツがターゲットだ。」
「了解ッ!」
分かりやすいような、そうでもないような説明を受け
ながら準備を終え、
いよいよ建物の中に入る。
暗い。
そりゃそうだ。現在時刻は深夜3時。
礼太の運転が上手いおかげで早めに着いたが、
それでもそろそろ明るくなってくる。
瞬と別れ、僕は慎重に玄関から先を進んでいく。
暗闇の中、いつ誰が出てくるかわからないのだ。
相手のエフェクトがわからない状況なら、暗闇で戦うのは避けたい。
ただ、今回はエフェクトの情報がある。
しかし、しかしだ。今回の相手に関しては暗闇で戦うのは少しこちら側が不利にn
スバッ!
「っ!!!」
瞬間、目の前をとてつもなく速いなにかが通りすぎた。
躱したぁッ!
と思ったが、額ひたいからツーっと血が流れてくる。
躱せてなかったぁッ!
そして、暗闇の先からゴツめの男が歩いてきた。
錯綜「躱したか...?」
躱せてねぇよ...と思ったが額の血を見て察したのだろう。
錯綜「フッ...」
笑ったぞ。鼻で。鼻で笑ったぞ。
現在地はこの建物の入り口から入って左に曲がった廊下。
瞬は作戦通り屋上にいる。
僕はとにかく、こいつを屋上に連れていく必要がある。
錯綜「俺のエフェクトは...知っているようだな。」
「まぁな。流石に能力も知らずに突っ込んでいくほど僕はバカじゃない...僕はな。」
この男のエフェクトは、説明しにくいので簡単に言うが、自分の目で捉え、ピントが合っている物体を
指で線を引くようになぞると、なぞった部分を
切り裂くように真空状のカッターを飛ばせる。
いや本当に分かりにくいのだが、クライアントから
提供された情報は今の通りだ。
錯綜はこちらを睨んでいる。
隙は、無いな。
流石は60代。
何となく正面で戦って勝てる気がしない。
すっごい気迫。
正直ちょっと怖いくらいだ。
次の瞬間、錯綜は僕の左脚付近を指でなぞった。
来る。
すぐさま跳んで避けようとしたが、ギリギリ足の甲を
切られてしまう。
「いっってぇなおい!」
骨が傷ついたのだろう。激痛が走った。
錯綜は二発目の予備動作に入った。
怯んでる暇はない。
動け。
動かなきゃ死ぬぞ。
次は恐らく首だ。
この威力で首に受けるのは相当マズい。
僕は右脚に思い切り力を入れ、左手にある窓へ跳んだ。
パリンと窓ガラスが割れる音と共に、体が外へ飛び出る。
屋上までは10m近くある。
ここは二階建ての建物だからな。
僕は屋上まで届いている岩で出来たワイヤー状の物体を
左手で掴んだ。
刹那、ワイヤーは僕の体を屋上まで引っ張り上げた。
錯綜「チッ...屋上か。」
瞬「うぅわあ...結構ガッツリいったな。」
屋上で待機していた瞬と合流すると、僕の傷口を見ながら
瞬が言った。
「相当高いぞ、あのカッターの威力。」
瞬「弾丸と比べてどうだ?」
「まぁ、多少威力は落ちるが、回数制限無しで攻撃範囲もでかくて、ほぼ必中だからな。」
「それに拳銃持ってたとしても撃つ前に撃たれるか
弾丸を一刀両断されるだろう。」
瞬「すげぇ殺意高いな。」
「ああ。」
紹介し遅れたが、僕のエフェクトは触れたところからワイヤー状の岩を伸ばすことが出来るというものだ。
言葉にすると殺傷能力が低く殺し屋向けではないように
聞こえるが、一応伸ばした岩で骨を貫くくらいは出来る。
本当にそれくらいだが。
誰だ今ショボいって言ったの
聞こえてんだかんな。
わかるんだかんな。
...橋本環奈
ガチャっ
屋上の戸が開く音がした。
来たか。
瞬「...よし。」
瞬が一呼吸した瞬間
バンッ
扉が勢いよく開いた。
錯綜「ぬおあ!?」
開いた扉の手前で、錯綜がバランスを崩しよろける。
錯綜の体には手のひらサイズの木馬が
数十匹しがみついている。
錯綜「なんだこれはっ!!」
瞬「俺のエフェクトだよ。おっさん。」
瞬は右手の指で額付近にピースを作った。
錯綜「このぉっ!!!」
錯綜が指で木馬をなぞりながらもがくが、木馬は次々と噛みついて行く。
木馬は一発で壊れるものの、数が多すぎて錯綜は
圧倒されていた。
暴れる錯綜の足を、僕は地面を這わせたワイヤーで刺した。
足が固定されたことで、錯綜は完全にバランスを崩し、
バタリと体を倒す。
瞬「気を取られて気付かなかったみたいだなあ?」
なんでこいつがドヤ顔してるのかわからないが、
今のところ作戦通りのため良しとする。
すると錯綜はこちらをギッと睨み付けた。
瞬「おぉ、気迫ぅ!」
何をふざけているんだこいつは
その瞬間、噛みついていた木馬が1ヶ所に集まり、
2mほどの木の馬になった。
錯綜が人差し指をこちらに向ける。
それと同時に、木馬が脚を上げる。
そして
グシャっと、鈍い音がした。
次回第二話 女子高生!?




