そして冥界へ
冥界の入り口に来てみると前と何一つ変わることのない景色だけが広がっていた
「なにも変わってないな・・・」
あの悪夢を思い出しながらも歩を進めていく
ケルベロスを倒した部屋を進むと広い空間へと繋がっていた
話によると制圧部隊は再度結成し一部屋進めたらしい
だが、予想とは違い大群戦だったようで被害はほとんどなかったそうだ
「この次の部屋か・・・」
次の部屋への扉の前に行くと人の気配がする・・・
どこに隠れているかはわからないが複数いるようだ
「誰かはわからないが隠れてないで出てこい。そこにいるのはわかっている」
扉の近くにある柱の影から出てきたのは銀、ウィド、ハーメルン、ライオネル、銀、あと知らないフードを深く被った奴がいた
「ハル、いままで勝手にどこか行ってたうえに連絡もせず一人で冥界に来るなんてどういうこと?説明してくれるよね?」
銀が笑顔で語りかけてくる・・・これは本気で怒っている時の表情だ
他の連中もかなり怒っているようで表情が隠せていない
「悪かったとは思っているけど謝る気はないんだ。悪いけど俺は先に進む」
そう言って歩を進めようとしたらライオネルが立ち塞がった
「グレイ、お前がどういうつもりかは知らんがこの先一人で進むつもりなら俺が相手になるぞ」
ライオネルが軽く武器を構えた
俺もすかさず【紫水】に手を伸ばす
「かっこいいこと言ってるつもりだろうけど前作で俺に勝てなかったデカ物が調子のいいこと言ってんじゃねぇぞ?そのまま切り伏せて俺は一人でも先に進む」
一触即発、まさにその言葉通りいつ決闘が始まってもおかしくない状態だった
「ライオネル、やめるんだ。そんなことのために来た訳じゃないだろ。話をしに来たんじゃなかったのか?」
ウィドが割って入る
銀も間に入ってきた
「僕は待ちを出ていったことは怒ってない。だけどこの先に一人で行くなら絶対に止めるよ」
銀がここまで言うってことは諦めるしかなさそうだな
できればここにいるやつらを切り伏せてでも進みたいとこだったけど・・・
「わかったよ。とりあえず街に戻って話そう」
そう言って俺は進んできた道を戻った
宿についてからは俺が街を出てから街の中で起きたことを聞き、俺がサユナと出会ったこと、そしてカケルの顔をしたNPCと戦闘しサユナが殺されたことを話した
「それで、俺はこの話し合いが終わったらすぐにでも制圧にいこうと思ってんだけど、どうするんだ?」
皆が無言だった
しかし口火を切ったのはフードの奴だった
「あんたそれで死んで終わりにしたいだけでしょ?はっきり言って一人じゃ攻略も無理だし、その死んだ人達の思いも考えてないんだね」
女の声だった
あまりにも的をえた発言に俺は頭にきた
「なんなんだよお前!話に入ってくるなり顔も見せず言いたいことだけ言いやがって!」
そういうと女はフードを外した
そしてでてきた顔は・・・サ、サユナ!
「サユナ!死んだんじゃなかったのか!」
俺は取り乱し彼女の肩を強くつかんだ
「いっ・・・!痛いじゃない!私はサユナじゃなくて結菜よ!頭おかしいんじゃないの!?」
落ち着いて確かによくみると髪型も若干ちがうし背も少し低かった
「あ、ご・・ごめん。顔があまりにもそっくりだったからつい・・・」
顔は正直瓜二つで顔だけみるとサユナのようだった
そしてその一言に彼女の顔は凍りつく
「ねぇ、ま、まさかとは思うんだけどその女性って髪型がこんな感じで背はこのくらいの・・・」
髪型も背もほぼほぼあたっている
「たしか年齢は25って・・・」
その瞬間結菜は俺の襟首を掴みかかった
「あんた!私のお姉ちゃんを見殺しにしたの!?ねぇ!どういうことよ!」
周りの奴等は慌てて押さえる
結菜を落ち着かせてみると同時期に始めた姉がおり、それがサユナだったようだ
プレイヤー名までは知らなかったらしく気づかなかったらしい
「ごめんなさい。まさかお姉ちゃんが・・・。話をしっかり聞けばしょうがなかったんだもんね。ハルさんも辛かったのに・・」
思い出すだけで苦痛だ
あのバルバトスとかいう奴は意地でも俺が殺してやる
「しょうがないさ、誰だって身内がそんなことになってるなんて聞けば取り乱すのが普通だし」
俺もてっちゃんがあんなことになった時はどうにかなるんじゃないかと思ったほどだった
「というか結菜はなんでこのメンバーに?」
ふと不思議に思い聞くとどうやら結菜は前作のサービス開始当初のトップランカー勢だったらしい
最初の一年で受験の年になってしまい仕方なく引退したそうだ
「俺も初期の頃からやってはいたが初期すぎて記憶に残ってなかったが腕は確かだ。刺突剣の使い手でかなりの強さだぞ」
ライオネルは一回だけ見たことがあるらしく相当の実力者のようだ
そのあともこのあとのことを話し合い後日次の部屋を攻略しに行くことになった
結菜とも一応和解し自己紹介も済ませその日は宿へ帰った・・・




