黒き鬼
二日後
冥界には制圧部隊が揃っていた
前回俺が参加したときよりも人は増えてるようだ
「お、きたか」
ライオネルが真っ先に俺に気づく
すると他の連中も俺に気づいたようだった
「じゃあ行くとしよう」
ウィドが指揮をとり冥界へと歩を進める
そしてあの扉の前にたどり着いた
「絶対に生きて帰ってやる・・」
そしてウィドが門を開く・・・
すると松明に灯りがついた
『待っていたぞ小さき者共よ』
待ち構えていたのは大きなミノタウルスだった
重厚な鎧をまとい4mはあろう斧を背負っている
「陣形を整えろ!いくぞ!」
ウィドの掛け声で一斉に走り出す
前衛は一目散に足元へ、後衛は後ろで待機する
『その程度の人数で勝てると思っているとは片腹痛いわ』
その瞬間斧を後衛に投げつける
俺の脳裏によぎるのはあの悪夢
「銀!よけろぉぉぉぉぉおぉぉぉ!」
と、心配したのもつかの間後衛にはウィドが待機していた
ウィドは盾を構える
「【守護の盾】!」
ウィドの盾が巨大なエフェクトに包まれる
盾に斧が当たると斧は弾き返される
『ほう、これを受け止めるとは・・・ならば真剣に相手をしなければならぬな』
跳ね返されたおのを軽々と掴むとミノタウルスの目が赤く光る
「今だ!攻撃開始ぃいぃぃぃぃっ!」
ウィドの号令で一斉に攻撃が始まる
少しずつ削れていくものの踏み潰され命を落とすものも何人かいた
「相棒、頼むぜ・・!」
足元へ駆け寄りながら手をかける
その勢いのままミノタウルスの左前足を凪ぎ払う
続けて連撃をいれていく
ミノタウルスも足元に向けおのを振りかざし全力で叩きつける
地割れのような振動が起きるが怯んでいる暇などなかった
攻撃を交わしながらも切りつけていきミノタウルスの体力が半分に差し掛かる
『生意気な小人共が!そんなに死にたければ殺してくれるわ!』
低い声が地鳴りのような振動を引き起こす
次の瞬間ミノタウルスは斧を後ろへ放り投げると壁にかかっていた巨大な剣を掴んだ
「全員後退だ!急げ!」
ウィドが叫ぶかそんなに早く反応できる者ばかりではない
ミノタウルスが掴んだ剣を横に凪ぎ払う
このままでは前衛が総崩れになる
そう思った途端体は動いていた
ミノタウルスの剣に対し交差するように武器を構える
剣が当たると同時に俺の腕は不快な音を立てながら体ごと吹き飛ばされた
意識が朦朧としているがギリギリ体力は残っていた
覚めていく中回りにヒーラーが集まっていた
呪文のお陰で腕は治ったのか痛みはないが身体中が痛い
「ま・・・だだ・・・・仇を・・討たなきゃ・・・・」
無理矢理体を起こそうとするとウィドに止められる
「動くな!おとなしくしていろ」
肩を押さえられる
だがそれでもあいつを倒して前に進まなくては・・・
そう思った時だった
相棒の鬼の字が黒いオーラを放つ
そのオーラは俺の体を包み込んだ
すると痛みはなくなり自然と力が湧いてくる
「これなら・・・やれる!」
俺は相棒をしっかりと掴むと周りの人を振り払いミノタウルスへと駆け出す
「誰かあいつを止めろ!」
ウィドがそう叫んでいるのが聞こえた
でも止まるわけにはいかない
ここを越えないとバルバトスとは戦えない
全力で駆けながら確認するとミノタウルスの体力は3分の1にまで減っていた
鬼族専用スキル
【桜花乱舞】
全力で走りながらもなおスピードを上げていく
人の群れの中を駆け抜ける
ミノタウルスの胴体めがけて飛びかかる
長剣【紫水】を足に突き刺しそれを踏み台に跳躍する
胴体の高さまで来ると相棒を真横に凪ぎ払いその勢いでミノタウルスの横腹へと突き刺す
『ぐぉぉぉぉおおおぉぉぉ』
叫び声をあげても気にせず続ける
横腹へと突き刺した相棒を利用し背中へと飛び移る
そのまま背中を思いっきり切りつけ頭の方へと飛びかかる
体を包んでいたオーラはどんどん大きくなり鬼の時は真っ黒に染まっていた
頭の位置につくと勝手にスキルが思い浮かぶ
武器固有スキル
【怨舞・極滅鬼神】
迷わずスキルを発動すると体を包んでいたオーラが形を変え鬼のような姿になる
そのまま相棒を降り下ろすとミノタウルスは頭から真っ二つになり崩れ落ちた
そして俺の意識もそこで途切れた・・・




