サユナとの食事
家の中へ入ってからおよそ30分ほど
さっき助けた女性が料理を作っている
「そういえばまだ自己紹介してなかったよね」
器に盛り付けながら俺に話題を振ってくれる
たしかに・・・・・なんで俺名前も知らない人とご飯食べる話しになったんだ?
俺が助けたからいけないのか?
いやそんなはずは・・・・・
などと1人で考えていると料理は全て運ばれていた
「私はサユナ。実際の年齢共に23歳です!まぁ先週なったばっかなんだけどね。顔はmotherの機能を使ってるからそのままだよ」
言いながら苦笑いをしているサユナ
かわいい・・・・・ってなに考えてんだよ俺!
サユナは黒髪でロングの髪型をまとめ今はお団子ヘアにしている
正直スタイルもいい方だろう
こんな人を一度でいいから彼女にしてみたいよな~
「俺はファントム・・・・って名前だけど友達の間だとハルって呼ばれてる。大学2年生で20歳。俺も顔はmotherで読み込んだからこのままで、身長は5cmぐらい高くしてる。」
サユナに合わせて俺も同じ程度の自己紹介をする
なんか恥ずかしいな
カチャカチャと食器がぶつかる音だけが響く
「ハルって呼んでも大丈夫?ダメなら違うの考えるけど・・・・」
そりゃ名前があれだから俺はなんも言えないよなぁ
ファントムなんて名前にするんじゃなかった・・・・
「ハルでいいよ。俺もサユナって呼ぶから」
呼び捨てされるなら俺もって思って言ってみたもののよくよく考えると何を言ってんだ俺!
女性に対して呼び捨てとか友達じゃないんだし・・・いや友達には近いか
いやだからそうじゃなくて・・・もうだめだ
考えると疲れるだけだからやめよ
「ハルはずっとソロなの?」
ソロを始めたのはつい昨日ここに向かいながらだったな
こんなに疲れるとは思ってなかったけど・・・
「いや、昨日こっちに1人で来たんだ。ちょっとダンジョンに用があってさ。普段なら3人で・・・・」
違う、もう3人じゃない・・・
ことあるごとに思い出してしまう
それだけてっちゃんの存在が大きかったんだ
「大丈夫?どうかした?」
心配してくれるのはありがたいけど俺の心に余裕が無くなっていく
「大丈夫!ちょっと前に友達がやられちゃって・・・・それからは2人でどうにかやってたんだけど、黙って出てきた」
今頃銀はキレてるだろうな・・・
すぐ帰ると怖いからまだこっちにいるけど
「そうだったんだ・・・・ごめんね。思い出させちゃって・・・・」
そんな顔をされると辛くなる
「大丈夫だからさ。ずっとこっちにいるわけでもないし、目的が果たせれば俺だって戻らなきゃならないし。それに絶対に生きて帰るって約束したからな」
そうだ、俺は絶対に生きてかえる
銀や他の仲間達と・・・・
「そっかぁ、ハルは無理しちゃうタイプなんだね。話聞いてると自分1人でどうにかしなきゃって塞ぎ混んじゃってる感じがする」
・・・・・・
確かに自分1人てどうにかしようと思ってるとこはある
それも誰にも相談してないし・・・・・
「無理しちゃダメだよ?1人で抱え込んでもなにも変わらないもん。私でよければ相談に乗るよ?」
優しさが辛い・・・・
今までピンと糸をはりつめていたからどうにか耐えれていた
けどそんなことを言われるとその糸が切れそうになる
簡単にプツッと・・・・
「なんでそんなに優しくするんだよ!そうされると・・・・今まで我慢して我慢してなんとか乗り越えてきたのに・・・・・。てっちゃんのことだって必死に我慢して・・・・・」
自分に嘘をついていた
もう大丈夫、早く戻らないとって・・・
でもそんな簡単に忘れられるわけがない
目の前でてっちゃんは死んだんだ
それをすぐに立ち直れって言われたってできるわけがない・・・・
気づくと目から涙がこぼれ落ちる
「いいの・・・・辛いときは泣かなくちゃ、ね?我慢したっていつかは壊れちゃうんだよ?それなら泣きたいだけ泣いて、そしたら次に進めばいいんだよ。そうやって人は悲しみを越えてこそ強くなれるんだから・・・・」
俺はサユナに抱き締められていた
暖かい・・・・・
このゲームを始めてからずっとこの感じを忘れていたは始めてあった人なのにそれを感じさせないぐらい優しくしてくれる
「・・・うぁぁぁぁあぁぁぁぁ!ぁぁぁ・・・・・ぁあ・・・」
大きな声でひたすら泣いた
どのくらい時間がたったかわからないぐらい泣いていた
サユナの肩は俺の涙でぐしゃぐしゃに濡れている
「・・・・ごめん。始めてあった人なのにんなこことさせちゃって・・・・・」
サユナは微笑んでくれる
「大丈夫!これでハルが元気になってくれるなら平気だよ」
ほんとに優しいんだな
なんとそんな人がこのゲームのなかに・・・
「私もね、最初は1人じゃなかったの。友達と一緒にやってたんだよ。でもねあのアップデートがあったあとにダンジョンに入ったの」
アプデ後のダンジョン・・・・・
ってことはその友達は・・・・
「そしたらみんな・・・・・ね。私1人だけなんとか逃げてきたけど・・・・。たぶん恨まれてるんだろうなってずっと考えてた。でもそんなこと考えてたってなにも進まないんだよ。だったら生き残って友達の分も私が生き残らなきゃって」
1人でそこまで立ち直れるなんてサユナは強いんだな
それに比べて俺は・・・
「もしよかったらなんだけど・・・・・。この街にはまだいるんでしょ?だったら家に泊まらない?私1人だとやっぱ寂しくて・・・・」
え!?
いやちょっとそれって一つ屋根のしたに男女が・・・・・
ってなに考えてんだよ!
あー、えーっと・・・・
「タダで泊まらせてもらうっていうのは気が引けるし・・・」
どうにか断らないと・・・
「じゃあ、一日600ロノ!三食寝床つきなら安いでしょ?そのかわりいろいろと手伝ってもらうからね!」
俺の意見完全無視ですか!?
まぁたしかに安いからありがたいけど・・・・・
「それじゃあよろしくね!ハル!」
気を抜く間がなくなるな・・・・
そんなことを思うハルであった




