哀れな中年と「スープの試練」
それは会社のランチタイム、タカシさんがカフェテリアで具だくさんのスープを頼んだときのことでした。
「今日は穏やかに過ごすぞ。汚れる心配なんてないはずだ」
と、自分に言い聞かせてスープを楽しんでいたその瞬間、不意に机が揺れて、スプーンからスープがシャツへポタリ。
「おい、またかよ!」
と声に出してしまい、周囲の同僚たちは苦笑い。
タカシさんはその場で急いでシャツを洗面所で洗い流そうと試みますが、スープの跡はなかなか取れず。
「これ、家でやるか。それともクリーニングか…」
と悩みます。結局、クリーニング店に持ち込むことを決めました。
その日の夕方、クリーニング店に駆け込むタカシさん。
「また来ました。このシャツ、スープこぼしちゃいまして…」
と店主に説明します。店主はシャツをじっと見つめ、
「預かります」
といつもの通りの淡々とした対応で作業を始めます。
数日後、シャツを受け取りに行ったタカシさん。
「どうですか?」
と恐る恐る尋ねると、店主は短く
「少しだけ残っています」
と告げます。タカシさんは袋を開け、スープの跡を確認。
「まあ、かなり薄くなったし自分でやるより全然いいか」
と、どこか諦め混じりの笑みを浮かべました。
帰宅後、シャツを着てみたタカシさんは鏡を見ながらポツリとつぶやきます。
「新しいシャツを着るたびに何かをこぼす俺って、本当に呪われてるのかもな…」
そんなタカシさんの日常には、まだまだ試練が待っているのでした。




