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第24話 セーフティガード犬の誇り。

海、ひろい。

風、しょっぱい。

砂、あったかい。

たのしい。


でも、今日はもっとたのしい。

だって——

みんなが、なんか変だから。


タケシがニヤニヤした。

あれはダメ。

あれは“へんな顔”だ。


だから私は、

「やめろー!」って意味で、

ガブッ(弱め)。


タケシは「ぎゃああ!」って逃げた。

私は尻尾ぶんぶん。


(タケシ、今日も元気。よし)


怒ってるわけじゃない。

私はただ、

タケシが好きだから教育しているだけ。


次に気づいたのは、

ハルの目。


ハル、いつも静か。

やさしい。

ジェシカのこと、だいじにしてる。


でも今日は——

ジェシカを見たとき、

ハルの胸のあたりが「ぽん」っと弾んだ気がした。


私は犬だけど、

そういうの、よくわかる。


(ハルも、なんか変。でも、いい変。うれしい変。)


だから私は、

スイッチ ON。


ハルは全力で逃げた。

私は全力で追った。


ジェシカは「え?」って顔。

タケシは「おお…」って顔。

私は「ワオー!」って気分。


怒ってない。

ぜんぜん怒ってない。


私はただ、

みんなが大好きで、

みんなが変わっていくのがうれしくて、

つい走っちゃっただけ。


ジェシカはまだ気づいてない。

ハルも気づいてない。

タケシは……まあ、タケシ。


私は3人の監視役、

なんかあったらすぐに助ける。


だから今日も、

3人を守る。


私は今日も走る。

追いかける。

噛むふりする。


それは“怒り”じゃなくて、

“いっしょに大きくなろうね”の合図。


私はクロエ。

ちょっと賢い“ゆきえママ”の子供で、

みんなが大好きで、

みんなのそばにいたい。


それが、

私のちいさな誇り。


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