ユ:封印魔法の状況と、打つ手の手配
ちょっと短めです。
前回の感想で、ユーレイの【刻印】習得の重複を指摘してくれた方がいまして。確認してみたら確かにミスっててありゃーってなったので修整しました。ありがとうございます。
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フリマで【封印魔法】の習得用アイテムを販売してから数日経った。
早ければそろそろレベルが10を超えたプレイヤーが出始めるだろうという事で、少し前に結晶幻獣の住処で見た『滅び』の封印に手を付けたい。
というわけで、カステラソムリエさんと相談をする事になったんだが……
「……思ったより流行らなくて使い手が増えない」
俺達の拠点にやってきたカステラさんは、実に渋い顔をしてそう言った。
「ありゃ、何でだろ?」
「うーん……たぶん、マイナー枠だからかもなー……」
カステラさんが言うには……
『現時点で【封印魔法】が活躍する場面が想像出来ない』のが原因かもしれない、らしい。
「えー、闘技場襲撃で襲撃者を【封印魔法】で無力化したりできたけどなー」
「でも別に【封印魔法】じゃなくてもなんとかなるだろ?」
「まぁそれはそう」
敵を捕縛するだけならメジャーな属性魔法でもレベルを上げればどうにかなりはする。
そしてクエストの進行に【封印魔法】を求められた所がほぼ無い。
「プレイヤーが拉致されて儀式された時に使われてる魔法が【封印魔法】っぽいっていう情報は有志wikiにも載ってるんだけどな? 危ない橋を渡るなら別の方向から組織を追ったり、NPCを守ったりする方が楽なんだよな」
「……まぁそっちの方が分かりやすいし、助けも呼びやすいですからね」
そしてさらにネックになるのが、パズルゲーム要素だって事だ。楽しめるかどうかが、わりとハッキリ別れる要素。
「だから、最初こそ皆飛びつきはしたんだけど、ちょっとやってみて『なるほどこういう物か』で満足した奴が多い」
「「ああー」」
そこからさらにレベルを上げておこうという所まで行くプレイヤーが少なく、結果として使い手が少ない。
「まぁフルダイブMMOなら、魔法ドカーンと撃って敵を倒す方が流行るよね」
「……パズルゲームって触れ込みのゲームじゃないからな」
さらに厄介なのが、そもそも【封印魔法】には【解析】スキルが必須だという所だ。
現状、上位のアリストフェアリーか一部の職業にならないと解放されないこのスキルは、誰でも持っているようなスキルじゃない。
そもそも少ない人口から、更にヒトを選ぶ要素で人数を絞ってしまっているのが現状、ということらしい。
「ってわけで……まぁいないわけじゃないけど、砂漠のダンジョン召喚の時みたいな大人数の合成をやるなら、まだ先になる」
「ありゃー」
「だからな?」
カステラさんは、自分のインベントリからマナの果実を取り出して言った。
「とりあえず【封印魔法】持ちは3人くらいで……MPでのゴリ押しを試してみないか?」
* * *
カステラさんが話してくれたのは、冬のフランゴ決戦の時に『マルドゥーク』というクランがピリオノートを木で覆って守った、その方法の事。
ダンジョン召喚の魔法陣をヒントにして、複数人数でMPを共有してひとつの魔法に注ぎ込んだやり方の事だった。
「敵対NPCがやってた儀式もひとつの魔法陣で【封印魔法】を複数人でかけてたんだろ? たぶん同じ事だと思うんだよな」
俺達が時々使うMP共有のポーションはパーティを組まないと効果が出ないが、魔法陣を使ったやり方ならパーティを組む必要は無いらしい。
「俺と、そっちと……で、パーティ組まなくていいなら論丼ブリッジを【封印魔法】の頭数に、後はMP多めの魔法職を適当にMP要員として入れられる」
「あ、ロンドン橋さんって【封印魔法】もうそこまでレベル上がってるんですね」
「あいつはハマれば延々とやれるタイプだからな……もし他にもいれば声かけてみるし」
そして、そうやって増やした面子全員にマナの果実を食わせて最大MPを倍に、さらにカステラさんの切り札の召喚も追加して、大量のMPで押し通すつもりらしい。
「力技だ!」
「……ゴリ押しだなー」
「おうよ」
でもそれなら通るかもしれない。
俺とキーナだけだとマナの果実でMP倍にしたところで決定的な違いが出る気がしなかったからな。
「じゃあそれでやってみよっか」
「……だな」
「よし、じゃあまたあちこち声かけて連絡するわ」
いつもありがとうございます。




