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とある刑事の日常  作者: 湯川 賢也
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聞き込み

コンビニ強盗に関する新たな情報とは、防犯カメラの画像解析の結果であった。犯人は、身長170~175cmくらいの若い二十歳くらいの細身の男であり、服装は黒い上着に着古されたジーパン、左の頬に特徴的な傷があることが分かった。それを見た一は言う

「田中さん、聞き込み行きましょう。現場付近で聞けば、何か新たな情報が挙がるかもしれませんよ。」

「そんなことは言われなくても分かってる。早く行くぞ。何でもいいから新たな情報取りに行くぞ。」

その言葉を聞き、嬉しそうに笑顔を見せた一と田中は警察署を後にする。




事件が起きたコンビニ付近にやって来た田中と一は付近の聞き込みを開始する。そのコンビニは、住宅街にあり、人通りもあまりないため、一件一件の家を訪ねながら強盗犯について、事件当時何か変わったことがなかったか、なんでも知ってることを教えて欲しいと聞いてまわる。ところが、近所の家の主婦たちに話を聞いても一向にこれといった情報が挙がってくることはなかった。それどころかある家では、近くのアパートに住む男子大学生がゴミを出す日にちを守ってくれなくて困っている、警察の方から注意してくれないか、などといった事件とはあまり関係なさそうなことだけを長い時間かけて喋ってくれた。

「何も出てこないですね。なんだか疲れちゃいましたよ。」

「お前が疲れたのは、あのおばちゃんの話を長々と真剣に取り合ってたからだろ。」

公園のベンチに田中と一は腰を掛けながら聞き込みについて話していた。

「目撃者がいてくれれば、進展しそうなんですけどね。」

「そうだな。あのコンビニを襲った後の逃走で目撃者がいないことやその他の映像なども挙がってこねーってことは、この近辺に住んでる、もしくは詳しい奴なはずだ。」

「その可能性は高いですね。」

二人が会話しているところに少女が近づいてくる。そして、

「おじさんたち、朝、警察署にいた人たちですよね?警察の方ですか?」

セーラー服に身を包んだその少女は、警察署の前で起きた事故の際の群集の中にいたひとりであった。明るく、かわいらしい若々しい笑顔に戸惑う田中を他所に、一が口を開く。

「君、学校はどうしたの?」

「学校は今日は午前中で終わり!それより質問に答えていただいてないですよ?」

「まぁ、そうだけど。」

一が答える。すると、

「やっぱりそうだ!そっちのおじさん、朝かっこよかったですよ!今は何かの事件の捜査ですか?」

「君には関係ないよ。」

少女にかっこよかったと言われ、照れたうえで吐き捨てるように田中は答えた。その様子を見て、一はにやついている。

「何の捜査か当ててあげよっか、んーあそこのコンビニで起きた強盗について?」

「正解だよ、すごいね。君はこの辺に住んでたりする?」

「うん、そうです。」

「おいおい、一。この子にも聞き込みするつもりか?」

「それはそうですよ。どんな人にでも聞き込みをしろ、と教えてくれたのは田中さんじゃないですか。」

「まぁそうだが…。」

田中はこの少女に対する違和感を拭えないでいた。それはただ単に誉められ慣れていない田中がかっこいいと言われたからだけではなかった。

「強盗について何か知ってることはある?」

一がそう聞くと、その少女は少し黙り、そして口を開いた。

「もしかしたら関係ないかもしれないですけど…」

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