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第73話 『舞い降りた力』(リョ○注意)

「サラ、無事だといいんだけど」

「そー簡単にヤラれるタマじゃないっしょ」


 私とエミリーは、総本山をひたすら駆け上がっていた。警備兵(ガーディアン)は一切、出てこない。女神一派も消耗は、極力抑えたいらしい。


「……っ⁉ リア、止まって!」


 エミリーが私に警告する。刹那……


――バチバチバチッッ‼


 荒れ狂う稲妻が、辺り一面を焼き払った! エミリーが警告しなければ、タダでは済まなかった。このやり方は……


「あらあらまあまあ、不意討ちもダメですか」


 祝福の聖典・モニカ……こっちも生きてたか。エミリーが臨戦態勢に入る!


「手口が見え透いてんのよ、オバサンっ」


 マスケット銃で包囲するも、モニカは障壁(バリア)であっさり無効化した。


「まあまあ、相変わらず口の減らない餓鬼ですこと。そろそろ本気で(しつけ)ますか」


「間に合ってるから結構よ。リア、先に行きなさい。アタシが足止めしてあげるんだから、感謝しなさいよね?」


「エミリー、でも……いえ何でもないわ。貴女に委せる」


 私はこの場をエミリーに託し、祭壇へと続く階段を駆け上がった! しばらくすると、爆撃が一面を揺るがした。エミリーなら大丈夫だ。


 私はそう信じて、振り返る事はなかった。


 ◇ ◇ ◇


「あらあらまあまあ、自己犠牲とは美しいですわね? 56し甲斐がありましてよ」


「自分が勝てそうなヤツには、強気なんだね? お(つぼね)気取りだけど、とっくに馬脚は露れてんだよねぇ。さっさと段ボール抱えて、出ていったら? 誰も見送らないけど(笑)」


 ピキッ……モニカの額に青筋が浮かんだ。


「なんの事ですの? 私は女神様の忠実な……」


「あー、そういうのもういいから。どーせ社内ニートと変わらないんでしょ? 長く在籍してれば組織に貢献してるとか、勘違いもイイところだよねぇ。オバサンは用済みなんだって」


 ピキピキッ……肩を震わせているモニカに対し、エミリーは拡声器で煽りまくる。



「オバサンは用済み

オバサンは用済み

オバサンは用済み

オバサンは用済み

 オバサンは用済み

 ・

 ・

 ・

 ・       」



「黙らっしゃいっっっっっっっっっっっっ」



 ついにぶちキレたモニカ。一瞬でゴスロリ衣装が、『完全武装(フリューアームド)』に換装された!


「ったく、子供相手にムキにならないでよね?」


「減らず口も今のうちですわ。この完全武装、いつぞやの『遊び』とは違いましてよっ⁉」


 ヴォン! モニカが加速して、エミリーに肉薄(せま)る! エミリーも限定解除(オーバーリミット)を発動、大量のマスケット銃と追尾弾(ホーミング)で迎撃しようとした。が……


 ボボボンンッッ‼ 次々に破壊される弾幕。エミリーは目を見開いた。モニカは特別、何かしてない。これは一体……?


「見くびりましたわね? 私の『空間支配(ドミネート)』は、範囲内の武装を無効化しますわ。ガキんちょが何をどーしようが、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ですわ!」


 まさか武器を封じてくるなんて……! エミリーは距離を取ろうとするも、モニカは一瞬で詰めてきた! なっ……速いっ⁉


「貴女は知らないでしょうけど、わたくし直接殴るほうが好みでしてよっ⁉」


 ゴッッ! 砲身をモロに鳩尾(みぞおち)に受け、エミリーは大きくのけ反った! 単純なパワーなら、リアにも引けを取らない。一見『遠距離型』と見せ掛けて、実は『脳筋』という罠だ。


 エミリーは、光の十字架に(はりつけ)にされた。


「さて、罪人の審問を開始(はじ)めますわ。正直に答えれば、減刑します♪」


 モニカの言う『減刑』とは、(いた)ぶらずに56すという意味だ。『ドS』が本領を発揮した。


「では、問います。世界で最も美しいのはだ~れ?」


「ぐっ……それはこのエミリー様……ぎゃあぁああああっっ⁉」


 十字架から容赦ない電撃が放たれ、エミリーの服は黒焦げになった。


「ブッブーですわ! 『正直』に答えたほうが、身の為ですわよ? 続けます。私への非礼をお詫びして、全て撤回します。誓いますね?」


「ぐっ……本当のことでしょ……うぎゃあぁああああああああああああああああああっっ⁉⁉」


 雷撃が勢いを増し、エミリーは無惨にも全身が焼け(ただ)れた。


「ブッブッ~のブッッですわ‼ 全く強情な餓鬼ですこと。最後の問いです。この私は唯一絶対の存在で、この世に並び立つ者など存在し得ない。間違いありませんね?」


 ああ……結局、それが本音か。面従腹背のつもりが、都合よく使われている哀れな道化(ピエロ)め。


「く…………」

「う~ん? よく聞こえませんわよ??」



「くたばれ……厚顔無恥な妖怪BBA……」



 こんなヤツに、郷のみんなは56されたの? お爺ちゃん。『一緒』に仇を討とうって、約束したよね……!


「全問不正解で~~すっっ‼ 罰として貴女は、痕跡すら遺さず消し炭にして差しあげます!」


 モニカの砲身が、異様に変形した! 『天国への入口(ヘヴンズゲート)』……フルチャージで撃ってくる!


「その魂、完全消去します。お別れですわッ」


――ゴォオオオオ~~~~ッッ‼


 目も眩む光がエミリーを包み、総本山の一角を消し飛ばした!


「オッーホッホッホッ☆ (かみ)のご加護があらんこと……を?」


 光の奔流(ほんりゅう)が収まると、そこには二対の換装パーツが。これこそオズが(エミリー)に託した究極決戦呪装、『天輪外殻(エンジェリックノヴァ)』だった。

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