第71話 『突入』
ついに『この日』が来た。女神一派との『決着』の時。いつか来るとは思ったけど、やはり雌雄を決しなければならない。
いま私たち『地域連合』は、総本山手前にいる。女神一派は、仕掛けてくる様子はない。どうやら『籠城』に徹するようだ。
それなら、こちらも『少数精鋭』でいくまで。大挙して押し寄せても、消耗戦を強いられるだけだ。乗り込むのは私、エミリー、サラの3名。リラには待機をお願いした。
まず私たちが突入して、盟主の莉愛を抑える。その後、一気にオズたちが雪崩れ込んで、総本山を制圧する作戦だ。
総本山手前……私たちはタイミングを見計らって、一気に駆け抜けた! このまま一気に突入……とはいかなかった。
目の前に『見覚えのある』影が三体。ロキ、死神、天使……いずれも、過去に苦戦を強いられた『処刑人』だった。
「いわゆる『ぼすらっしゅ』ってヤツね!」
「一度倒した相手、今さら後れは取らん!」
私たちは散会して、それぞれの相手をする。死神が鎌をゆっくり回転させた。あれは『心の縫』……私もアレには苦しめられた。
「――小賢しいっっ」
パァン! サラは造作もなく、心の縫を打ち破った。冥人となった今、サラに精神攻撃は通用しない。
尚も死神は揺れながら、何体も『影』を出現させた。あれは捉えにくい……対するサラは、目を閉じた。
ザンッ! サラの一閃で、死神は上下真っ二つに分割された。視覚に頼らず、気配のみで察知するとは。
一方、エミリーは天使の拡散レーザーをマスケット銃で相殺していた。
「フンだっ! あの時のアタシはアンタにビビってたけど、今は違うんだからねっ! 勘違いしないでよ?」
エミリーはブースターに乗って、空中戦を展開。拡散レーザーの隙間から銃や追尾弾を放つも、いずれも乱反射された。
「ああもうっ、焦れったい!」
エミリーは大砲を召還! けど、そのまま狙い撃っても反射されてしまう。エミリーは大砲を盾に天使に突っ込んだ!
「エミリー、突貫するわ! 長い砲身には、こーいう使い方もあるのよっ」
エミリーは砲身ごと天使に体当たりして、零距離エミリー砲が炸裂した! 天使もまさか、砲身で殴ってくるのは想定外だったみたい。
そして、私は『再び』ロキと対峙していた。
――我はロキ、汝の力を試そうぞ
懐かしいな。ある意味、私の『原点』は彼かもしれない。
ロキはランスと尻尾で、猛攻を仕掛けてきた! 悪いけど、私には全ての動きが『停まって』見えた。痺れを切らしたロキが、暴走モードに突入した!
それすらも私には、緩慢に見えた。やがて、活動限界を迎え機能停止するロキ。
「もー終わり? 弱すぎてアクビが出るわ」
「うぉーみんぐあっぷには、丁度よかった」
思った以上に体が軽い。これも最終更新の影響かな? ここからが『本番』ね。私たちはお互い頷き合って、一気に突入した!
◇ ◇ ◇
「よォ、やっとお出でなさったか? ったく、待ちくたびれたゼ」
総本山の一角、憤怒の炎ソレイユがど真ん中に胡座を掻いていた。案の定、生きてたか。
「言うだけムダかもしれないけど、大人しく通してもらえるかしら?」
「ケッ、しばらく見ねぇうちに余裕ぶってんな。ハイそーですかって、通すワケねーだろ」
まぁそうなるでしょうね。サラが一歩前に出て、私とエミリーに先を促した。
「二人とも。ここは拙者に委せて、先を急ぐで御座る」
「ええ。委せるわ、サラ」
「信用してないワケじゃないけど、○亡フラグにしないでよね?」
私たちは、一気にソレイユの脇を駆け抜けた! 追跡くる気配はない。
「なるヘソ、ここを手前の墓場に選んだワケか。殊勝な心掛けじゃねーか、え? 『弱虫』のサラさんよォ??」
「二人を追わなくて正解だったな? 拙者に背中を見せた瞬間、バッサリ逝っていた」
「カタブツは相変わらずかヨ? そーいや、『ホマレ』は棄てたんだったか?」
「貴様には関係ない事だ。リア殿のことも、とっくに『諦めている』のだろう?」
「ア"ン……? どーいう意味よ??」
燃えるような赤毛を逆立てるソレイユ。だが、サラは全く意に介していない。
「単純なことだ。先ほどの戦いでも、全く顔を見せなかった。今までの素行からして、あり得ないこと。かと言って、ここを死守れと命じられた気配もない。今の貴様は、味方からも無用の長物扱いだ」
「………………」
沈黙するソレイユ。尚も、サラの『追及』は続いた。
「かと言って、手持ち無沙汰では示しがつかん。とりあえず、リア殿を『狙うフリ』でもしておけば、己のちっぽけな自尊心は護れる。セラスも見抜いた上で、体よく貴様を『利用』している。最早、直属ハンターとは『名ばかり』の捨て駒に過ぎぬ」
サラに「どうだ? 当たらずとも遠からずだろ?」と論破され、ソレイユは肩を震わせた。
「フフフフフ……」
「ハハハハハ」
「ククククク……!」
「Hahahaha」
「「(西゚∀゚)アハハハハ八八ノヽノヽノヽノ /」」
「ナニが可笑しいッッッッ(#眼Д心)」
逆ギレのソレイユ、サラは短く嘆息。
「手前のツラにはウンザリだ。アタイが直々にぶっ56してヤンヨッッ」
「戦いもせず、逃げ出した負け犬が偉そうに吠えるな! 今こそ同胞の恨み、晴らす時だ!」
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