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第70話 『休暇②』

 高田(ドクター)の最後を見届けた私。『最終更新(アップデート)』も終わり、私は新しく『生まれ変わった』 皆の元に戻ると、早速新しい『拠点』作りを始めていた。


「おぉリア殿っ、無事だったかっ」


「随分、久し振りねオズ。元気そうでなによりだわ」


 オズとは約3ヶ月ぶり、直に顔を合わせた。リーダーともなると、地域を不在になる日も多かったからね。


「ウムッ! リア殿のお陰で、我々は新たな地域を得たッ! ……じゃが、悪い報せもある」


「大体予想できるけど、聞こうかしら?」


「女神一派との停戦交渉が『決裂』した」


……やっぱりね。そもそも、本当に停戦したかったかどうかも怪しい。考えられるのは『時間稼ぎ』だけど、なんの為に?


「随分、急な話ね?」


「ウム……一方的に宣言してきてな。納得いかないなら『総本山』まで来い、との事じゃ」


 総本山……データベースによると、女神一派の信仰・組織両面のトップに位置する。そこで、全ての『決着』をつけるつもりね。


「分かったわ。向こうも余裕がないって事ね」


「以前と比べて、落ち着いてるのぅリア殿。まだ猶予があるから、たまには『休暇』で羽を伸ばしたらどうじゃ?」


 休暇……? 以前も似たような事があった。


 ◇ ◇ ◇


 で、私はいまエミリー、サラ、そして回復したリラと一緒にショッピングをしている。慣れない『私服』のせいか、動きづらい。これも『慣れ』の問題だろうか?


「こんな事をしていて、いいのかしら?」


「こんな時だからこそ、休める時は休むのが肝要で御座る」


「つーか、アンタら私服似合ってないでしょ? 最初、誰だか分からなかったわ」


 そこまで似合ってないだろうか? 私は白のブラウス、デニムと歳相応のファッションをしたつもりだけど。


「それになんで、『お子さま』の面倒を見なきゃならないのよ」


 エミリーが、隣のリラを見ながらボヤいた。お子さまって、大して変わらないと思うけど。


「ん……リラは貴女より、『先』に創られた」


「はぁ? アタシより、『年上』だって言いたいの??」


「ん……リラの『後輩』に当たる」


「いやいや、意味分かんないしっ! アンタのどこに『先輩』要素があるのよっ」


 その時、強い風が吹きエミリーのヴェールが飛んだ。まばたきする間に、リラが回収した。


「ん……気をつけて」


「なっ……今の動きはっ⁉」

「サラ。貴女も速いけど、上には上がいるわ」


 私もブースト込みじゃないと、追いつけなかったしね。私たちはお腹が空いたので、ランチにする事にした。


 ◇ ◇ ◇


 私たちはカフェの丸テーブルに座って、ランチ中だ。特に話すこともなく、黙々と食事をしていた。


「だぁあああっ! せっかくの『女子会』なのに、なんでアンタら黙りこくってんのよっ⁉」


「ん……ケーキ、美味しかった」


 痺れを切らしたエミリーが、テーブルを叩いた。リラはマイペースに、食後の紅茶を啜っている。


「……『じょしかい』と申されても、拙者こういうのは初めてで勝手が分からなんだ。リア殿、ご教授願いたい」


「なんで私に訊くのよ。エミリーのほうが詳しそうでしょ?」


「アンタら、せっかくの『休暇』よ? 日頃のことは忘れて、もっとはっちゃけなさいよっ」


「ん……紅茶も美味しい。ごちそうさま」


「そう申されても……うむ、ここの甘味はなかなかのものだな」


「そうね。悪くないわ」


「だーかーら! そーいうのじゃなくてっ……ハァ、分かったわ。じゃあ、こうしましょう。必ず全員生きて帰って、また女子会をする。今度は堅苦しい事は一切なし! それでいーわね?」


 エミリーの提案に私とサラは、顔を見合わせた。本人は至って、大真面目のようだ。


「フム、それなら異存ない。たまには、こういうのも悪くないしな」

「私もよ。よくよく考えたら、私たちが『プライベート』で集まるのって無かったもの」


 ここに『ミア』が居ればね……その代わり、リラが居るんだけど。


「そーと決まれば、女神一派をとっちめにいきましょう! えいえいおー!」


 シーン……一人で盛り上がるエミリー。


「……ちょっと、空気読みなさいよっ。アタシだけ独り相撲じゃないっ⁉ てか、リラはどこ行ったのよっ⁉ 奢るなんて言ってないしっ」


「向こうで、猫とじゃれ合ってるぞ」

「あーっ、待ちな~いっ」


 サラを追い掛け回すエミリーだったが、当然追いつくハズがなかった。サラも苦笑しながら、二人に付き合ってあげた。


 その様子を見ながら、私は思った。そう……これが『日常』なのね。もう二度と戻らないと思っていたけど、それが目前に迫っている。


 終わらせましょう……『全て』を。ミア、待ってなさい。この世界は貴女が絶望するほど、末期ではないわ。

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