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第7話 『記録』

 私はリア。スラム街を目指し、地下鉄を邁進(まいしん)している。新たに獲得した『スパーク』とファタールで、警備兵と黄泉人を駆逐していった。


「まだ半分ってところね」


 私は構内の地図を見ながら呟いた。結構、歩いたつもりだけどな。果たして、スラム街に私が求めるものはあるだろうか?


「ん? アレはなんだろ?」


 私はホームの片隅に落ちている『破片』に気づいた。手に取ってみると、素材とも違う。そもそも素材は、敵がドロップするものだし。


 導き役に確認してみると、人間が遺した記録(レコード)らしい。この世界が、どんな変遷(へんせん)を経たのか記録されている。


「なるほど。流石は物知りね?」


『……貴女、私を便利屋だと思ってない?』


「違うの?」


 私の問いに女は、しばし沈黙。


「冗談よ、ミア(・・)


『……貴女もいい性格になってきたわ。それと『ミア』って何?』


「これからやり取りするのに、名無しじゃ不便でしょ? 不満なら変えるけど」


『別に? 名前なんて記号に過ぎないし。そのミアってのが、どこから出てきたのか謎だけど』


 ミアというのは、私以外にパッと浮かんだ名だ。雑談ができるほど、信頼は築けている。

 私はミアとの通信を切ると、記録を再生してみた。もしかしたら、私の記憶に関するものがあるかもしれない。



――ガーーーー


――こちら……部隊、これより突入……な、なんだコイツら⁉ 聞いてない……!


 ノイズ混じりでよく聞き取れないけど、状況からして襲撃を受けたようね。


――クソッ……よくも部下を……何っ⁉……効かないっ⁉……うわぁあぁああああああっっ……!



 尚も『記録』はしばらく続いたが、ノイズが酷くてロクに聞き取れなかった。


 一応、保存しておこう。ミアによると回収した素材などは『セーフティ』に自動で送れる。常に手ぶらで探索できるので、使い勝手がいい。


 私は線路に降りて、スラム方向に歩いた。駅の路線図は把握済みだ。順調にいけば、今日中にも……

 ここで私は咄嗟に屈んだ! ほぼ『本能』に近かった。空気を切り裂く音。僅かでも反応が遅れてたら、私の首は飛んでいた。


 距離を取って振り向くと、黄泉人とは異なる『異形』がいた。ヒトと昆虫を無理やり足したような感じで、私が人間だったら生理的に嘔吐してただろう。


 ミアによると、処刑人(エクスキューショナー)の中には『暗殺』タイプがいる。私が普段やっている致命的一撃(ファタールヒット)、闇などに紛れてくるので特に気をつけろと。


 狭い線路内、戦闘は避けられない。且つ逃走を試みたら、8られる確率が高い。なら、押して通るのみだ!

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