第67話 『誓い』
「貴女は一体? ……っっ‼」
目の前から少女が消えたかと思ったら、背後からの一撃! 私はなんとか聖刃で受け止めた。一瞬でも気が抜けない……!
「随分、熱烈な歓迎なのね?」
「ん…、噂通り無駄口が多い」
私がブレイドを振るうも、少女に掠りもしない。想像以上に速い……! しかも『無表情』だから、余計に速く感じる。
追っても切りがない。ならば……! 私はギリギリまで少女を引き付けて、溜めの一撃を放った!
「プラズマ……」
「ん、想定済み」
カウンターで放ったのに少女は私の『雷針突』を躱し、さらに離脱の際に一撃を加えた。
間違いない。この少女、サラより速い……!
「ん……おかしい。やったと思ったけど」
「待って! なぜ私たちは、戦わなきゃならないのっ⁉」
私が叫ぶと、少女は小首をかしげた。
「ん……『リア』は一人でいい」
「…………っっ」
なんて事なの……たった『一人』の為、数え切れない『私たち』が犠牲になったなんて……
「……『二人』で生き延びる方法は?」
「ん……『無い』」
あまりにも端的で、無慈悲な一言。私たちは『二律背反』なの……?
「……私は認めない」
「認識不可、なんて?」
「どちらかが『犠牲』にならなきゃいけないなんて、そんなの『あのコ』たちだけで十分っ」
「それは理想論。現実は変わらない」
それでも……!
私は『希望』を見失わない! きっと高田もその為に『私たち』を創ったハズ!
――コォオオ~~ッッ‼
私は『青いオーラ』を纏った。サラ、借りるね……! これに私のオーラを上乗せすれば、あのコに追いつくハズ!
「ん……! 危険度がはね上がった。ここで排除する」
少女もオーラこそ展開しないものの、独特の構えを取った。あれが少女『本来の型』……目にも写らぬ高速から、ブレイドによる神速斬激。自分の長所を最大限に活かしている。
私たちは同時に床を蹴った! 『速さ』は互角……! 決め手は、技の『破壊力』……!
――バリィイイイインンッッ‼
少女の二刀ブレイドは粉砕し、華奢な体は宙に跳ね上がった。私は残った力を振り絞り、少女を抱きかかえた。
「ん……なぜ私を助けるの?」
「もう『終わり』にしましょう。色々とね」
私は少女をセーフティの転送装置で、安全な場所へ送った。年齢も近いから、エミリーと仲良くなれそうだ。
疲労困憊の私は、それでも前に進んだ。私は『真実』を究明する義務がある。でなければ、少女たちが浮かばれない。
やがて、私の前にはまた大きな扉が。明らかに他とは異なり、警備が厳重だ。ドームの『心臓』部といったところか。
扉は『パスワード』式だった。私は記憶が戻った際、それを知ってる。パスワードは……
――Tlia0507
高田の愛娘、『莉愛』の名前と誕生日だ。パスワード自体は至ってシンプルだが、生体反応もあるので『特定の人物』しか受け付けない二重ロックだ。
扉は静かに開いた。その奥は、これまでとは別の意味で『異質』だった。壁一面には、天井まで伸びた緑のライン。
その奥に一台のカプセル、そして白衣をまとった一人の『男性』の姿が。『実物』ではなく、立体映像だろう。
私は『彼』をよく知ってる。他ならぬ、彼こそが私の『生みの親』……世紀の天才、ドクター高田なのだから。
『やぁリア、来てくれると信じてたよ』
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