第66話 『RTypeY』(鬱回注意)
「来ないで……来ないでよぉ」
私は必死に聖刃を振って、まとわりつく『私たち』を振りほどいた。斬って貫いて、叩き潰してもなお無尽蔵に起き上がってくる……!
これが無機質なメカなら、私の心も痛まなかった。けど、一体ずつ「イタイ」だの「ヤメテ」とか言うものだから、タチが悪かった。
もう何体、倒したか分からない……。延々に続くかと思ったけど、それは唐突に『終わり』を迎えた。
――廃棄ユニットを確認。これより『処理』を開始。速やかに避難してください。
は……? 『処理』って……考える間もなく、プールが強制排水を開始した。ちょっと……! 『避難』してからやりなさいよ!
猛烈な吸引力で、『少女たち』を強制排出した! 私は手すりに掴まり、必死に耐えた!
「タスケテ……オネガイ……」
「…………っっ」
それは『懇願』だった。彼女らも『生きたかった』んだ。それを『失敗作』という烙印を押され、生まれて間もなく『処分』される……。
彼女らは『何も悪くない』……それでも
「ごめん……!」
私はここで死ぬわけにはいかない……! 何度も詫びながら、少女を足蹴りにした。少女は怨めしい目で、私を見ながら流れていった。
「ごめん……本当にごめんね」
私はなんとかプールから這い上がり、涙を拭った。これが『涙』……泣いているのは、私。
いくら哀しんでも、彼女らは戻ってこない。
いこう……彼女らの『死』を無駄にしない為にも。
◇ ◇ ◇
私は無機質な空間をひた進んでいた。疲れはあるけど、一刻も早くここから出たかった。どこまでも続く通路。目の前に大きな扉。
扉は予告なしに無音で開いた。目の前に一人の『少女』さっきの娘と異なり、武装していた。年齢はエミリーに近く、銀髪のショート。
顔は私と同じで、銀と黒のバトルスーツにブレイドの二刀流。明らかに『少女たち』とは、違うタイプだ。またもアナウンスが流れる。
――侵入者を感知。増援を要請しますか?
「必要ないわ。私が排除するもの」
少女は無感情にそれだけ呟く。が、性格とは裏腹に一切の躊躇がなかった。初速で一気に私との距離を詰めてくる!
「くっ……⁉」
私はなんとか、初撃を聖刃で受け止めた! 華奢な体とは思えないほどの力……! 私は蹴りを受け、大きく弾き飛ばされた。
戦闘に全く迷いがない。さっきのも急所一直線だった。このコは一体……⁉
「RTypeX……『最後』に逢えてよかったわ」
「…………っ⁉」
よく見ると、胸元に『RTypeY』の文字が。私は悟った。このコは、私が『ダメだった』時の代替……私の実質『妹』に当たる存在だ。
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