表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/37

第4話 『進化』

「うぅ……」


 私は呻きながら、なんとか起き上がった。全身が痛み、まだ意識が朦朧(もうろう)している。まさか警備兵が、床ごと破壊するなんて。


「ったく、ポンコツAI過ぎるでしょ」


 誰も聞いてないが、ボヤきたくもなる。地下に落下(おち)た私は、慎重に廊下を進んだ。


「……っ!」


 向こう側にパイプ兵が、徘徊(はいかい)していた。私を探しているのか? メカなのに執念深い。


――リア……


 まただ……私を呼ぶ『声』 明らかに地上より近い。私はパイプ兵に気づかれないよう、さらに地下へと潜った。


 ◇ ◇ ◇


 階下を降りる(ごと)、廃ビルは陰湿さを増していった。所々にうろつく黄泉人。幸い警備兵(ガーディアン)と潰し合ってくれるので、案外ラクに突破できた。


 そして、私は最下層にたどり着いた。


「ここは……」


 そこは『異質』な場所だった。他は倒壊しそうなくらいボロボロだったが、ここは傷一つない。円形の中心には、一柱の光。私はその光に、そっと触れた。警戒心はなく、本能に近かった。



――光はカッと輝き、私の中に吸い込まれた。


「…………っっ‼」


 瞬間、脳裏に『ある光景』が広がった。



――■■■


――パパぁ



「……………………」


 私はそっと目を開けた。目の前には、静寂に満ちた空間。先ほどの光景……間違いない。アレは私の失われた『記憶』

 幼い私は『パパ』と呼んだ男性に、高い高いしてもらっていた。ところが、肝心の男性の『顔』はボヤけて見えなかった。


 あの男性は、私の『実父(じっぷ)』だろう。さらに私のことを『◾◾◾』と呼んでいた。聞き取ることは出来なかったが、あれこそ私の『本名』だ。


「リア」

「……っ⁉ 誰っ」


 いつの間にか金髪のドレス姿の少女が一人、私の背後に(たたず)んでいた。気配は皆無……場合によっては、8られていたかもしれない。


……はて? このコ、どこかで見覚えが。


 必死に思い出そうとするも、私の『記憶』には依然としてモヤが掛かっていた。少女も私を見て驚いていたように見えたが、一瞬だったので確証はない。


「構えないで。私は貴女の『味方』だから」

「……それを証明できる?」


 私が警戒を強めるも、女はマイペースだ。


「貴女にしか出来ない『使命(ミッション)』がある。見返りとして、私は貴女が求めるものを提供する」


 私が求めるもの……失われた『記憶』だ。取引としては、そう悪くない。


「貴女がさっき触れた光の柱。そこをたどれば、貴女は記憶を取り戻せる。もう一つ。私は貴女の内に眠る『能力』を引き出せる」


 私の能力……? 女は(おもむろ)に手をかざすと、私の『聖刃(ブレイド)』が輝いた!


「これは……」


「その聖刃は、貴女の成長と同時に『進化』する。進化すれば、様々な『スキル』を使えるようになる」


 確かにこれからは、戦闘が厳しくなる。まず私自身が生き残らなければ、記憶を取り戻すどころではない。


「……貴女が何者か知らないけど、協力には感謝する」


「私のことも、いずれ思い出す。早速だけど、地下を彷徨(うろ)いている『イレギュラー』を排除してほしい。辺り構わず暴れて、対処に困っている」


 さっきのパイプ兵か。新たな『スキル』を試すには、丁度いいかもしれない。

面白いと思いましたら、モチベになるので是非ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ