第4話 『進化』
「うぅ……」
私は呻きながら、なんとか起き上がった。全身が痛み、まだ意識が朦朧している。まさか警備兵が、床ごと破壊するなんて。
「ったく、ポンコツAI過ぎるでしょ」
誰も聞いてないが、ボヤきたくもなる。地下に落下た私は、慎重に廊下を進んだ。
「……っ!」
向こう側にパイプ兵が、徘徊していた。私を探しているのか? メカなのに執念深い。
――リア……
まただ……私を呼ぶ『声』 明らかに地上より近い。私はパイプ兵に気づかれないよう、さらに地下へと潜った。
◇ ◇ ◇
階下を降りる毎、廃ビルは陰湿さを増していった。所々にうろつく黄泉人。幸い警備兵と潰し合ってくれるので、案外ラクに突破できた。
そして、私は最下層にたどり着いた。
「ここは……」
そこは『異質』な場所だった。他は倒壊しそうなくらいボロボロだったが、ここは傷一つない。円形の中心には、一柱の光。私はその光に、そっと触れた。警戒心はなく、本能に近かった。
――光はカッと輝き、私の中に吸い込まれた。
「…………っっ‼」
瞬間、脳裏に『ある光景』が広がった。
――■■■
――パパぁ
「……………………」
私はそっと目を開けた。目の前には、静寂に満ちた空間。先ほどの光景……間違いない。アレは私の失われた『記憶』
幼い私は『パパ』と呼んだ男性に、高い高いしてもらっていた。ところが、肝心の男性の『顔』はボヤけて見えなかった。
あの男性は、私の『実父』だろう。さらに私のことを『◾◾◾』と呼んでいた。聞き取ることは出来なかったが、あれこそ私の『本名』だ。
「リア」
「……っ⁉ 誰っ」
いつの間にか金髪のドレス姿の少女が一人、私の背後に佇んでいた。気配は皆無……場合によっては、8られていたかもしれない。
……はて? このコ、どこかで見覚えが。
必死に思い出そうとするも、私の『記憶』には依然としてモヤが掛かっていた。少女も私を見て驚いていたように見えたが、一瞬だったので確証はない。
「構えないで。私は貴女の『味方』だから」
「……それを証明できる?」
私が警戒を強めるも、女はマイペースだ。
「貴女にしか出来ない『使命』がある。見返りとして、私は貴女が求めるものを提供する」
私が求めるもの……失われた『記憶』だ。取引としては、そう悪くない。
「貴女がさっき触れた光の柱。そこをたどれば、貴女は記憶を取り戻せる。もう一つ。私は貴女の内に眠る『能力』を引き出せる」
私の能力……? 女は徐に手をかざすと、私の『聖刃』が輝いた!
「これは……」
「その聖刃は、貴女の成長と同時に『進化』する。進化すれば、様々な『スキル』を使えるようになる」
確かにこれからは、戦闘が厳しくなる。まず私自身が生き残らなければ、記憶を取り戻すどころではない。
「……貴女が何者か知らないけど、協力には感謝する」
「私のことも、いずれ思い出す。早速だけど、地下を彷徨いている『イレギュラー』を排除してほしい。辺り構わず暴れて、対処に困っている」
さっきのパイプ兵か。新たな『スキル』を試すには、丁度いいかもしれない。
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