第20話 『処刑人』
「ここが『ポイントK』ね」
『位置的にそこで問題ないわ、リア』
私はバイクから降りて、ミアと通信していた。バイクの機動性とミアの的確なナビのお陰で、今までじゃ考えられないほど探索が快適になった。
「リア、目的地にマーカーを付けておいたわ。ただし、信者も集中しているから気をつけて」
「分かってるわ。早速、お客さんが来たもの。ミア、また後でね」
私が通信を切って振り向くと、どこに隠れてたのかワラワラと敵が湧き出た。笠を被った浪人風の黄泉人、それに地を這う小型ドローンだ。
――ザンッ!
浪人が一気に踏み込み、袈裟斬りを仕掛けてきた! 意外と疾いな……初期の私なら、直撃に受けてたかも。
――バババババッ!
さらに後方からドローンが、浪人お構いなしに機銃を放ってきた。なかなか鬱陶しいので、早々にタレットで沈黙させた。浪人も襲い掛かってくるが、所詮は統率が執れてない烏合の衆。各々、適宜に処理する。
粗方片付けた時、私は死角から射貫かれた『視線』を感じた。ほぼ反射的に身を捻ると、凶刃が脇腹の服を切り裂いた!
距離を取ると、赤黒い着物の『処刑人』が私を冷たく見据えていた。着物の色が元からなのか、返り血によるものかは定かではない。
今のは明らかに致命的一撃を狙っていた。まぁ私も普段やってるから、お互い様なんだけど。武士は刀を水平に構え、静かに私に歩み寄る。
コイツ……出来る。そう思った瞬間、武士は『一歩』で私との距離を詰めてきた! これは『縮地』……⁉ データベースに……って、考えてる余裕は一切ない!
武士の一閃……! たった『一振り』で、十の斬撃が迫った! 私は反射的に飛び退くも……
――ブシュウゥウウッッ‼
鮮血が舞い、私は思わず膝をついた。なに……今のは? あれほどの斬激を『同時』に放った? あり得ない。いくら相手が人外とはいえ斬撃の性質上、どうしてもラグが生じる。
落ち着け私……本当に『同時』なら、手の打ちようがない。なにか『攻略法』があるハズ。私は左手のグローブから、オズから譲り受けたシールドを構えた。
再度、武士が構えた。私は歯を食い縛り、なんとか斬撃に耐えた。見た目は派手だけど、威力はそこまでない。もしかして……
私は聖刃を両手で握り、次の残撃に備えた。私の推測通りなら、十の残撃はあくまで『一太刀』……つまり残りの九は、極めて実体に近い『フェイント』だ。
でなきゃ説明がつかない。私は全神経を集中して、実体の『一』を見極めることにした。
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