第13話 『希望』
「ミア……!」
私は幼馴染みに駆け寄り、抱き合って再会を分かち合った。本当に『昔』と変わらない……私の『記憶』のままだ。
「また貴女に会えるなんて……本当に夢みたい」
「私もよ、リア。貴女がここまで来てくれるって信じてたわ」
再会を祝した私たち。お互い聞きたいことは山ほどある。
「ミア、なぜ貴女がこのスラム街に? それに街のこの有り様は……?」
「落ち着いて、リア。一つずつ話すわ。って言っても、私も全体は把握してないの。それでも知ってることは話すわ」
ミアはゆっくり、世界の顛末を話し始めた。
◇ ◇ ◇
――私とミアは幼い頃は、どこにでもいる『普通』の少女だった。
互いに追いかけ回して、年相応に燥いでいた。私と「いつまでも友だちでいよう」って、夕日を背に指切りげんまんした。
――だけど、ある日突然……
原因不明の感染爆発が、世界を襲った。私たちを始め、多くの人々の『日常』は一変した。各国は速やかに対応したけど、感染が想定を上回る速度で蔓延していった。
都市は壊滅し有効な決定打もなく、人類が壊滅するのは秒読みだった。私とミアは家族と一緒に都市を脱出しようとしたけど、封鎖されていてそれは叶わなかった……。
私とミアの父親は『研究者』をしていて、お互い親友でありライバルでもあった。父らは幼い私たちを未曾有の災害から護る為、研究所の地下に避難させる事にした。
それから……
◇ ◇ ◇
「……私が憶えているのは、そこまでよ。リア、ごめんなさい。貴女に直接関することは、私も記憶が曖昧なの」
「謝らないで、ミア。教えてくれてありがとう」
ミアは申し訳なさそうだけど、これまで見えなかった部分が分かったのは大きい。でも『疑問』が一つあった。
「ねぇミア……私たちは一緒じゃなかったの?」
「貴女と一緒に避難したハズなんだけど……ごめん。幼かったから、よく憶えてないわ」
ミアは申し訳なさそうに俯いた。一旦、話を整理してみよう。
パンデミックにより、文明は崩壊。父らは、幼い私たちを研究所の地下へと避難させた。そこから経緯は不明で私とミアは離ればなれ、私の記憶は失われた。
私はミアをそっと抱擁しめた。
「……ぁ……」
「ミア、私は貴女と再会できたのは『奇跡』だと思っているわ。貴女は私の『希望』……生きていてくれてありがとう」
「リア……うわぁああああっっ」
ミアは塞き止めていた感情が決壊、年相応に泣きじゃくった。私の頬にも一筋の涙が伝った。
ミア……本当にありがとう。貴女がいなかったら、私はワケも分からず戦い続けていた。そのうち『心』も喪失なって、奴らと変わらない存在となっていた。
彼女を護っていこう。それが私の『成すべきこと』だから。
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