やってしまいましたわ!!
街が見えなくなるまで走ったら、息が上がりました。デコボコ道を走るのは相当体力を消耗しますね。
残りは地面スレスレを滑空することにしましょう。反応があれば徒歩に切り替えればバレないでしょうしね。
道中は何も無かったので、いえ、サイファスの亡骸や、ワーウルフの群れの跡などありましたけど、埋めるのも億劫なので見なかったことにします。
とりあえず今後の予定でも考えましょう。ソロで活動するより、誰か役に立ちそうな人と活動したほうが、生活は楽になりそうですね、代わりに相当制限される行動も増えますが。
まず依頼が読めないのが一番のネックです。次点で常識能力に欠けているのもまずいです。
しかし先ほど見たギルドには、女性冒険者らしき人は確認できませんでした。男だと欲に駆られて何しでかすか分かりませんので、可能なら女性にしておきたいですね。男性でも、最悪氷に篭って寝れば秘密は守れます。
しかし、よく考えてみれば女性でもいたずらしてくる可能性はある訳で、極論行動は変わらないのかもしれませんね。そう考えれば誰でもいいのでしょうか?最初に絡んできた彼でもいい訳です。
帰ったら受付のお姉さんに相談してみましょうか。きっと彼女の紹介ならそこまで悪い人を紹介するとは思いませんので。
さてそんなこんなで最初のワーウルフを発見しました。と言っても群れですので平気で10匹くらいいました。こういう風に群れているのが普通なら案外大量に狩っても悪目立ちしないかもしれません。他の方の平均討伐数を聞いておかなかったのは痛い失敗な気がします。
いえ、魔道具店のマルクさんは私の身なりを見て銀板1枚、10万円の商品を難しいと言いました。銀板5枚の50万円を中堅しか買えないのは、まあ納得しましょう。ワーウルフだけだと250匹、その前に武具が壊れるのでそちらの修繕費もかかります。日々の生活費だってかかります。それならもっと身入りの良い依頼をこなした方が楽でしょうね。
「人が考えているのですから、おとなしくするべきですわ!」
匂いか何かで私の存在に気付いたワーウルフの群れは私を囲むように展開してきました。ウザったいことこの上ありません。
楽に逝けるよう、脳髄クラッシュでまとめて終わらせました。私の生活の為に狩るのですから、可能な限り死を認識することなく逝かせたいですね。
でも死骸は適当に切傷つけて放置です。外傷があれば違和感を感じる人も少ないでしょうし、それでも違和感を感じるような人はワーウルフの依頼を受ける事など無いでしょうからね。
さておき、これで銅貨100枚、両替すれば銀貨1枚です。なんとすばらしい稼ぎでしょうか、日本では考えられない稼ぎです。
ん?そういえばどうしてお金を稼ぐのが主目的になってしまったんでしょうか。情報収集をしなければいけません。クラッコは呪いの元凶がこの世界にいると言っていましたが、そういった超常現象が存在しているのでしょうか?それを探してみるのもありかもしれませんが、私の能力はこちらでも異常な気がします。
一般的ならば、先ほどの場でお前は○○なのかと言われるような気がします。でもあの場では全員驚いていましたし、なんだかよく分かりませんね。
そもそもどうして異世界であるここで発生する呪いが……
「だからうっさい!」
人が真剣に考察しているのにワーウルフ共がよってきました。ムカつくので有効範囲の奴等をまとめてクラッシュしておきました。これでじっくり考察でき…………
「ってしまったー!!!!自動加算だからばれるじゃん!」
やってしまいました。これではどうやっても大騒ぎです。範囲内に奴らは140匹くらいいました。いきなり依頼28回分、銀貨にすれば14枚です。収納袋を買ってこの街をおさらばしてしまいましょうか?
ふらっと現れて多量に狩って去ってゆく。なんて噂になりそうですが、1日の出来事ならすぐに忘れられそうですね。
決まりです。換金して収納袋を買って他の街に移動しましょう。そこでクラッコの情報などを探しましょうか。よく考えたらギルマス相手にあれだけ一方的に勝利を得たんです、多少のことで噂にあがってしまうでしょうからね。
そんな訳で街へ帰ってきました。東から入るとあの門番さんの相手をしなければいけないので面倒です。なので南から入ることにしました。
「ようこそ、クレイアへ。身分証はあるか?」
南の門番さんはなんだかやる気がなさそうです。ギルド証を提示したのですが、チラッと見てOKが出ました。
こちらとしては楽でいいのですが、これで大丈夫かと心配になります。というより、この街はクレイアというのですね、今知りました。
「犯罪に巻き込まれないよう気をつけてくれよ?対応するのは俺達なんだ」
「自衛くらいはできますわ。でもご忠告感謝しますわ、ありがとう」
わたしも男としてな考え方は理解できますが、ありがとうを言っただけで赤面するのはいかがなものかと思います。この人は色仕掛けに弱そうな印象を持ってしまいますね。




