↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/21

第七話 魔族




図書館を出た僕とレオは、街のレストランで食事をしていた。


「アルフィ様、なぜ帝国へ?」


「学院を見てみたくてね。今父様に頼んで、学院長をされている第四皇子殿下に取り次いでもらっているんだ」



グランヴェルグ帝国には、5人の皇子と3人の皇女が居る。

グランヴェルグ帝国の現皇帝は高齢で、現在苛烈な皇位継承争いが起こっているという。

第四皇子は、その争いが嫌で皇位継承権を破棄したそうだ。

貴族間での派閥争いも盛んなんだって。

大国は大変だね。


第四皇子は、他の皇子達から嫌な仕事を押し付けられて、学院長になったそうだ。書類仕事が多くて面倒だったんだろうね。

まだ学院に通う学生なのに、学院長の仕事までこなすのは大変だろう。



「ですがアルフィ様。帝国までは馬車でひと月以上時間がかかりますよ?」


「そこは大丈夫。考えがあるんだ」



グランヴェルグ帝国とは国境を接しているけれど、森に阻まれ直接行き来はできない。そのため帝国へは、隣国のフロレア王国を経由しなければならない。

完全に遠回りだ。

でも仕方がないのだ!危険な森を切り拓いて造られたドゥウムは、森が自然の要塞になっているから……




冒険者ギルドへ戻って、シオンとルイを待っていた。

しばらくすると外が騒がしくなり、僕はレオを連れてギルドの外へ出た。


「何かあったの?」


「ア、アルフィ殿下!?」


ギルド長が僕を見て跪いた。

そんなギルド長を見て、周りに居合わせた冒険者や街人が見様見真似で跪く。

ドゥウムには、王族に民が跪くという決まりはないのだが、たまに騎士や兵士以外にも膝をついて頭を下げる人は居る。ドゥウムは他国から移り住んで来た人も多いからね。

ギルド長もそのひとりだ。


「いい、お忍びで来ているんだ」


「そうでしたか、申し訳ありません!!」


ギルド長は立ち上がり、何があったか教えてくれた。


建国祭の準備のため、街の外で作業をしていた民や冒険者が魔物に襲われたそうだ。

城壁の近くだったため、魔物は来ないだろうと油断していたそうだ。

それもそうだ。街の近くは危険な魔物が少なく、新人冒険者の主な活動区域になっている。



「今から冒険者を集め、討伐へ向かいます」


「そう、頑張って」


「は!!ありがとうございます!!アルフィ殿下!!」


「あ、そうだ。黒髪長髪のシオンという青年と、瞳の青い可愛らしいルイという少年を見つけたら保護して欲しい。僕の連れだ」


「か、かしこまりました!!必ず無事保護してみせます!!」


「うん、ありがとう」


僕は冒険者達が街の外へ出て行くのを見送って、城壁を上った。

城壁の上からは森を見渡せた。


「こんなに魔物が出てきているなんて」


「俺も初めて見ましたよ。こんな大群の魔物……」


「レオも加勢してきたら?」


「いえ、俺の仕事はアルフィ様を守ることです」


「でもこれ、みんな死んじゃうよ?多分」


「でしょうね」


「はぁ……レオ、父様に騎士団を出すように伝えて」


「冒険者ギルドが応援要請しているのでは?」


「保険だよ、保険」


「は、はぁ……保険ですか。まっ!!アルフィ様の命とあらば、俺は全力で!!」


「行ってきて〜。僕は待ってるから」


「はい!!」


ま、僕が【転移】で行けば良いのだけど、人前で使うのはあまりよろしくない。

レオが急いで王城へ向かうのを横目に、僕は森を眺めた。


「100……200……いや、1,000……もっと、もっとか……」


「アルフィ殿下、危険です。お下がりください」


「大丈夫。君は民の避難誘導を」


「は、はい」


兵士達は城壁を駆け下り、民を王城へ避難させ始める。


「にしても、違いすぎる……こんなことあったか?ニアが亡くなって、ひと月後の建国祭までは何事もなく平和だったはずだ……」


僕がぶつぶつと呟いていると、城壁を建物伝いに飛んで来たアレンが城壁の上へ着地した。


「アルフィ殿下」


「アレン、やっぱり君は」


「はい、魔族にございます。アルフィ殿下は最初からお気づきでしたね」


「なんとなく、そうかなって思っていただけだよ」


「加勢致します」


「魔族だとバレないようにね」


「承知しております」


アレンは城壁を飛び降りて、冒険者達に加勢した。


「う〜ん、やっぱすごいな。魔族……」


「魔族ですか」


「うわっ!!リア!!隠密で近付いて来ないでよ!!」


気付くとリアは、僕の後ろに立っていた。

リアはニコニコと笑顔で僕を見ている。


「お、怒ってる?」


「いいえ、アルフィ様。私に何も言わず、勝手に城から出られたことを怒ったりは致しませんよ」


「はい、ごめんなさい」


しばらく気まずい沈黙が続き、僕はオロオロしながら冷や汗を流す。

リアは相変わらず、ニコニコと笑顔のままだ。


 逆に怖いよ!!


「リア、アレンのことは誰にも言わないでね」


「魔族ということですか」


「うん」


「いつかバレるのではありませんか?」


「うん、バレるかもしれないけど、その前にきっとアレンは自分でルイス兄様に伝えるよ」


「承知致しました」


 リアは本当に物分かりが良くて助かるな〜。




アレンが加勢したことで、戦況が変わった。

アレン1人で、Aランク冒険者30人分以上の戦力があるようだ。


僕はボーッと森を眺めていた。魔物達は一直線にこちらへ向かってきている。何種類もの魔物がだ。


「リア、これは……」


「作為的ですね」


何かから逃げてるという可能性もある。

けれど逃げているだけなら、真っ直ぐじゃなくて左右に逃げる魔物も居るだろう。なのに全ての魔物が真っ直ぐ王都へ向かってきている。


「私も加勢へ行きましょうか」


「いや、リアはいい。アレンがいれば大丈夫だよ。それに騎士団がもう来る」


「左様ですね。失礼致しました」


「それよりさ〜、リア」


「はい、アルフィ様。どうなさいましたか?」


「なんでここに居るの?」


「アルフィ様が何も言わずに街へ下りたからではありませんか」


「リア、僕が昨日言ったこと覚えてる?」


「勿論でございます」


「へぇ、じゃぁなんで来たの?」


「それは──」


「君は、リアの忠誠心を舐めすぎているね」


「何をおっしゃっているのですか。アルフィ様。私はただ、主人の身が心配で馳せ参じたまででございますよ」


「リアは、僕の指示をほっぽり出して来たりはしないよ」


だって今日は……


パエリアを作って貰っているのだ〜!!

なんてったって、魚介が!魚介が出たのだ!!【ルーレット】からね!!

ドゥウムの王都まで海から新鮮な魚を運ぶのは難しいから、領地へ移るまでは食べれないと思っていたのに。

リアには、ダインに渡したレシピを全て作るように言っていたのだ!!わっはっは〜!!早く食べたいなぁ〜!!


ぐへへ〜とヨダレを垂らしていると、偽リアは少し引き攣った顔をして僕を見ていた。


「あ、あの。アルフィ様?」


「あ、あと君。ステータスも偽装してるみたいだけど残念。隠蔽で隠しているスキルは見えないんだね」


「お、俺の変装と偽装が通じない……だと……俺の偽装は完璧なのだ……何故!何故だ!!」


ドロッと溶けるように、リアの姿が崩れていく。

血のように赤い髪と瞳を持つ、美しい魔族が現れた。


「魔族だったのか」


「何故分かった」


「それよりこの進軍やめさせてくれない?」


「俺の質問に答えろ!!」


「えー、これ止めさせるのが先だよぉ」


「ふん、俺ではない」


「そう、じゃぁ帰って良いよ〜。ばいばい」


「は、なんだお前っ!生意気だぁ!!」


僕の頬を魔族が引っ張る。


「痛い痛いっ。魔族は人間より力強いんだよ。やめてよ、グレンディス」


グレンディスは、名前を呼ばれて驚いたのか手を離した。


「な、何故俺の名を知っている」


「ステータス見たからね」


「お前か……お前なのか!!強者というのは!!」


「いや、違うと思うけど」


「なんだと!?お前の他にも強者が居るというのか!!」


「騎士団には強い人沢山居るよ〜」


「紹介しろ」


「やだ」


「チッ」


「分かった。これの原因突き止めてきてくれたら、団長さん紹介するよ」


「マジでか!!」


「うん、良いよ」


「おっしゃぁー!!行ってくるぜ!!」


グレンディスもアレンと同じく、城壁を飛び降りて森へ走って行った。


「はぁ、めんどくさい奴と知り合いになってしまった」



✦ ─────────── ✦


名前 : グレンディス

年齢 : 838歳

誕生日 : 3月28日

レベル : 666

魔力量 : 666666/666666


−固有スキル−

【身体強化Ⅹ】 【魔力増幅Ⅹ】 【魔王Ⅹ】 【転移】

【亜空間収納】 【隠蔽Ⅹ】 【偽装Ⅹ】 【擬態Ⅹ】


−所持魔法−

【闇魔法Ⅹ】


魔国第八王子。魔王の子。

魔国王家特有の『魔眼』を持つ。


✦ ─────────── ✦



魔国なんて大陸の外なのに、なんでこんなところに居るのかと思ったら【転移】が使えるのか。


「アルフィ様!!」


レオが騎士団100名を連れて戻ってきた。


「レオ、おかえり〜」


騎士達は、城門をくぐり冒険者達の加勢へ向かった。

レオは階段を駆け上がり、汗だくで僕の元へ戻ってきた。


「変わりはありませんか」


「うん、大丈夫だよ」


陽が落ち始めると、グレンディスが戻ってきた。

森の中をガサガサと猛スピードで駆け抜け、城壁の上にひとっ飛びで着地する。


「おかえり」


「おう!アルフィ」


レオは僕の前に出て、グレンディスに剣を向ける。


「ほう、お前はそこそこだな!!歳の割には良い!!」


「レオ、下がっていいよ」


「アルフィ様、こいつは魔族です。危険です」


「大丈夫大丈夫〜!で、見つけた?」


レオの後ろから僕は顔を出して、グレンディスを見る。

グレンディスは、後ろからズルッと血まみれの男を引きずり出す。


「思ったより脆すぎて殺してしもうた!!」


「……え」


「ア、アルフィ?」


僕はムスーッと頬を膨らませながら、グレンディスを睨んだ。


「団長紹介しないから!!」


「な!!約束が違うぞ!!」


「違くない!!」


「違う!!原因を処分すれば紹介してくれると言ったであろう!!」


「言ってない!原因突き止めてきたらって言った!!」


「同じではないか」


「……レオ、僕帰る」


「アルフィ様!?まだシオンとルイが」


「アルフィ!待て!!紹介しろ!!」


僕は2人を無視して、階段を手すりに掴まりながら降りていく。

見かねたレオが、僕を抱き上げて階段を降りる。その後ろをグレンディスが、血まみれの男を引き摺りながら追いかけてくる。


「レオ、僕父様に怒られる?」


「そ、そうですね。あ〜、そうですねぇ……」


 こんなに歯切れの悪いレオは初めて見たぞ。


「おい!アルフィ、俺を無視するでない!!」


「無視してない、呆れてる」


「なんだ、無視していないのか!」


「はぁ……」


王城へ戻る前に冒険者ギルドへ寄ると、シオンとルイは怪我もなく保護されていた。

無事、依頼は達成出来たらしい。


「アルフィ様!!」


「2人とも、無事で良かった」


僕とレオの後ろを見たルイは、ヒッと顔を引き攣らせる。


「ア、アルフィ様……そちらは?」


「ん?知らない人!早く帰ろ。今日はパエリアだよ!!あとお寿司と〜、フライもあるよ!!」


「アルフィ!!知らないとはなんだ!!」


僕は笑顔で、「おっ魚お魚〜!」とウキウキで帰った。

グレンディスは、王城まで着いて来て集まっていた騎士達に止められていた。


「お、おい!!アルフィ!!」


僕は城に入るとそのまま別棟へ向かった。

レオに父様への報告をするように頼み、厨房へ行く。


「リア!!ダインさん!!」


「アルフィ様、お帰りなさいませ」


「出来た!?」


「はい、出来ましたよ。もう少ししたら夕食にしましょう。ルーカス様もいらっしゃるそうですよ」


「ルーカス兄様来るの〜?量足りるかな??」


「はい、少し多めに作っておりますよ」


「ありがとう」


僕はご飯の前に、別棟にある広い部屋の掃除をして、家具を並べた。


しばらくすると、リアに呼ばれて広間に向かった。

レオが戻り、ルーカス兄様とマッシュも来ていた。


「ルーカス兄様」


「魚が手に入ったって聞いてね。マッシュが大の海鮮好きで、お邪魔させてもらったよ」


「はい、みんなで食べた方が美味しいですからね」


「ありがとう、アル」


「ご飯食べた後、お話よろしいですか?」


「うん、もちろん良いよ」


食事が運ばれてきて、机に海鮮料理がズラッと並ぶ。

良い匂いが漂って、食欲をそそられる。


ダインさんが、料理を取り分けてくれる。

みんなで美味しく食べているところに、ズカズカとうるさい足音が近づいてくる。


「はぁ……」


「こら!!アルフィ!!」


バンッと扉を開け、グレンディスが入ってきた。


「お、美味そうなもん食ってるじゃねーか」


グレンディスはパクッとフライを取り、つまみ食いをした。

僕の肩に腕を回し、頬を突っついてくる。


「やめて、食べれない」


「やめてじゃねぇ、お前が俺様を放ったらかしで行くから牢屋に入れられたぞ!!」


「人相が怪しかったんですね」


「いや、アルフィ様……人相より……」


「それより、グレンディス。大人しく捕まったんですね」


「あぁ!偉いだろう!!どいつもこいつも弱い奴ばっかで反抗する気も起きなかったぜ!!この国に来て、見た奴らの中でそこそこ楽しそうなのは、お前とそこの騎士くらいだな。あ、あとそこに座ってるお前の兄もか」


グレンディスは、僕の後ろに控えていたレオと、正面に座っているルーカス兄様を指差した。


「立っていたら邪魔だから座りなよ」


「よっしゃ!!こんな飯初めて見るぜー!!」


「居座るかと思って、部屋も用意してるよ」


実際は、父様から改めて話を聞きたいと言われるだろうと思ったから、部屋を用意していたのだけど。

僕はえらいのだ。


「おぉ!!じゃぁ食ったら戦うか!」


「致しません」


「ツレねぇなぁ。おい、そこの騎士。主人の代わりにお前が俺と戦え」


「良いですよ。負けませんが」


レオは剣を握ってドヤ顔をする。


「多少手加減してくださいね、レオは普通の人間なので」


「俺様を舐めるなよ?手加減くらい出来る!!」


僕達はお腹いっぱいになるまで、海鮮料理を楽しんだ。

戦うと言っていたグレンディスは、お腹を膨らませて横になり苦しそうに眠っている。


 魔王もこんなマヌケなら、勇者も楽だろうに……


人払いをして、ルーカス兄様と話をした。

今日起きたことと、レオに譲渡したいから契約書を用意して欲しいことを。

この世界の契約書は、ただの紙ではなく魔法が組み込まれている。契約内容に違反した場合、あらかじめ決めた罰が下る。


「グレンディスを見て、もっと強くなければいけないと思いました」


「そうだね。魔族は別格だよ」


「人間は数の強さがありますが、個々の力は圧倒的に弱いです。もし大量に襲って来たら……と、今日考えさせられました」


「レオ自身の意見も聞くべきだよ」


「はい、もちろんです。兄様」


「うん、アルは本当に賢いね」


「ありがとうございます、ルーカス兄様」


「今日の食事は本当に美味しかったよ。魚がこんなに美味しいものだとは思わなかった」


「兄様も食べたことなかったのですか?」


「生魚は初めてだね、冒険者の依頼で海へ行った時、焼き魚は食べたのだけど」


「海かぁ〜、僕も早く海行きたいです!」


「失礼致します」


話しているとリアが、スイーツを持って入ってきた。


「白身魚のパイでございます」


机に並べると静かに部屋を出て行った。

パイの芳ばしい匂い。口に入れると餡子の甘みが広がって、想像していた味とは違ったけど美味しかった。


「うん、スイーツはどうだろうかと思ったけれど、美味しいね」


「はい、兄様!美味しいです!!」


しばらく兄様と談笑していると、グレンディスが目を覚ました。


「うあ、寝てたか」


「うん、沢山食べてたね。美味しかった?」


「あぁ、料理人を連れて行きたいぜ」


「ダメだからね」


「分かってるよ、お前に逆らったら飯食わせて貰えなさそうだし」


「君、グレンディスと言ったかな」


「おう!兄さんも歳の割にはそこそこだな」


「失礼なお友達だね、アル」


「友達じゃないですよ」


グレンディスは、僕の食べているパイに目をつけて、半分割って食べる。


「海鮮料理、そんなに気に入った?」


「あぁ、クソ美味かったぜ。普段味の無いもんしか食ってなかったからな。魔国は調理といっても、素材をそのまま切るか焼くかしかねーからな!」


「へぇ、そうなんだ」


しばらくすると、時間も遅いからとルーカス兄様は部屋へ戻って行った。


「3階の1番奥の部屋使って良いよ」


「もぉ寝るのか?」


「4歳の活動時間は短いのだよ、グレンディス君」


「グレンでいい。言いにくいだろう」


「じゃぁグレン。誰かに勝負仕掛けるのは良いけど、相手は人間だからね?手加減はすること」


「分かってるよぉ」


コンコンコンッと外から窓を叩かれる。

外から鍵を開けると、アレンが入ってきた。


 うん、防犯がなってないね。


「どうしたの?アレン」


「アルフィ殿下、夜分に申し訳ございません。殿下が来ている気がしまして」


「あぁ、これ?」


僕は隣に座るグレンを指差す。


「グレンディス様!!」


「おぉ、アレンか!久しいな!!」


「お久しぶりでございます。グレンディス様」


「僕、席外そうか?」


「いえ、アルフィ殿下。本日冒険者の加勢をした時、拾った物をアルフィ様にお渡ししようと持って参りました」


「拾った物?」


「はい、こちらです」


アレンは亜空間から、革のトランクを出した。

トランクを開けるとアクセサリーが沢山入っていた。


「こ、これは。持ち主が居るんじゃ?」


「いえ、魔物に襲われて息絶えておりました」


「そうなんだ」


「あ、アレン!たまにグレンと遊んであげてくれないかな??」


「グレンディス様とですか?」


「うん!レオ達と戦いたいって言うんだけど、本当に手加減出来るのかも不安だし」


「私はあまり強く無いのですよ。アルフィ殿下」


「あぁ、そうだぞアルフィ。こいつは落ちこぼれだ」


「グレン、その言い方は良くないよ。アレンはすごく強いよ!」


「ありがとうございます、アルフィ殿下。ですが落ちこぼれというのは事実です。魔族の中で私は、弱いのです。弱すぎて幼くして捨てられました」


「そ、そっか……」


「ひとりぼっちで寂しく過ごすこと、160年。ルイス様と出逢いました!!あぁ、あの時は神が現れたのかと目を疑いました!!」


アレンは、ルイス兄様との出会いを熱弁し始めた。


「これ、長い?」


「長くなりそうだな。逃げよう」


「うん」


僕はグレンに抱えられて、広間を飛び出した。

3階のグレンに用意した部屋へ入ると、グレンはベッドにダイブした。

僕は、グレンが僕と一緒に抱えて来たトランクを亜空間に仕舞い、ランプを消し部屋を出た。


グレンは寝つきが良いようだ。




その日から、グレンが毎日のように戦いを挑んで来たり、レオと契約をしたり、父様に言い訳をしたりと、なんだかんだバタバタと日々は過ぎ去り、ひと月。


いざ建国祭!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。