第五話 誕生日
──2周目でニアが亡くなった日
今日は朝から城内が慌ただしい。
「何かあるのかなぁ、今日って何かあったっけ……」
「アルフィ様、本日はお部屋から出ませんようお願い致します」
「今日はニアが殺される日だよ?ニア見張っとかないと」
「はい、ですので私がニアについておりますので。ご安心を」
「街の外へ出ようとしたらちゃんとクローク持たせてね」
「はい、外へ行く時は私もお供しますから」
「お願いねー」
リアは部屋を出て行った。
僕は外を眺めながら風に当たった。
来月は建国記念日だから、街はその為の準備で賑わっている。建国祭は1週間のお祭りだ。
隣国の王様も来るんだって!
──正午
「ひまだぁ〜」
僕はひとり部屋でぼけ〜っと過ごすこと4時間、流石に限界だ。
部屋から出るなと言われるとやる事ないんだよね。
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名前 : アルフィ・ドゥウム
年齢 : 4歳
レベル : 34
魔力量 : 009433/009438
−固有スキル−
【メモリー】 【ルーレット】 【ノルニル】
【鑑定Ⅸ】 【恩恵】 【転移】 【身体強化Ⅴ】 【隠蔽Ⅳ】
【亜空間収納】 【お喋り上手】 【帰国子女】
−所持魔法−
【火炎魔法Ⅸ】 【風魔法Ⅴ】 【水魔法Ⅳ】 【土魔法Ⅱ】
【光魔法Ⅱ】 【闇魔法Ⅲ】 【治癒魔法Ⅲ】 【聖魔法Ⅰ】
【強くなぁれ】
−保管魔法・スキル−
【王様って良いな】 【ペコペコ】 【早起きは三文の徳】
【恵の手Ⅲ】 【透視Ⅰ】 【嘘つきは泥棒の始まり】
【鑑定Ⅲ】 【剣聖Ⅰ】 【勇者Ⅲ】 【隠蔽Ⅲ】 【身体強化Ⅰ】
【火炎魔法Ⅲ】 【水魔法Ⅱ】 【土魔法Ⅰ】 【闇魔法Ⅱ】
–注意−
《 まだ付与されていない為、使用出来ません。自身に付与しない場合、他者に譲渡することが出来ます 》
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この半年間【ルーレット】を引きまくった。
【ルーレット】で出たスキルや魔法は合成出来る。
例えば【火炎魔法Ⅰ】が2つあれば、【火炎魔法Ⅱ】にする事ができる。もちろん【ルーレット】から、上位のものが出ることもある。
ルーカス兄様やリアにも、スキルや魔法は譲渡しているから、そこそこ自衛できるようにはなっている。
今回ルーカス兄様は、大丈夫かもしれない……
だってルーカス兄様は……
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名前 : ルーカス・ドゥウム
年齢 : 16歳
誕生日 : 10月3日
レベル : 63
魔力量 : 014570/014800
−固有スキル−
【剣士Ⅹ】 【鑑定Ⅴ】 【身体強化Ⅸ】 【剣豪Ⅴ】
【勇者Ⅷ】 【賢者Ⅲ】 【頭脳明晰Ⅵ】
−所持魔法−
【火炎魔法Ⅷ】 【風魔法Ⅷ】 【光魔法Ⅴ】
冒険者ランクA。
Bランクパーティ【メリウスの翼】のリーダー。
ドゥウム王国騎士団、第二部隊副団長と引き分ける実力。
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私が育てました。
うむ、相当強い。鑑定スキルのレベルが上がったことで、他人のステータスも細かく見れるようになった。
で、リアはというと──
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名前 : リアン
年齢 : 7歳
誕生日 : 12月30日
レベル : 31
魔力量 : 003580/003580
−固有スキル−
【隠蔽Ⅸ】 【鑑定Ⅸ】 【隠密Ⅹ】 【毒耐性Ⅵ】
【精神耐性Ⅹ】 【体力向上】
−所持魔法−
【風魔法Ⅷ】 【闇魔法Ⅴ】
ドゥウム王国第三王子の専属使用人見習い。
代々王家に忠誠を誓っている家系出身。
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こちらも私が育てました。
まぁ、リアの場合は自分で選んだんだけどね。
僕はもっとかっこいいのにする?って言ったんだけど、影に徹してくれるらしい。
「あ、そうだ」
僕は【亜空間収納】を開き腕を突っ込んだ。
収納スキルをゲット出来たことで、僕のベッド下にあった箱は撤去された。
【亜空間収納】は、無限って言っても差し支えないくらい入るからね。超ラッキー!
亜空間から先月商店で、鉱石や宝石を売ったお金を取り出した。
純金貨153枚と白銀貨3枚、金貨8枚、銀貨7枚。
「ちょっと多すぎだよね、これ……」
こんなの小さな領地を買えるくらいの値段だ。
まぁ、すぐ必要になるだろうから置いておこう……
そして僕は純金貨を入手した事で、白銀貨のルーレットを飛ばして純金貨のルーレットが回せるようになった。
純金貨ルーレットは、Rの品ですら金貨ルーレットのSSR並の品だ。
けれど純金貨ルーレットは、1回転に10枚、10回転に100枚純金貨が必要となる。
そんな気楽に回せないのだ……
白銀貨ルーレットは、レベル50になれば解放されたはずだ。先はまだまだ長いな〜。
なんて、僕は窓の外を眺めているとニアが王城から出て行くのが見えた。
リアはちゃんとニアの後をつけている。
しばらくソワソワしながら待っていると、ニアは無事戻ってきた。
今日を乗り越えたなら……明日からは領地へ連れて行く人材確保の再開だ。
来月の建国祭では、ドゥウムの騎士団や兵士達によるトーナメント戦が行われる。
それを見て、良い人材を勧誘しろという事だ。
領地へ移動するひと月前には、合同軍事演習が行われる。それまでに兵士達を集めておかなければいけない。
はぁ、憂鬱だぁ〜……
── 5時ごろ
一日中1人で待たされた僕は、ベッドに転がって溶けていた。
「アルフィ様!!お迎えに参りました〜!!」
騎士はズカズカと部屋に入ってきて、僕を抱え上げる。
鎧がゴツゴツして痛い、ニアを連れてきなさい。
この人は、レオ・アルステッド。
ドゥウム王国で10人しかいない名誉騎士だ。
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名前 : レオ・アルステッド
年齢 : 23歳
誕生日 : 12月5日
レベル : 88
魔力量 : 010540/010540
−固有スキル−
【身体強化Ⅹ】 【魔力増幅Ⅹ】 【魔剣士Ⅹ】
【剣豪Ⅸ】 【隠密Ⅴ】 【軍師Ⅸ】
−所持魔法−
【火炎魔法Ⅹ】
騎士爵。史上最年少の名誉騎士。
魔剣の主でアルフィの護衛。
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先月から僕の護衛になった。
名誉騎士になるほどの実力者が、騎士団の各部隊団長ではなく、王子の護衛など自ら望む者は少ないのだが……
レオは例外のようだ……
部屋を出ると、扉の左右にシオンとルイが立っていた。
「アルフィ様、お待たせいたしました」
シオンとルイは先月、商店で買った奴隷だ。
シオンは、商店で一際目を引いた青年。
何故、この子が奴隷などとして売られているのかと、不思議に思ったからだ。商人の護衛でも、店の用心棒としてでも使えたはずなのに。
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名前 : シオン
年齢 : 18歳
誕生日 : 3月15日
レベル : 16
魔力量 : 003400/003400
−固有スキル−
【身体強化Ⅱ】 【侍Ⅹ】 【魔力回復上昇Ⅱ】
−所持魔法−
【風魔法Ⅱ】
鎖国国家である神凪国出身。
幼少の頃、国外で借金奴隷として売られる。
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この1ヶ月ステータスは変わっていないけど、領地へ移動して騎士達と魔物を狩れば、化けるだろう。
そして、ルイは同じく商店で魔力量が多いのに、何故ここにいるのかと買った少年。
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名前 : ルイ
年齢 : 8歳
誕生日 : 3月29日
レベル : 5
魔力量 : 020350/020350
−固有スキル−
【魔法使いⅨ】 【魅了Ⅰ】
−所持魔法−
【火炎魔法Ⅰ】 【水魔法Ⅰ】 【土魔法Ⅰ】 【風魔法Ⅰ】
農家の子として生まれ、奴隷として売られる。
体調を崩す事が多く、買われてもすぐまた売られるの繰り返し、5度売られている。
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魔力量が多すぎて、魔力暴走をよく起こしてしまうようだ。
ここ1ヶ月でもう3回も寝込んでいる。
身体が弱いと思われ、食いぶち減らしで売られたのだろう。
人物の鑑定は、スキルを持っていても難しいらしい。
僕の【ルーレット】での鑑定スキルは、元々持っている鑑定スキルとは比べ物にならないほど質が良い。
僕は細かくステータスを見られるが、基本は自身よりも魔力量の多い者のステータスは覗けず、見れても年齢やレベル、所持魔法くらいだそう。
だから他の者から不要だと判断された者達の中からでも、優秀な人材を確保できる。
「いつもと部屋、違うみたいだけど?」
「はい、本日はこちらでお召し上がりください」
シオンは頭を下げ、扉を開く。
レオに抱えられたまま、広間へ入ると魔法の祝福を受けた。
部屋中にキラキラと暖かい魔力が漂う。
「アル、お誕生日おめでとう」
「おめでとう!アル!!」
「ルーカス兄様、ルイス兄様」
父様や母様も寄ってきて「おめでとう」と微笑む。
「お誕生日……」
「ふふ、そうよアルフィ。自分のお誕生日、忘れていたのかしら?」
そっか……僕の誕生日を祝うために、今日はみんなバタバタしていたのか。
「母様、ありがとうございます」
豪華に飾られた広間を進み、主役席に座る。
左右には父様と母様が座り、後ろにはレオとリアが立つ。みんなが僕の所に挨拶へ来る。
母様いわく、社交界の練習らしい。
僕にはまだ早いよ、母様……
ひと通り挨拶が終わり、みんな談笑しながら食事を始めた。
「アル、行ってきなさい。お腹空いているだろう」
「はい!父様!!」
僕はレオに再び抱えられ、食事を取りに行った。
なんということでしょう。ビュッフェ!!僕バイキングとかビュッフェ好きだったんだよね〜!!
ニコニコと好きなものだけを取っていたら、リアに野菜を盛られる。
「リア、何するの」
「お野菜も食べないとダメです」
「僕、今日は主役なのに」
「関係ございません」
僕はムーッと拗ねていると、ルーカス兄様が僕の頭をわしゃっと撫でた。
「ルーカス兄様」
「リアンを困らせるな」
「ルーカス兄様、今日はお澄ましさんですね」
「私に八つ当たりしないでくれ」
ルーカス兄様は、ニコッと笑い僕の目の前に膝をついて座った。
「に、兄様?」
「お誕生日おめでとう。私はアルフィが健やかに育ってくれて嬉しく思う」
ルーカス兄様は、僕に小さな箱を差し出した。
「ありがとうございます!!ルーカス兄様!!」
ルーカス兄様も良いところあるのだ!!最近は、魔法オタクの変なところしか見ていなかったから忘れかけていた!!
「開けても良いですか!?」
「うん、良いよ」
リボンを外し、箱を開けるとペンダントが入っていた。
「これは……」
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《 守護の御守り 》
《 このペンダントは、ルーカス・ドゥウムの魔力が込められた魔石で作られており、アルフィ・ドゥウムに異変があった際、ルーカス・ドゥウムに伝わります 》
《 一度だけ、致命傷を防げる 》
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「げっ、こんな高価なもの頂いて良いのですか?」
「奮発したよ〜!!」
「【ルーレット】の品、売っても良いですよ?」
「私に、アルから貰ったものを売れと!?」
あ、いつもの変な兄様に戻った。
「アルフィちゃん?」
「エルラ嬢」
「まぁ、エルラと呼んで!」
「フロレア王国に戻られていたのではなかったのですか?」
「そうなの!!帰っていたのだけれど、ルーカス様からアルフィちゃんのお誕生日パーティをされると伺いまして!!これは参加せねばと、ウィルも連れて参りましたわ!!」
「そうなのですね、遠いところありがとうございます」
エルラは、ルーカス兄様達とパーティを組んで冒険者をしているが、隣国フロレア王国の公爵令嬢なのである。
だけど比較的近くて、ドゥウムが唯一国境を渡る道を開拓している領地を治めるのが、エルラのお父上なのです。
「ふふ、わたくしからもプレゼントがありますの!!受け取って下さるかしら!!」
エルラはそっと刺繍入りのハンカチーフを取り出した。
中には、ブローチが包まれていた。
「わたくしの専属技師に造らせましたの。気に入ってくれたら嬉しいわ」
エルラはふふっと笑った。
「ありがとうございます!!」
僕はご飯を食べ始めると、エルラとルーカス兄様が話していた。
この2人婚約の話出てたよなぁ。
2人をボーッと見ていると、エルラはチラチラとルーカス兄様の後ろに控えるマシュを見て顔を赤くしていた。
どんまいルーカス兄様。
「アル〜。私は別に好きではない!」
ルーカス兄様は、僕の頬をムニムニとつまむ。
「ごめんなひゃい〜!」
ルーカス兄様は、頭の中を見れるのだろうか……
「アルはすぐ顔に出るからね」
「はい、ごめんなさい」
ポテポテ歩きながら、美味しそうなものを片っ端からレオに取ってもらう。
「美味しいですか?アルフィ様」
「うん〜、でもここひと月ダインさんの料理ばかり食べていたから、舌が肥えたのかなぁ」
「俺も同じことを思っていました!!」
レオはなにをそんなに嬉しそうなのかわからないが、由々しき事態だ……ダインさんの料理しか食べれなくなってしまう!!
「アル!!」
「ルイス兄様!!お久しぶりです!!」
「あぁ、久しぶりだな!!」
ルイス兄様は、ドゥウム王国から隣国への道を管理している街への視察に行っていたのだ。
毎月ルイス兄様とルーカス兄様が、交代で視察を行っている。これは、ドゥウム王国には広大な土地が有りながらも、王都の他に街がそのひとつしか無いから出来ていることだ。
来年からはどうするのだろうか?
僕は視察へは、みんなが亡くなった後にしか行くことがなかったから、どうしていたのかわからないや……
まっ、今なら【転移】があるので楽ちんです!!
そっか、【ルーレット】で【転移】をあと3つくらい出して、兄様達と父様にも譲渡しておけば良いんだ!!
僕は、天才かもしれない!!
うーむと考え込んでいると、ルイス兄様が僕の顔を覗き込んでいた。
「わ!!ごめんなさいルイス兄様!!」
「大丈夫か?」
「はい!!大丈夫です!!」
ルイス兄様は、魔力を貯めておける指輪をプレゼントしてくれた。
僕はルイス兄様の後ろに、見慣れない男の人が居るのに気づく。何か不思議な感覚がした。
「ルイス兄様、その方は??」
「あぁ、こいつは新しく俺の側仕えになった。アレンだ」
「アルフィ王子殿下、お初にお目にかかります。アレンと申します」
アレンは美しいお辞儀をした。
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名前 : アレン
年齢 : ░░
誕生日 : 6月6日
レベル : 66
魔力量 : 066666/066666
−固有スキル−
【░░Ⅵ】 【░░Ⅵ】 【身体強化Ⅵ】 【魔力回復上昇Ⅵ】
−所持魔法−
【火炎魔法Ⅵ】 【闇魔法Ⅵ】 【░░Ⅵ】
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な、なんだろう。この人……【隠蔽】で隠してる?
「ルイス兄様、パーティの後お時間はありますか?」
「あぁ、大丈夫だぞ」
「では、僕の別棟に来てください。お茶をしましょう」
「あぁ!わかった!!楽しみにしてるぜ!!アルの料理人は腕がいいって噂だしな!!」
「はい!もちろんです!!」
ルイス兄様と別れ、僕はリアを見る。
リアはすぐにニコッと微笑んで、広間を出て行った。
おそらく別棟へ戻って、ダインさんにお茶菓子の準備をしてもらうよう伝えに行ったはずだ。
その後いろんな人たちから祝福をされ、なんだかんだ楽しんだ。
「レオ、ルーカス兄様に別棟に来てくれるよう伝えて」
「はい!!」
大人達はまだまだ飲み足らないようで、僕はシオンに抱えられて広間をあとにした。




