第三話 お茶会
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《 金貨ルーレットが回されました 》
《 本日 UR確率UP・R確率UP・N確率DOWN 》
《 10回転 》
《 確定しました 》
《 SR : 回復ポーションⅤ・R : 生物図鑑・R : 回復ポーションⅢ・R : 純白のシャツ・R : 綺麗な貝殻・R : 【闇魔法Ⅱ】・R : 海の塩・R : モノクル・R : 魔法の靴下・N : 薬草 を獲得しました 》
《 買取価格 : 約金貨21枚 》
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《 金貨ルーレットが回されました 》
《 本日 UR確率UP・R確率UP・N確率DOWN 》
《 10回転 》
《 確定しました 》
《 R : 【浮遊I】・R : 海苔・R : 聖水入り瓶・R : 鉄の剣・R : カニ・R : 【雷魔法Ⅰ】・R : フルーツセット・R : 革靴・R : 解毒ポーションⅡ・N : 綺麗な石の髪飾り を獲得しました 》
《 買取価格 : 約金貨15枚 》
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そして僕は、【ルーレット】を回し続け……
ついに100回目……
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《 金貨ルーレットが回されました 》
《 本日 UR確率UP・R確率UP・N確率DOWN 》
《 10回転 》
《 確定しました 》
《 UR : 【転移Ⅸ】・UR : 監視カメラ・R : 【風魔法Ⅱ】・R : 紫石のブローチ・R : 採れたてワカメ・R : 靴下・N : 綺麗な布・N : 丸渕眼鏡・N : 普通のタオル・N : 薬草 を獲得しました 》
《 買取価格 : 約金貨21枚 》
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来た……あと2週間。急がなきゃ。
「アルフィ様、こちらが数ヶ月以内に増えた使用人リストです」
「ありがとう。リア」
リアが持って来たリストに目を通す。
「リア。【鑑定Ⅵ】あげたでしょ。見て怪しい人居なかった?」
「はい。リストにある者達全員に当たり、頂いた【隠密Ⅴ】でも探ってみましたが、特に怪しい者は……」
「そっか。ありがとう。……でも!!危ない事しちゃダメだよ!!リアはまだ子供なんだから!!」
「アルフィ様こそですよ」
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《 UR : 監視カメラ について 》
《 監視カメラは、設置の際アルフィの魔力をひとつにつき1,000消費する。設置した監視カメラは認識阻害が適用され、他者からは認識されにくくなる 》
《 しかし、監視カメラは設置から48時間で消滅する 》
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「48時間なんだよな……監視カメラを使うのは2日前からにしたいし……うーん」
「アルフィ様、今日は寝てください。もう遅いですから」
「はぁい」
僕が寝たのを見届けて、リアは部屋を出て行く。
──翌朝
僕はベッド下の箱に一緒に入れておいたノートを取り出す。
覚えている限りの記憶を、ノートに転写しておいた。
僕はノートをパラパラと捲りながら眺める。
今日は、ルーカス兄様に【ルーレット】で出た品々を渡す日だ。
数ヶ月に一度定期的に渡す事にした。だって……
今僕のベッドの下には、箱に入りきらず溢れ出した物たちが、ゴミのように積まれている。
なぜベッド下に隠しているかというと、ニアとルーカス兄様、父様。そして専属護衛騎士になった2人とリアしか僕のスキルの事を知らないからである。
僕がもう少し大きくなるまでは、隠せるだけ隠しておこうという方針になったのだ。
僕も説明めんどくさいし、ありがたい。
「アル〜!!貰いに来たよ〜」
ルーカス兄様ってこんな人だっけ……もっと落ち着きがあって上品な人だったのに。魔法は人の性格まで変えてしまうのかもしれない。
「元々こんなだよ〜!!兄さんとして威厳を保つために、人前ではキリッてしてるの〜!!」
ルーカス兄様は、僕の心の声が聞こえたかのように笑顔で話す。
「可愛い弟の考えている事なんて、顔が見えなくたって分かるよ〜」
それは怖いからやめてほしい。
「ルーカス兄様、早く持って行ってください」
「流暢におしゃべり出来るようになったね!!」
「言語能力を上げるスキルを獲得したので、外国の言葉もなんとなく話せます。他の人の前では今まで通りですよ」
「カミカミのアルも可愛かったのに!!弟の成長ってこんなに早いものなんだね」
だからスキルで補助してるって言ってるでしょう。
ルーカス兄様が物色するため、僕の部屋はゴミ屋敷のようになった。
これが俗にいう、足の踏み場もない……
ベッドの下に入れていた物を全て出したのだから、仕方ないけれど。
「アイテムポーチに入れたらいいのに〜」
「あんなちっちゃいポーチじゃ、1週間で入りきらなくなりましたよ」
「そんなぁ〜!!」
ルーカス兄様がほとんど持って行ってくれて、僕の部屋はスッキリした。
「大掃除した気分〜」
心なしか部屋がキラキラ輝いて見える。
「良かったですね〜!!アルフィ様!!」
「アルフィ様。私がアイテムボックス買ってまいりましょうか?」
「ううんー、良いよ。【ルーレット】でも当たりそうだし!」
「左様ですか。お茶をご用意致しますね」
「うん、ありがとう。リア」
緊張感もなく僕は平和な日々を過ごし、ついにニアが亡くなる2日前。
「リア」
「はい、アルフィ様」
僕の事情を真に知っているのはリアだけ。
三度目で追加されていたスキル【記憶譲渡】。
僕はそのスキルでリアに僕の記憶を全て見せた。
リアに伝えてすぐ、そのスキルは消えてしまったが、リア以上に信用できる人間は居ないと思ったから、悔いはない。
記憶を見せてからリアは、僕に協力してくれている。
まずは、ニアを助けるという目的のため。
僕はとりあえず厨房とパントリー、そして当日お茶会をする部屋とその部屋へ繋がる廊下にカメラを設置した。
映像は48時間分巻き戻して観れるらしい。
便利〜。
──2日後
ついに当日。
母のオリヴィアと僕、そして妹のミアでお茶会をする。
「母様、今日もきれいですね」
「まぁ!アルフィったら!!ミアもおめかししたのよ〜」
「はい、かわいらしいです」
使用人達がお茶や菓子を運んで来る。
「本日は私が毒味を致します」
僕は大人しくニアがお茶を飲み菓子を食べるのを眺めた。
「大丈夫です」
全て毒は入っていない。
なぜなら全部、リアが作った物と入れ替えているから。
料理人達が作り使用人が運んで来た物は全て僕の部屋に転送させた。今頃リアが調べてくれている。
お茶会は無事終わり、僕はニアに抱えられ部屋の前まで戻った。
「ニア今日はもう休んで良いよ」
ニアに休むように伝え、戻らせると僕は扉を開け部屋に入る。
部屋には甘い匂いが漂っていた。
「どう?リア」
「はい。予定になかった、このカップケーキの全てから毒を検知しました」
「予定になかった?」
「はい、オリヴィア様からお茶会をすると報告があってすぐに、お出しするお茶の種類や茶菓子は決まっていました。ですがこの花弁を模したクリームの乗ったカップケーキは、リストにありません」
「それ誰が作ったか分かる?」
「いえ、王城の料理人は誰も作っていません。厨房で死角があってはいけないと思い、隠密で監視していましたがこのカップケーキのように鮮やかなピンク色のクリームを使っている者すらいませんでした」
「うーん。いったん映像見るか……」
僕とリアは、お茶会が終わった所から巻き戻しながら、怪しい動きをしている者が居ないか真剣に眺める。
リアが確認して毒の入っていないと判断した菓子を、僕はパクパク食べながら眺めている。
「あ、来た」
使用人達が茶菓子を運んでいるのが映った次の瞬間、廊下に設置していた監視カメラの映像が乱れた。
「これは。どういう事でしょうか。アルフィ様」
「わからない。誰かが気づいて妨害した、もしくはなんらかの力で監視カメラに使っていた僕の魔力が乱れたか」
廊下での映像以外、それと言って怪しい動きをしている者は1人もいなかった。
強いて言うなら、メイド達って仲悪いんだ〜。と思ったくらい。
「はぁ。収穫なしかぁ〜」
「いえ。このカップケーキと映像を国王様やルーカス様にもお見せしましょう。外部から王城に、何者かが侵入しているかもしれないという証拠になります」
「え〜。リアが説明してくれるなら良いよ」
「勿論です。それに、アルフィ様。カップケーキ全てに毒が入っていたという事は、ニアだけではなくオリヴィア様やミア様まで亡くなっていたかもしれないという事ですよ」
リアは真剣な表情で僕を見る。
「この犯人は、口に入れたらすぐ死に至る猛毒を使っています。だから毒味役で防げましたが、もっと薄く時間をかけながら身体を蝕む毒であれば、少なくともオリヴィア様は食べてしまっていたでしょう」
「犯人は王家の者の好物を把握しています。オリヴィア様は生粋のチーズクリーム好きです。それにこのピンク色の薔薇の絞り。この犯人はオリヴィア様を狙っていたのではないでしょうか」
リアの言う通り、母様はピンクの薔薇が好きで自分で世話をするからと、庭に薔薇園を作ったほどだ。
「思い出してください。アルフィ様。二度目のニアが亡くなった時を。街に出た時、輩に襲われたと仰っていましたが、アルフィ様の記憶で見たニアはやけに上等なクロークを着ていました。オリヴィア様はよくお忍びで街へ出られる。王妃の顔をよく知らない輩なら、オリヴィア様と間違われたという可能性はありませんか」
そうだ、そうだよ。僕は何も不思議に思わなかった……
あの時、ニアは急いでいてマントを羽織らずに出ようとしていた所を、薔薇の手入れをしていた母様が自分が着ているクロークをニアに渡していた。
全部……母様が狙われていたんだ……
そうだよ……ニアが亡くなってショックを受けた母様はしばらく王城に引き篭もっていた。
けれど半年後、母様と仲の良い公爵家のご令嬢から気分転換にお茶をしようと誘われて馬車で城を出た日。
母様は亡くなった。
全部繋がっていたのかもしれない。
「リア……僕が三度目だってことと、みんなが亡くなることは言わないで。信じて貰えないだろうし、それに何度も死んでるなんて聞きたくないよ」
「アルフィ様。私に記憶を見せてくださった時のこと、覚えていますか」
「うん」
◇ ◇ ◇
──4ヶ月前
ゴブリンの集落から王城へ戻った数日後の夜。
部屋で僕は荷物をまとめていた。
「何をなさっているのですか。アルフィ様」
「リア……ノックくらいしてよ」
「何処へ行かれるおつもりですか」
「リア、僕……王子向いてないんだ!だからね、王城出ようと思って!」
「どうしてそんなに辛そうに話すのですか」
「僕……もぅ死にたくないっ!!痛いのも嫌いだし、人の上に立って誰かを引っ張るなんて出来ない!!もぉみんながいなくなるの見れないっ!!」
「何を言っているのですか、アルフィ様」
僕は情けなくも、リアの前で泣いてしまった。
涙を我慢したくても、三歳児の涙腺は緩いのだ。
リアは僕が落ち着くまで何も言わずに側で待っていた。
泣き止むと、リアはレモンティーを作って持ってきてくれた。
僕は【記憶譲渡】スキルで、リアに僕の記憶を見せた。
前世では、この世界とは別の世界の高校生だったこと。
卒業式の日、倒れた僕は気づいたら第三王子になっていたこと。
そして、アルフィになって今回で三度目だということ。
一度目も二度目も……みんな亡くなって、僕は戦争を止められなくて最後には殺されること。
記憶を見たリアは信じてくれた。
「アルフィ様。一緒に逃げましょうか」
「え」
「アルフィ様1人では野垂れ死ぬだけでしょうし」
「そんなことないよ!!」
「そして私は、晴れて第三王子を攫った使用人ということで大犯罪者です」
リアは僕の隣に座って、窓から外を眺める。
窓からは王都の光が見える。
「良いのですか。今逃げたらアルフィ様は助かるかもしれません。けれど、ご家族は皆さん亡くなってしまわれるのでしょう?」
「それは……」
「アルフィ様に優しいお兄様方も、アルフィ様を心から愛している国王様や王妃様。記憶で見たミア様もアルフィ様に懐いていたではありませんか」
「三歳に戻ってすぐは、助けたいって思ったんだ。でもルーカス兄様が倒れているのを見て、すごく見たくないって思ったんだ。変えられないなら……いっそのこと逃げようかなって……もぅ死ぬほど痛いのも、苦しいのも嫌だから」
「アルフィ様、今度は私が共に戦います。今回は何か違うのでしょう?」
「うん……」
「それに、王家が滅んでしまうのは私も困ります。働き口が無くなってしまいますから」
リアは笑って僕の手を握り、床に膝をついた。
リアさんは優秀だから何処ででも働けると思うけどね。
◇ ◇ ◇
「何があっても、私はアルフィ様と共に戦います。信じて頂けますでしょう?アルフィ様は2度も私と共に生きたのですから」
「うん……」
僕とリアは、夜も更けていたが父様とルーカス兄様を起こして、お茶会であったことを話した。
その後父様はすぐに王族の護衛を増やし、王城へ入る者達は厳しい検査を受ける事になった。
その日から、父様は忙しそうに毎日を過ごしている。
僕はというと、いつものように【ルーレット】に一喜一憂させられる日々を過ごしている。
次の運命は……半年後。




