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第十二話 旅の始まり




──建国祭から2日後


僕は軍事演習から戻って来たルミエルを勧誘した。


 テッテレー!アルフィは優秀な軍師を手に入れた!!


「じゃっ!僕は先に工房へ戻ってるねー!!」


バタンと扉を閉めて、部屋を出た。

部屋に残されたみんなは気まずそうにしている。


「アルフィ様、リアンさんが居なくなってから無理に笑っておられる……気がするのですが」


「そうですね。リアンは何処に行ったのかな」


「早く帰って来てもらわないと……仕事は溜まる一方ですよ!!」


「リアンは若いのに優秀だなぁ〜」


「「あぁ〜、早く帰ってきてください。リアンさん〜」」




僕は、別棟に作った工房でルーカス兄様とモニターを作っている。

散らかった工房では、ルーカス兄様が大量の本の上で眠っている。


「アルフィ様、お帰りなさい。魔石が足りないのですが、予備はありますでしょうか」


「マシュ、あるよ。置いておくね」


「ありがとうございます、アルフィ様。あとは私がやっておきますので、少し休んで下さい」


「大丈夫だよ、マシュ」


「いえ、いけません。建国祭が終わってからろくに眠っていないでしょう」


「大丈夫って言ってるのに」


マシュが僕を、工房に用意したベッドに転がす。


「若いうちから睡眠時間を削ると背が伸びませんよ」


大丈夫だよ、マシュ。だって父様も高身長だし、ルーカス兄様やルイス兄様も背高いもん。




「アルフィ様、アルフィ様起きて下さい。夕食のお時間ですよ」


「マシュ、魔石ならそこに……」


僕が目を開けると、包帯を巻いたリアが僕を覗き込んでいた。


「リア……リア!?」


僕はガバッと勢いよく起き上がると、リアは笑っていた。

僕はすぐに治癒魔法をリアにかける。


「アルフィ様、申し訳ありません。遅くなりました」


「うぅん、無事で良かった」


僕が鼻水を垂らしながら、リアに抱きつく。

リアはいつも最後まで一緒に居てくれて、僕の唯一の味方だ。


「リアが居ないとお仕事が溜まって大変っ」


「そうですね、申し訳ありません。すぐ終わらせます」


「ううん、今日は良い。今日は一緒に居る」


「かしこまりました、アルフィ様」


僕は糸が切れたように、リアの腕の中で眠ってしまった。

丸一日起きなかったらしい。




──ひと月後


このひと月、僕は本当に凄く凄く忙しかった!!

リアが帰って来た後、なんで帰るのが遅くなったのかを問い詰めて、父様に報告。

フロレア王国へ贈るモニター作り。

ルイやロゼリアの為の、魔力を吸い出し、溜めておく魔道具開発。

帝国へ行くための荷馬車作り。


 なんでこんなに忙しいんだぁ!!僕は四歳だぞ!!


元はと言えば、帝国の第四皇子がドゥウム王国の馬車だとバレないようなもので来てくれと言ってきたのが原因だ!!


僕はせっかく作るなら、外からはどう見ても荷馬車なのに、中は快適にしてやろうと、改良に改良を続けて出来上がった傑作!!

魔導荷馬車!!

普通の荷馬車に真っ白な布を掛けて、後ろには4人が座れるスペース、そしてそこには木の扉があり扉を開けると、空間拡張魔法を使って広くした空間が広がる。

リビングとキッチン、個室が8個にパントリー、トイレとシャワー室がある。

リビングからは荷馬車の前方に出る事も出来るよ!!


 完璧!!1か月、しんどい思いせずに行けるぞ!!


そして個室のひとつには、僕の別棟と繋げた転移陣がある。


ルーカス兄様とルイス兄様が一緒に行くと言って聞かないので、何かあった時のためにすぐ戻れるようにしておいたのだ。

荷馬車の製作と並行して、ダンジョンの転移陣をミレニア達魔導士団と協力して研究していたのだ。


ちなみに建国祭の時に出現した、ダンジョンのおかげで王都の冒険者の数は1.3倍に増えていた。




「リア、兄様達に誰を連れて行くのか聞いてくれた?」


「はい、勿論でございます。ルーカス様はマシュさんとエーリエさん、ルイス様はアレンさんとユリウス殿です」


「女の子はエーリエとロゼリアだけか。じゃぁ僕はニアも連れて行こう。ニア」


「はい!アルフィ様!!」


「旅の間ニアはロゼリアの世話をしてあげてくれる?」


「アルフィ様のお願いであれば、ニアはなんでも致しますよ」


「うん、ありがとう。まぁ、ルーカス兄様もエーリエを連れて行くという事は、ロゼリアの護衛を任せようと思っているのだろうけど、エーリエは身の回りの世話は出来ないからね」


「はい、ニアはロゼリア様の身の回りのお世話も、アルフィ様のお世話も全部こなします!!」


「そ、そこまで気合い入れなくても良いよ。荷馬車に乗ってさえ居れば安全だから」


「そうなのですか?」


「うん、僕が登録している人以外は扉を開けられないようにしているからね」


「素晴らしいです!アルフィ様!!ニアはずっと天才だ天才だと思っていましたが、天才……いえ、大天才です!!」


「ありがとう、ニア。荷物をまとめておいて、来週には出発するから」


「はい!!」


ニアはウッキウキで、部屋を出て行った。


「では、アルフィ様のお供には私と、レオさん、ニアさんの3名でよろしいですか?」


「セドリックも連れて行くよ。シオンとルイも連れて行ってあげたいけど、次回だね」


「承知致しました」


「ちょっと、護衛が手厚すぎる気もするけどね」


「いえ、一国の王子が他国へ行くのです。戦力過多くらいで良いのですよ」


「そう?それにしてもレオとユリウスがいる時点で、どんな魔物が来ても心配無さそうだけど……」


「それは……そうですね」


コンコンコンッと扉を叩く音がして、ユリウスとレオが部屋へ入って来た。


「どうしたの?珍しいね2人が一緒なんて」


「あの、アルフィ様。頂いた剣なのですが……」


「うん、2人共似合ってるね!」


 元々僕のだけど!!


「は、はい。それが、魔力がずっと吸われている気がして、1日にどれくらいの魔力が剣に吸われているのかが知りたくて……」


「うーん、わからないなぁ。レオの剣は相手の魔力を吸う剣だから、レオの魔力は減っていないよね?」


「はい、俺は大丈夫です!ユリウスが珍しく俺に相談して来たので、アルフィ様に聞いたらどうかと連れて来ました」


ユリウスはルイス兄様の護衛騎士となってやる気が満ち溢れている。敵視しているレオに意見を乞うくらいだから、本当に困っているのだろう。


「いつもどうやって持ち歩いてる?」


「はい、皆と同じように腰に佩いています」


「うーん、なんでだろう。ちょっとルミナスを見せて貰ってもいい?」


「勿論です!」


ユリウスは、僕の前にルミナスを置いた。

僕はルミナスに軽く触れると、ルミナスが光を放った。


『アルフィ、この色男を私に守れと言うの?嫌よ、私はアルフィの物なのに!』


「ル、ルミナス!?」


幻影のようにうっすら透けて見える、美しく真っ白な女性が、僕の手を握っている。


『ねぇ、アルフィ。私はアルフィが触れてくれたから生まれたのよ?』


ちょっと、よくわからないけど。とにかくこのお姉さんがルミナスに憑いているから、ユリウスの魔力が吸われているのか?


『そうよ、あの色男が居なくなれば、アルフィの所へ戻れると思ったの!!』


『よさぬか、ルミナスよ』


『何よ!グレティス!!脳筋に絆されちゃって!!』


なんかまた出て来た〜。


『我はグレティスである』


グレティスという男は、黒髪に黒い瞳のムキムキマンだ。


『グレティスはいいかも知れないけど、私はアルフィ以外の主なんて認めないから!!』


「うーん、そう言ってもなぁ。あげちゃった物を返せなんて口が裂けても言えないよ」


『じゃぁ、アルフィ。私が憑依できる物を作ってちょうだい!!』


「えぇー」


『ひとつ、言っておかなければならない事がある』


「なにー?」


『我らがあの剣に付いている限り、レオとユリウスの寿命は縮まるであろう。あやつらに、我らの力は強すぎる』


「2人は強いよ?」


『あぁ、人間としては強い。強いが、あやつらは人間だ』


「君達を剣から別の物に憑依させても、剣の性能は変わらない?」


『えぇ、もちろんよ!!使いやすくなるまであるわね!!』


「そっか」


『我らが憑いていると、持ち主はそれなりの対価を払わなければいけない。

ルミナスは居なくなればなどと酷い言い方をしているが違う、我らが憑いている事で本来吸われないはずの魔力をも吸い取っている。

それは我らが存在するために必要な魔力だからだ。

レオもダンジョンで一度触れるだけでも、魔物を倒してしまえるのを不思議に思っていたが、あれは我が魔物の魔力を必要以上に吸い取っていたからだ。人相手で無くて良かったと思ってくれ』


「人相手にレオの剣を使うと、一度触れただけでも亡くなってしまったかも知れないね」


『あぁ、そうだ』


「ごめんね、レオ、ユリウス。僕は2人にとんでも無い物を、渡してしまったかも知れない」


「アルフィ様。先程から誰と話しているのですか」


「見えないの?」


レオ、ユリウス、リアの順で顔を見ていく。

みんなキョトンとしている。


「アルフィ様、やはりお疲れに……」


「だ、大丈夫!!てかレオ、ユリウス。2人とも剣を少し預かってもいい?調べてみるよ」


「勿論構いませんが」


「ありがとう、ユリウス」


レオは凄く嫌そうな顔をしていた。

僕もレオに渡す時、こんな顔してたのかな?




レオとユリウスは部屋を出て行き、リアと僕だけが部屋に残された。

僕にはグレティスとルミナスも見えているけど。


「グレティス、ルミナス。君達の憑依先だけど、分身体でも良いの?」


『あぁ、構わない』


「わかった」


僕は自分の魔力を粘土のように固めて、体外に出すイメージで分身体を2体作った。

僕が2人いる……


ルミナスとグレティスはそれぞれ別の分身体へ入る。

分身体は2人の姿に変化して、僕の体の面影は無くなった。


「こ、これはなんですか。アルフィ様」


「リア、男性がグレティスと女性がルミナスだよ」


『アルフィ、私は女では無い』


「はい?いや、どう見ても……」


 綺麗なお姉さんにしか見えないよ!!


『男は誰しも、他人を傷つけかねない剣を隠し持っているものよ』


「ちょっと、何言ってるかわかんない」


ルミナスは凄く決め顔をしているが、本当に意味がわからない。

この世界、変な人多いなぁ。はぁ……僕の心の癒やしはリアだけだよ。


「リアぁ」


僕はリアにしがみ付いた。


「どうされましたか?アルフィ様」


「リアは落ち着くよぉ……」


「あ、ありがとうございます。アルフィ様」


『アルフィ、私に抱き付いてもいいのよ!?』


「いい」


ルミナスは、ガーンと膝から崩れ落ちた。


「それより2人はステータスとか無いんだね」


『そりゃ無いわよ。アルフィの魔力が反響して出来た、ただの思念体だもの』


「あぁ、もういい。情報過多、頭いたい」




グレティスとルミナス、リアを交えて4人で詳しく話したところ、ルーレットから獲得した時点ではただの剣だった。

そこで僕が使い方を研究するために、魔力を流した事で剣に意志が宿った。

そしてグレティスは、ダンジョンで大量に魔物の魔力を得た事で、ルミナスはユリウスの魔力を大量に得た事で、思念体としての姿を得たということだ。


なんかよくわからんけど、ぐわーんってなった。との事です。

うん、不思議〜。


まぁ取り敢えず、思念体が剣から離れた事で、無駄に魔力を吸う事は無くなり、剣の性能は変わらないとの事で、すぐ2人に剣を返しに行ったよ。




「2人には、何か憑依できるものを用意するから」


『ありがとう、アルフィ』


ルミナス、お礼言えるんだ。


『言えるわよ!私をなんだと思っているの!!』


「ごめん〜。それより思ってること読まないでぇ」


『それは無理ね、私達とアルフィは繋がっているから。あ、そうだ!作ってくれるなら指輪が良いわ。ずっとアルフィの側に居られるでしょ?』


「指輪かぁ……うん、良いね。そうしようか」


『やったぁ〜!!楽しみにしているわ!!』


「魔石で良いのかな?」


『えぇ、普通の魔石で良いわ』


「わかった、すぐ作るよ」


『我はまだ魔力が余っているから、先にルミナスのを作ってやってくれ』


「わかった、ありがとうグレティス」




僕は、帝国への出発日まで指輪の製作をした。

リアに準備は全て任せて。


「うん、良い感じ」


指輪は魔石を埋め込んだ、ブラックストーンと鉱石を加工したホワイトブロックで作った。

ブラックストーンはグレティス。

ホワイトブロックで作った物はルミナスだ。

僕が成長するごとに、指輪の大きさが変わるようにした。


2人の指輪を作っている最中、ルイやロゼリアの魔力を吸い溜めておける魔道具を作ろうとしたが、また失敗してしまった。

先は長いな。帝国の商会で何か良い物、見つけられたら良いけど。


右手の人差し指にルミナス、中指にグレティスをはめた。

『薬指にしなさいよ!!』とルミナスにはごねられたが。

なんか、凄く嫌だったので無視して人差し指にはめた。

1番付けていて邪魔じゃ無いのが、人差し指と中指なのだ。


邪魔になれば指輪なら、チェーンを通して首からかけれるのも良いね。物を作る事も多いからね。




──帝国へと出発する当日


父様が荷馬車を見て、興奮している。


「国王陛下、そろそろ出ませんと」


「あ、あぁ。そうだな!お前達、気を付けて行ってこい」


「父様〜!お土産買って来ますね〜!!母様もミアも〜!!」


「おぉ、アル〜!!気を付けて行くんだぞ〜!!」


僕は早速荷馬車に乗り込み、リビングでお茶をする。

御者は、エーリエとユリウス、レオ、セドリックの4人が交代で務めてくれる。


そして、グレティスとルミナスは有能だった。

大気中の魔力を使用し、グレティスは闇魔法を、ルミナスは聖魔法を使うことが出来た。

付いて行く代わりに、見張りをしてくれるという話になった。

夜にゆっくり、騎士達を休ませられるのはありがたい。


僕も指輪をはめている時は、2人の魔力も使う事が出来るようになった。

ちょっと優秀過ぎて困っちゃう。


ドゥウム国の森を抜けるまでは、魔獣も多いため騎士達は皆外で見張りをした。


「フロレア王国に入るまではどれくらい?」


「まずはドレンの街に行かなくてはいけないからね。

王都からドレンの街まで丸3日、ドレンの街からフロレア王国との国境まで丸1日ってところかな」


「ドレンの街」


「うん、フロレア王国との交流、交易をするための街だね」


「俺達は毎月交代で視察に来てるぞ。アルも大きくなったら協力してくれよ」


「うん!!」


兄様達はちゃんとお仕事しているのだ。

これも民達が、王族を好いてくれる理由だよね。

ほとんどの国民が王族の顔を知っている。


僕達は無事3日かけてドレンの街に着き、ルーカス兄様とルイス兄様は視察へ向かった。

その間僕達は、食料を調達し荷馬車に積み込む。


「アルフィ様!食糧庫に生ものを入れても良いのですか??」


「良いよニア。食糧庫は時間を止めているから、傷まないよ」


「凄いです!アルフィ様!!」


「ありがとう、ニア」


「アルフィ様、私共の部屋まで追加で用意して頂いてしまって。申し訳ありません」


「良いよ、エーリエ。君達騎士にはゆっくり休んでもらわないと!いざって時に疲労で動けませんじゃ困るからね」


「はい!勿論です!!」


「リア、商会で魔石売ってないか見て来てくれる?後冒険者ギルドへも行って、魔石譲ってもらえそうであれば言い値で貰って来て」


「かしこまりました。アルフィ様」


僕はリアに硬貨の入った巾着を渡す。


「落とさないでね、僕の全財産だよ」


「は、はいっ!!」


僕はリビングの隣にある工房へ籠る。


『アルフィ〜!言われた通り作っておいたわよ!!』


「ありがとう、2人とも」


グレティスとルミナスには、魔石に魔力を込めてもらっていた。

これで他の人も、2人の力を使えるようになれば良いのだけど。


『私、アルフィ以外に力使わせるの嫌なんだけど〜』


「ルミナス、聖魔法は人の命を助けられる力だよ。力を貸して欲しい、何か……あった時のために」


『……嫌なものは嫌よ。私の主人は、アルフィだけだもの』


「ルミナスは、お顔は聖女様みたいなのに、性格はお子様だね!」


『アルフィに言われたく無いわよ!!四歳児!!』


『我らも生まれてから一年も経っていないだろう』


『グレティス!あんたはどっちの味方よ!!』


『勿論、アルフィだ』


僕は作り溜めしておいた、ブレスレットの輪っかに魔石をはめ込む。

僕はブレスレットを着けて、魔力を込めてみる。


「僕は……」


僕の身体がキラキラと光る。

暖かい魔力に包まれて、なんだかホッとする感じがする。


『アルフィ、私の魔力はどう?』


「あったかぁい」


ルミナスは嬉しそうに笑う。

ま、気休めにはなるか。


「取り敢えずこれ、6個作ろうか」


『6人も、私の力使うっていうの!?』


「使い切りくらいで良いよ。一度、怪我を治せるだけでも十分役に立つからね」


『あら、そうなの?』


「うん、なんだと思ってたの」


『一生死ぬまで力を貸せ、ということかと!!』


「そんなこと言わないよ。2人もせっかくこの世界に生まれたんだから、自由に暮らせば良い」


僕は、ルミナスに背後から抱きしめられた。


「ルミナス、泣いてるの?」


『捨てないで……』


「何言ってるの?ルミナス」


『私はアルフィの役に立てるのが幸せなのよ。男だから嫌なの?』


「いや、そんなことは……」


『男だから嫌なんだわ!!わかったわ!!女になるわ!!剣なんてへし折ってやるわ!!』


 人の話は最後まで聞きなさい……


ルミナスが暴れ出したので、グレティスに頼んで止めてもらった。


「ルミナス、捨てたりしないよ。もしかしたら指輪落とすとかはあるかもしれないけど……あと、別にルミナスが男でも女でもどっちでも良いよ」


男であれ、女であれ綺麗なことには変わりないし。


『アルフィ』


「なにー、ルミナス」


『アールフィッ』


「……」


あれから1時間ずっとこの調子である。機嫌が良いのは良いことだけれど……流石に鬱陶しいか。


『鬱陶しいって言うな!!アルフィ!!』


「言ってはないよ!!思っただけでしょ!!」


『思っても言ったのと一緒よ!!』


『やめぬか、2人共。やかましい』




日が暮れ、兄様達が戻って来てニアの作った夕食を食べる。


「このままフロレア王国へ行って泊まろうか」


「そうですね。じゃぁ進みましょう」


食後少し休憩してから、レオとグレティス、ルミナス以外は休むことになった。


「アルフィ様、今もフロレア王国へ進んでいるというのに、揺れひとつありませんね」


「うん、凄いでしょ」


「はい、素晴らしいです。長旅でゆっくりベッドで眠れるとは思いませんでした」


「でもごめんね、リア。相部屋になってしまって」


「いえ、構いません。レオさんもそんなに部屋におりませんし」


「そう?」


「はい、ではアルフィ様。今日は早くお休みくださいね。昨晩も遅くまで起きていたようですけれど」


「う、大丈夫。寝る」


「はい、安心しました。では、失礼致します」


リアが最近、夜更かしに厳しい……


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