魔獣の謎
「スタンピード⋯。」
と、僕が呟くと、
フォスターが頸を振って、
「あり得ない、人為的にスタンピードを起こす
なんて出来るわけがない。」
カナが、僕のところに寄ってきて、小声で
「ね、スタンピードってなに?」
『ブルウタスお前もか』と、言いたくなって
しまった。
「いや〜僕も、よく知らなくて⋯。」
「なんだよ。知ってる素振りするなんて
ズルイわね。」
と、カナに睨まれた。
「カナ、ジンさん。スタンピードというのは、
数百年に一度発生する、魔獣の大暴走です。」
と、サラがさりげなく教えてくれた。
「魔獣が押し寄せて来るってことですか?」
サラはコクンて頷いた。
「え〜!!一体何処から来るのよ、魔の谷って
めっちゃ広いのよ!」
と、カナが喚きながら頭を抱えた。
サラは、カナの肩を優しく抱いて
「大丈夫。暴走は、1点に向けて10回の波
で来るようです。1波は3時間後、北西から
来ます。」
フォスターか、サラに突っかかって、
「おかしいだろ、人為的にスタンピード
なんて!」
サラは頷いて、
「そうですね。これは自然のスタンピード
ではなく人為的なスタンピードですから、
魔石を使えば可能、そして魔石を破壊すれば
スタンピードは止まります。」
フォスターが頷いて、
「ま、魔石か。
それなら、可能だが。やはり神殿が関与して
いるということか。」
サラは頸を捻って、
「さぁ?」
と、はぐらかした。
ボルトがサラを見ながら、
「疑うわけではないが、なぜそこまで鮮明に
わかるのだ?」
と、サラに疑惑の意見をぶつけた。
パシン★
「失礼だろ!ボルト!」
アンリは、持っていた棒で、ボルトを思いっきり
たたいた。
「ごめんね。サラさん、躾がなってなくて。」
サラは頸を振って、
「そう思うのも当たり前だわ。
私、目が見えなくなってから、気配や
聖女さまの声がよく聞こえる様になったの。」
ボルトは腕組みをして、
「聖女は、神殿の長。信じるに値するのか?」
と、言うと更にアンリから棒で叩かれた。
「ボルト!!いい加減にしないと怒るわよ!」
と、ボルトを叱りつけたあとに
アンリがサラにペコペコ誤っている。
「私は、聖女様はまだ信じられると私は
思います、神殿と聖女様は違うと思いますが
違和感を感じたら私を罰してください。」
と胸の前で手を組み、全員の前で跪いだ。
ボルトは、咳払いをして、
「聖女は信じられないか、俺はサラさんを
信じることにするよ。」
カナはサラの隣に来て、
「凄いね、姉様。さっきのホントの聖女様
みたいだった。」
僕もカナと同意見で神々しい魔力を感じた。
聖女か⋯凄いな、実際どんな人なのか会って
見たい気もする。
カナが小声でサラに聞いている。
「姉様、魔石ってなんだっけ?」
サラは呆れた顔で、
「忘れちゃった?神殿が管理している石で、
魔獣をコントロールできるものよ。
但し、1回使って目的を果たしたら、
消えちゃうわ。」
カナは頭を掻きながら、
「ご、ごめん。そうだったよね。
私バカだから、すぐ忘れちゃうんだよね。」
僕はサラさんを見て、
「サラさんって物知りなんですね。
尊敬します。」
と言うと、サラは頸を振って
私は少し聖女の加護があるだけの普通の人
だからあなた達とは違うわ。
フォスターがそれを聞いて、驚いてサラに
聞いた。
「聖女加護って聖女の代弁者か?」
「そういう人もいるけど⋯わたしはそんな
能力はないわ。」
カナがフォスターを睨んで、
「なによ、聖女の代弁者って?」
「聖女は、神殿に囚われているから、
時の権力者たちが自由になるのはその代弁
だけだ。
代弁者は現在俺が知ってるのは、帝国に1人
だけだ。確実に狙われるぞ。」
サラは、にっこり笑って、
「聖女様が『カナとジンさんの傍にいれば
安心です。』とおっしゃいましたので、
平気です。」
カナは僕をヘッドロックして、
「もちろん!私達がサラ姉様を守り抜くわ!」
僕はヘッドロックを決められながら、
「まずは、魔石探しだね。」




