3日目の夜
◆ 夏の鉄道旅・三日目 夜
川内・夕暮れの宿にて
鹿児島湾を越えて吹き抜ける潮風が、川内駅前の旅館の暖簾を揺らしていた。
鹿児島本線の車内での爆笑トーク、指宿の砂風呂での“むぎゅー埋没事件”、
枕崎駅の「え、折り返し1分!?」ダッシュ――
三日目にして、すでに12人の旅は体力の限界と腹筋の限界の両方に迫っていた。
旅館に着くと、子どもたちは一斉に叫んだ。
陽翔(8)「おふとんダイブ大会すっぞーー!!」
結音(8)「はいはい、待ちなさい!こけるで!!」
燈真(6)「とんま、ジャンプ〜ッ!!」
灯乃(6)「おねえちゃん(結音)、受け止めてぇぇぇ!!」
悠翔(3)「ひーちゃん、むぎゅ〜〜〜!!」
彩羽(3)「あやばも!!おにーしゃん、むぎゅ〜〜!!」
光子と優子は、宿に入った瞬間にすでにゼェゼェ。
光子「…なんでうちら、旅のたびに…この…カオス生物園を連れて歩きよると?」
優子「知らんし!でも多分、前世でなんかやらかしとる」
翼「はいはい、飲み物買ってくるけん落ち着いて」
拓実「俺は粉ポカリ作る係やね」
そこへ、
**白石 隼**が、
恋人の祥子の手を引きながら入室してきた。
隼は、長身で穏やかな声の青年。
祥子の心身のケアを続けながら寄り添ってきた、誠実な男である。
隼「遅くなりました。みんな、今日は本当にお疲れ様でした」
祥子「ほんと、枕崎からの折り返しは地獄やった…」
光子がさっと近づく。
光子「隼くん、来たね〜!うちの爆笑旅行へようこそ」
優子「覚悟してね。うちらと旅したら、腹筋が毎日崩壊するけん」
隼「もう覚悟は決めてます。祥子さんから“50回は死ぬ”って言われました」
祥子「いや、まっとって、50回は盛った…40回くらいや」
隼「増減の幅よ」
周囲、爆笑。
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◆ 夕食の大宴会
旅館の広間では、海の幸がずらり。
隼は初めて見る“ピーチ三家族フルメンバー”に、
すでに圧倒されていた。
美香「隼くん、座って座って。ここ安全地帯やけん」
隼「安全地帯…?ってどこですか?」
春介「お母さん、隼さんその席ぜんぜん安全地帯じゃないよ」
春海「うん、むしろ“被弾ポイント”」
次の瞬間、
悠翔と彩羽が隼の膝にダイブ。
悠翔「おにーしゃん、むぎゅぅぅ〜〜!!」
彩羽「あやばも〜!!おにーしゃ〜ん!!」
隼「え、えっと!? あ、ありがとう…?」
祥子「(笑顔)ほら言ったやろ。最初に狙われるのは“新加入のお兄ちゃん”やけん」
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◆ 爆笑通信・川内支部
食後は恒例の爆笑通信。
門司港・佐伯・国分につづき、今夜が3回目。
この夜は全世界の支部&各国ファンも接続。
光子「はい、みなさ〜ん!こちら川内〜!今夜も爆笑発電所、本線急増中!」
優子「まずは新規加入のお兄ちゃん、白石隼くん紹介するよ〜!」
隼「し、白石隼です…よろしくお願いします…」
――その直後。
陽翔「しらいしにーしゃん、かっこいい!!」
結音「ねぇ、恋バナは? しょこおばちゃんとの!!」
燈真「とんま、聞きたいー!」
灯乃「どうやってちゅーしたと〜?」
彩羽「あやばも知りたい!」
悠翔「ひーちゃんも!!」
隼「え、え、え!???」
祥子「ちょっとぉぉぉ!!やめんかぁぁぁ!!」
全支部、腹筋崩壊の大波。
海外支部からもコメントが。
■アルゼンチン支部
「ショーコ&ハヤト、キスインタビュー!?(爆笑)」
■ウクライナ支部
「この子たち質問の角度エグい(涙笑)」
■バンクーバー支部
「今夜は川内で死人が出る(腹筋死)」
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◆ 夜、部屋に戻って
隼は寝る前、そっと祥子の横でつぶやいた。
隼「…君の“家族”って、すごいな」
祥子「うん。たまに“世界最強”って思う」
隼「俺、ちゃんとついていけるかな」
祥子「だいじょうぶ、ここに来る人はみんな“腹筋の強化”から始まるけん」
隼「それ筋トレの話…?」
祥子「半分はね。もう半分は“心の耐久力”よ」
隼は笑い、祥子の手を握った。
祥子「ありがとう。来てくれて」
隼「こちらこそ」
部屋の外では――
陽翔&結音「しょこおばちゃーん!!明日は一緒に座れるー?!」
燈真&灯乃「おにーしゃーん!!今日のデザートの続きするー!?」
悠翔&彩羽「むぎゅ〜〜!!むぎゅぎゅ〜〜!!」
祥子「……ほらきた」
隼「(笑)やっぱり最高だね、この家族」




