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美香と光子と優子の爆笑ストーリー。光子と優子29歳  作者: リンダ


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肥後祥子、逆境をぶち破った “金メダルの1秒”



◆ オリンピック女子フルマラソン


肥後祥子、逆境をぶち破った “金メダルの1秒”


南アフリカ・ヨハネスブルク

真夏の日差しが照りつける42.195kmの過酷なコース。


その先頭集団の中に――

ひときわ静かな闘志を燃やす日本人ランナー、肥後祥子(29) の姿があった。



◆ かつての地獄


実況

「肥後祥子、よくここまで来ました……!

 彼女は数年前、交際相手からの暴力によって

 顔も胸も青あざだらけになり、走るどころか

 “歩くこともやっと”という時期がありました」


解説

「それでも祥子選手は、

 “あの日の自分を置いていかないため”と言って

 ひとりで走り出したんです。

 彼女は走って、走って……

 “過去そのもの”から逃げずに勝ちに行った選手なんです」


走るたび、

震える脚をかばうように、

だけど一歩一歩は “正確なリズム”。


まるで「生きる」ことを

そのまま刻むような、研ぎ澄まされたピッチだった。



◆ 30km地点


先頭はケニア2名、エチオピア1名、そして祥子。


暑さで周囲が脱落していくなか、

祥子のフォームだけは まったく崩れなかった。


実況

「肥後、まだ呼吸に乱れがない!

 すごい……! これは、本当にメダルが見えてきた!」


35km、40km……

呼吸が荒くなるたび、祥子は小さくつぶやく。


祥子

「――負けない。

  あの時の私にも、

  今日の私にも。

  負けない……!」



◆ そして、競技場へ


観客

「ショウコォォォ!!!」

「行けぇぇ日本ーー!!!」


スタジアムに響き渡る大歓声。


ラスト400m。


ケニアの選手が先頭、

祥子は 1秒〜2秒ほど後ろ につける。


実況

「ここから!!!

 ここからだ肥後!!!!

 人生で一番長くて、

 人生で一番短い“400m”だ!!!」



◆ ラスト直線


解説

「肥後のピッチが上がっている!

 これは……まだスプリントが残っている!!」


観客総立ち。


そのとき――

祥子の脳裏に、

かつて自分を殴りつけた男の顔がふっとよぎる。


そして、それを打ち消すように、

今の自分の背中を押す家族、仲間、ファンの笑顔が溢れてくる。


祥子

「あなたにはもう、

 私を止められない」


ドンッ!!!


トラック中央、

加速の“音”が聞こえた。


実況

「来たああああああ!!!

 肥後祥子!!

 ケニアの選手に並んだッ!!!」


解説

「このスパート、世界でも数人しかできない!!

 全身の筋繊維を千切る覚悟がないとできない動き!!」


ケニア選手も必死で応戦する。


残り50m、

両者まったく並んだまま。


残り20m、

少しだけ――少しだけ祥子が前に出た。


残り10m。


実況

「抜いた……!

 抜いたああああああああああッ!!!」



◆ そして、フィニッシュライン


1秒差。


審判のボードに表示される。


1位 日本:肥後 祥子 2:24:11

2位 ケニア 2:24:12


その瞬間、

祥子はへたり込むように膝をつき、

両腕で顔を覆って泣いた。


泣いて、泣いて、泣いた。


解説者の声も震えていた。


解説

「……生きようとした人間の強さ。

 あの日、生きることをやめなかった彼女が、

 このフィニッシュに立っている……

 本当に……本当にすごい……」



◆ 表彰式


国歌が流れると、

祥子は涙と笑顔が入り混じった顔で胸に手を当てる。


メダルを首にかけられた瞬間、

一度だけ空を見上げ、そっとつぶやいた。


祥子

「私は、もう大丈夫。

 私は、私の人生を走っていくから――」



◆ その夜、日本中が泣いた


SNSはもちろん、

ニュース番組でも

**“1秒の奇跡” “復活の金メダル”**として大きく取り上げられる。


光子

「祥子さんの粘り……あれはもう、魂のランよ……!」


優子

「うちも泣いた……もうメイク全部落ちたし……!」


春介

「ラストのスパート、鳥肌やばかった……」


春海

「1秒で勝つって、ほんとにあるんやね……」


陽翔・結音

「しょうこさん、かっこよかったぁぁ!!」


幼い子どもたちまで

感動して涙目になるほどだった。




ヨハネスブルク・オリンピック

女子マラソン表彰式のあと。

まだ汗が乾ききらないまま、

金メダルを首に下げた肥後祥子が、インタビューボードの前に立つ。


マイクを持つのは、日本のアナウンサー。



◆ 前半:感動編


アナウンサー

「金メダルおめでとうございます!!

 42.195km、最後の最後でケニアの選手をかわしての勝利でした。

 今のお気持ちを、率直に聞かせてください」


祥子

「ありがとうございます……。

 正直、まだ夢みたいで、膝が震えてます」


(少し笑いが起きる)


祥子

「でも、ゴールテープを切った瞬間に、

 **“生きててよかった”**って、心の底から思いました」


アナウンサー

「“生きててよかった”――

 その言葉には、きっと深い意味があると思います。


 祥子さんは、過去にとてもつらい経験をされて、

 そこから走り始めたと聞いています」


祥子

「はい……」


一瞬、息を整え、まっすぐカメラを見る。


祥子

「数年前、

 SNSで知り合った男性に、

 無理やり性的な関係を迫られて、

 拒んだら、殴られて……

 なんとか逃げてきました。


 顔も体も、傷とあざだらけで、

 心もボロボロで……

 “私、なんで生きてるんだろう”って、

 毎日、そればっかり考えていました」


会場が静かになる。


祥子

「そんな時、逃げ込んだ先の路地で、

 たまたま通りかかったのが――

 光子さんと優子さんだったんです」


アナウンサー

「M&Yのお二人ですね」


祥子

「はい。

 あの時、お二人は

 “なんか怪しい男おるぞ、挟み撃ちするばい!”って……

 私をかばうように前に出てくれて。


 警察を呼んでくれて、

 私の手をぎゅっと握って、

 『あんたは悪くないけん。悪いのは全部あいつやけん』

 って、何度も何度も言ってくれました」


目のふちに涙が浮かぶ。


祥子

「傷だらけで、ボロボロで、

 自分の価値なんかゼロだと思っていた時に、

 あの二人が――


 **“生きててくれてありがとう”**って言ってくれたんです。


 そこから、

 “もう一回、自分の足で立ちたい。

 自分の人生を自分で走りたい”って思って、

 走ることを選びました」


アナウンサー

「その先に、この金メダルがあるんですね」


祥子

「はい。

 だからこれは、

 当時の私みたいに、

 傷ついて、ひとりで泣いてる誰かに向けたメダルでもあります。


 “あなたは悪くない。

 あなたの人生は、ここで終わりじゃない”

 って、伝えたいです」


会場から自然と拍手が起きる。

何人かの記者も、目元をぬぐっている。



◆ 後半:ここから爆笑優勝インタビュー


アナウンサー

「……ありがとうございます。

 とても重くて、でも力強いお話でした。


 では、ここからは――

 少し空気を変えて伺いたいと思います。


 ラストのトラック勝負、

 あの“鬼のようなスパート”の時、

 頭の中では何を考えていたんでしょうか?」


祥子

「あれですか? 正直に言っていいですか?」


アナウンサー

「ぜひ、正直にお願いします」


祥子

「えっとですね……


 “ここで抜かれたら、

 優子姐さんの3時間説教が待っとる……!!”

 って考えてました」


会場:

\ドッカーン/


アナウンサー

「そこ!?(笑)」


祥子

「いや、マジなんですって!(笑)


 レース前日も、優子さんからビデオ通話で、

 『よかね? 逃げたら一生言うけんね?

 うちの旦那と拓実と一緒で、最後まで粘ったやつが勝ちやけんね?』

 って、すっごいニコニコしながらプレッシャーかけられて(笑)」


アナウンサー

「優子さん……やっぱり怖い(笑)」


祥子

「だから最後の直線でケニアの選手見た時、


 “ここで諦めたら、

 『あんた、そこでなんで一歩出らんやったと!?』って

  一生ネタにされる……!!


 って思って。

 そしたら、脚が勝手に動きました(笑)」



アナウンサー

「では、30〜35kmあたり、

 みなさんが苦しくなるところでは、

 どんなことを?」


祥子

「あそこはですね……


 光子さんのギャグが

 ずーっと頭の中で再生されてました」


アナウンサー

「え?」


祥子

「“洗濯機プリン事件”とか、

 “鼻からスポドリ噴射事件”とか、

 あれ思い出したら、

 苦しくても笑いそうになって、

 呼吸が乱れるからあぶなかったです(笑)


 でも逆に、

 “笑えるくらい、まだ余裕あるやん自分”

 って確認にもなって。


 だから、

 M&Yのギャグは高地トレーニングより効きますね(笑)」


会場:爆笑と拍手。



アナウンサー

「じゃあ、金メダルの秘訣をひと言で言うなら?」


祥子

「そうですね……」


少し考えて、にやりと笑う。


祥子

「“しぶとさ”と“ツッコミへの恐怖心”ですかね(笑)」


アナウンサー

「新しい(笑)」


祥子

「しぶとく諦めんこと。

 あとは――

 優子姐さんにネタにされたくない一心で頑張ること。

 これ最強です」



◆ 未来へのメッセージ


アナウンサー

「最後に、

 世界中でこのレースを見ていた女性たち、

 そして、過去の祥子さんのように

 苦しんでいるかもしれない人たちに、

 メッセージをお願いします」


祥子

「はい」


表情を少し引き締めて、

でも、口元には優しい笑みを浮かべて。


祥子

「さっきも言いましたけど……


 **“あなたは悪くない”**ってことを、

 本当に忘れないでほしいです。


 誰かに傷つけられたからって、

 あなた自身の価値が傷ついたわけじゃない。


 私も一度は、

 “もう終わりだ”って思ったけど――

 光子さんと優子さんが笑いながら、

 『生きとってくれて、ありがとうね』って言ってくれて。


 そこから、少しずつ前に進めました。


 だから、

 しんどかったら逃げていいし、

 助けを求めていいし、

 誰かに“助けて”って言っていい。


 もし、“それでも一歩だけ前に行けそう”って思えたら――

 その一歩分だけでいいから、

 自分のペースで歩いて、走ってほしい。


 もしかしたらその先に、

 今日みたいに

 “あ、私、生きててよかった”って思える瞬間が

 待ってるかもしれないから」


一拍おいてから、

少しだけおどけた顔で付け足す。


祥子

「それと……

 もしどこかで、

 ツインテとポニテの爆笑姉妹に遭遇したら、

 全力で頼ってください。


 たぶん、

 警察より先に走って助けに来てくれますから(笑)」


会場:大きな笑いと拍手。


アナウンサー

「感動と笑いを、本当にありがとうございます!

 女子マラソン金メダリスト、

 肥後祥子選手でした!!」


祥子

「ありがとうございました!」



こうして彼女の勝利インタビューは、


前半は

**“性暴力を受けた生存者としての真摯な言葉”**が多くの人の胸を打ち、


後半は

**“M&Yに鍛えられた、しぶとく明るいギャグ”**で

日本中・世界中を笑わせるという、


“肥後祥子らしい”

涙と笑いのミックスインタビューとして

長く語り継がれていくことになる。


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