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美香と光子と優子の爆笑ストーリー。光子と優子29歳  作者: リンダ


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58/96

柳川 拓実(日本) vs リム・ウェイシン(シンガポール)

 ◆ 男子シングルス決勝


 柳川 拓実(日本) vs リム・ウェイシン(シンガポール)


 場内アナウンス

「メンズ・シングルス、ゴールドメダルマッチ!」


 相手は、

 シンガポールのエース・リム。


 回転のキレがエグいサーブ

 安定した両ハンドドライブ

 メンタルも強く、粘りまくるタイプ

 ◆ 試合展開ざっくり


 1ゲーム目:

 リムのサーブと台上テクニックに翻弄され、

 9-11でリム先取。


 2ゲーム目:

 拓実がレシーブを修正、

 3球目攻撃で主導権を握り 11-7。


 3ゲーム目:

 お互いブレイクの取り合い、

 最後はリムの強打が決まって 10-12。


 4ゲーム目:

「このセット落としたら終わる」という場面で、

 拓実が強気のバックハンドを連発。

 11-8で取り返し、2-2。


 5ゲーム目:

 どちらも譲らず 13-11で拓実。

 しかし6ゲーム目を 9-11 で落とし、

 3-3。


 そして――


 ◆ 最終ゲーム(第7ゲーム)


 スコアは、気づけば 20-20。


 会場は総立ち。

 ラリー1本ごとに悲鳴と歓声が入り混じる。


 タイムアウト明け、

 タオルで顔を押さえながら、

 拓実は目を閉じる。


(優子、何て言いよったっけ……)


 ――少し前。

 出発前のリビングで。


 優子

『あんたね、ミス怖がってラケット止めたら、

 その瞬間に負けやけんね。

 振り抜いて負けたら、うちは怒らん。

 ビビって止めたら、説教3時間コースばい。』


 拓実

『それ、勝っても負けても地獄やない?』


 優子

『よかけん、前に前に振り抜いてこんかい。』


 ……その声が、耳の奥によみがえる。


 拓実

(そうやった。ビビって止めるのが一番ダサい。

 怒られたくなかったら、止めるな、振り抜け。)


 ◆ 20-20――運命のラリー


 リムのサーブ。

 回転の分かりづらい横下回転。


 拓実、ギリギリまで引きつけて――

 迷わずバックで振り抜く。


 ガツッ……!


 ボールは、

 ネット際ギリギリで卓球台の“エッジ”をかすめ、

 角度を変えて相手コートへ。


 リム

「……っ!」


 どうにもならないコース。

 審判が即座にコール。


「エッジボール! ポイント ジャパン!」


 スコア:21-20(拓実のチャンピオンシップポイント)。


 ◆ 3球目攻撃――フィニッシュ


 拓実サーブ。

 ここで選んだのは、

 フォア前ギリギリに止まる、キレッキレの横下回転。


 リムは、迷いつつも

 フォアでフリックしてくる――

 その瞬間。


 拓実

(これや!)


 半歩回り込んで、

 “三球目攻撃”フルスイング。


 フォアドライブが

 対角線の深い位置へ刺さる。


 リムのラケットは、

 ボールにかすりもせず――


 試合終了。


 主審

「ゲーム、セット、アンドマッチ!

 柳川! 4-3!!」


 観客席、日本ベンチ、総崩れ。

 拓実は天井を見上げ、

 こぶしを高く突き上げた。


 男子シングルス、金メダル。


 ◆ 優勝インタビュー(拓実)


 インタビュアー

「おめでとうございます!

 壮絶なフルゲーム、ファイナルゲーム20-20からの勝利でした。

 今のお気持ちは?」


 拓実

「しんどかったです。正直。

 でも……最後までラケットを振り抜けてよかったなって思ってます。」


 インタビュアー

「20-20の場面では、何を考えていましたか?」


 拓実

「優子に言われたことを思い出しました。

 “ビビってラケット止めたら説教3時間”って……」


 会場、ドッと笑い。


 拓実

「だから、

 **『怒られたくなかったら、とにかく振り抜け』**って。

 あの一言が背中押してくれましたね。


 ――これで、とりあえず

 優子に怒られずに済みました。

 まずは“ちゅ〜ポイント”1ゲット〜。」


 会場:大爆笑&拍手。


 インタビュアー

「“ちゅ〜ポイント”ですか?」


 拓実

「ええ。

 これから団体戦もあるんで、

 ちゅ〜ポイント、もっと貯められるようにがんばります」


 ◆ 女子シングルス決勝


 三浦 結衣(日本) vs 張 玲(中国)


 女子は、最強王国・中国が相手。

 張 玲は、世界ランク1位。

 スピード・パワー・精度、すべて一級品。


 ◆ 試合は当然のようにフルゲーム


 1ゲーム目:張の圧力に押され 7-11。

 2ゲーム目:結衣の台上テクニックが光り 11-8。


 3ゲーム目:ラリー戦で張が押し切り 9-11。

 4ゲーム目:結衣がコース配分を変えて 11-6。


 5ゲーム目:互角の打ち合いを張が 10-12。

 6ゲーム目:結衣、サービスからの展開を磨き 11-9。


 そして、最終ゲーム。

 男子と同じく“世界の頂上決戦”は、

 当然のようにデュースへ。


 ◆ 最終ゲーム 終盤


 スコア 9-9 → 10-10 → 11-11……

 止まらないデュースの応酬。


 ベンチに戻って、

 結衣は深呼吸を一つ。


(拓実さんも、優子ちゃんに怒られたくなくて

 振り抜いたんよね……

 じゃあ私は、“自分の卓球を好きでいたい”ために振り抜こう。)


 コーチ

「三浦。悔いが残らんように、

 一番好きなボール打ってこい。」


 結衣

「はい。」


 ◆ 20-20 → 決着


 張のサーブ。

 回転の読みにくい横上回転。


 結衣は、

 一瞬だけ躊躇して――その躊躇を、自分で笑う。


(迷ったらダメ。前に、前に)


 バック側に来たボールに対し、

 ぐっと腰を落として――


 バックハンドカウンター。


 角度のない、

 鋭いストレート。


 張のラケットは届かず、

 ボールがサイドライン際に吸い込まれる。


 主審

「ポイント ジャパン!」


 21-20(結衣のチャンピオンシップポイント)。


 最後のポイント、

 張の強打を結衣がブロックでコースを変え、

 ツッツキで揺さぶり、

 甘く浮いたボールに――


 もう一度、

 バックハンド。


 今度はクロス。

 ネットすれすれで突き刺さる。


 張のラケットは、

 ほんの数センチ届かなかった。


 主審

「ゲーム、セット、アンドマッチ!

 三浦! 4-3!!」


 女子も、日本が金メダル。


 ◆ 優勝インタビュー(結衣)


 インタビュアー

「三浦選手、おめでとうございます!

 中国のエースとの大激戦、見事な勝利でした。

 今のお気持ちは?」


 結衣

「ありがとうございます。

 ただ、ただ……今は“打ち切れた”ことが嬉しいです。

 途中で怖くなる場面もありましたけど、

 最後まで前に出るって決めてたので。」


 インタビュアー

「20-20からのバックハンドは見事でした。

 何か意識していたことは?」


 結衣

「拓実さんが先に金メダル獲って、

 “ちゅ〜ポイント1ゲット〜”とか言ってたじゃないですか」


 会場、爆笑。


 結衣

「正直、“ずるいな”って思ったんで、

 私も旦那にご褒美ちゅ〜おねだりできるように、

 最後まで振り抜こうって。」


 インタビュアー

「ここにも“ご褒美ちゅ〜”が(笑)」


 結衣

「はい。

 でも一番は、

 自分が胸張って“やりきった”って言える卓球ができたこと。

 その上で、旦那にちょっとくらい甘えてもいいかなって思ってます」


 ◆ 日本・柳川家リビング


 テレビから、

 拓実の「ちゅ〜ポイント1ゲット〜」

 → 結衣の「ご褒美ちゅ〜」まで全部流れる。


 優子

「……あんたら夫婦、揃いも揃って何言いよるとね……」


 結音

「パパ、ちゅ〜ポイントいっぱいになったと?」


 灯乃

「ママは、パパになんちゅ〜する? ほっぺ? くち?」


 悠翔

「おねーしゃん、ちゅ〜!!(関係なく突進)」


 優子

「ひとまず言っとくけど……

 金メダル2枚分の説教は、ちゃんとするけんね。

 その上で“ちゅ〜ポイント”は考えちゃる。」


 結音&灯乃

「ママ、ツンデレ〜〜!!」

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