テニス 準決勝
◆ 北・南アリーナ(ヨハネスブルク)
テニス 準決勝
気温34度、乾いた熱風が吹くセンタースタジアム。
ここから先は、勝てば確実にメダル。
負ければ“メダルなしの4位”もあり得る、
五輪の最も残酷なラウンド。
観客席は、
南アフリカ国旗・日本国旗・各国サポーターの声で揺れていた。
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◆第1試合:男子シングルス準決勝
青柳 翼(日本) vs ピエール・マロン(フランス)
ピエールは、全仏でベスト8、
強烈なトップスピンと、
尋常じゃない走力を誇るフランスの新エース。
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● 第1セット
ピエールの“エッグボール”が暴れ、
翼はベースライン後方に押し下げられる。
実況
「マロンのスピンが高い!
あれは普通の選手なら打点が狂います!」
翼
(いや、むしろここからだ)
高く跳ねるスピンを、
翼は落ち際に叩きつける“低軌道カウンター”で対抗。
だが、互いにキープが続き、
最後はピエールがタイブレークを制す。
6-7(4) ピエール先取。
優子家リビング
結音「つばさおじちゃんがんばれ〜〜!!」
灯乃「がんばれ〜〜〜!!」
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● 第2セット
翼が戦術を変える。
スライス+ドロップ+緩急の地獄セット。
翼
(相手の脚を…奪う!)
* 深いスライスで下げ
* ドロップで前へ
* ロブでまた後ろへ
* さらにコーナーへ叩く
前後左右の“4方向地獄”で、
ピエールの息が徐々に荒くなる。
実況
「マロン、呼吸が乱れてきました!
青柳選手はスタミナを削っている!!」
セット後半、
翼が2回のブレークに成功し 6-3。
1-1 に戻す。
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● 最終セット(3セット目:スーパータイブレーク方式)
観客総立ちの大死闘。
ピエール
「あと少し……!」
翼
「まだよ。まだ…終わらせん!!」
10ポイント制のスーパーTBは、
まさに“意地と意地”のぶつかり合い。
* 1-1
* 3-3
* 5-5
* 7-7
* 9-9
ここで翼のサーブ。
だが、ピエールの読みが当たり、
深いリターンで 9-10(相手マッチポイント)。
光子(現地観戦)
「つばさっ…!!」
翼
(ここで引かん。前へ出る!!)
ピエールのセカンドサーブに対し、
翼は“エアKばり”の高速踏み込み。
実況
「青柳!!前に入った!!」
超前傾ポジションから――
バコォンッ!!
ラインぎりぎりに突き刺さる
“逆転のリターンエース”。
ピエール
「…Incroyable(信じられない)…!」
スコア
10-10 → 11-10(翼MP)
そして最後は、
ラリーを耐え、耐え、耐え、
浅く浮いたボールに――
バックハンドのダウン・ザ・ライン!!
12-10。
翼、決勝進出!!
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◆第2試合:女子シングルス準決勝
水川 玲奈(日本) vs ヴァニア・ドラガン(セルビア)
ヴァニアは“セルビアの炎”。
・強烈サーブ
・鉄壁の守備
・粘りの鬼
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● 第1セット
まさに体力勝負。
ラリーは20本、30本当たり前。
あまりのラリーに観客がどよめく。
玲奈
(呼吸、整える……!)
要所でドロップが決まり、
第1セットを 6-4 で取る。
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● 第2セット
逆にヴァニアがギアを上げる。
玲奈の深いボールを拾い続け、
強打で押し切られ 3-6。
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● ファイナルセット(スーパーTB)
翼の試合に負けず劣らず、
こちらも壮絶な戦い。
* 2-2
* 4-4
* 6-6
* 8-8
玲奈
(ここで、狙う!)
ヴァニアの深いサーブを、
玲奈はフォアで回り込み、
腕のしなりを最大限生かした“巻き込みリターン”。
ライン上に着弾。
実況
「水川のリターンエース!!
勝負どころで決めました!!」
9-8(玲奈MP)
そして最後は、
ヴァニアのストレートへの強打を予測し――
ショートクロスへカウンター!!
10-8。
玲奈、決勝進出!!
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◆ 日本選手団席
翼&玲奈が同時に勝ち、
日本チームが歓喜に沸く。
拓実
「すげぇ……フルゲームを両方制すとは。
青柳家、やっぱり化けもんやな」
優子
「いやあんたも化けもんやけんね?」
光子
「次は、金メダル決勝……。行こ、翼!!」
玲奈
「お義姉ちゃん、見とってね!決勝も勝つけん!」
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◆ オリンピック・テニスセンター
ミックスダブルス準決勝
青柳 翼 & 水川 玲奈(日本)
vs デミトロフ & イワノワ(ブルガリア)
ブルガリアペアは、
・男子デミトロフ:ビッグサーブ&豪打
・女子イワノワ:ネット前の反射神経オバケ
という、教科書みたいな“攻撃型ミックス”。
アナウンサー
「ここで勝てば、ミックスも決勝進出。
翼選手・玲奈選手にとって、
トリプルメダルも見える大一番です!」
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◆ 第1セット:ブルガリアの“砲撃”
立ち上がりから、
デミトロフのサーブが火を噴く。
230km近いフラットサーブ、
そこからイワノワが一気にネットへ。
* サーブ→ボレー
* ちょっと浮いたら即ポーチ
* コースも読まれ気味
翼
(おぉ〜、これはなかなかの“砲撃ペア”やね)
玲奈
「まだ我慢ゾーン。
“コースを覚える時間”やけん。」
それでも、
第1セットは押し切られ 4-6。
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◆ 第2セット:前後左右に走らせる“消耗戦”
ベンチに戻ってすぐ、
玲奈がタオルを首にかけながらボソッと。
玲奈
「前後左右、全部走らせよ。
あのサーブは消されんけど、脚は削れる。」
翼
「了解。じゃあ、“脚ガリガリ大作戦”開始やね」
第2セット、
日本ペアの配球が一気に変わる。
* デミトロフには、深いスピンから逆クロス
* イワノワには、足元&頭上ロブの繰り返し
* ときどきドロップで前におびき出す
前、後ろ、右、左。
ブルガリアの二人は
コートの中を文字通り「走らされ続ける」。
アナウンサー
「ブルガリアペア、足が止まり始めています!
青柳・水川ペアの“スタミナ削りテニス”が効いてきました!」
中盤で連続ブレークに成功し、
6-3。
セットカウント 1-1、勝負は最終へ。
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◆ 最終セット:スーパータイブレークの撃ち合い
10ポイントのスーパータイブレーク。
ミス一つがメダルに直結する、極限の世界。
・3-3
・5-5
・7-7
どちらも一歩も譲らない。
デミトロフのサーブからの
“弾丸ストローク”を、
翼はギリギリのスライスでしのぎ、
玲奈がネット前で必死にボールを拾う。
玲奈
(ここで折れたら、絶対後悔する…!)
イワノワ
(あと一歩、あと一押し…!!)
スコアは 8-8。
ここでデミトロフのセカンドサーブ。
わずかに回転が浅い。
翼
(今や――!)
普段より半歩前に詰め、
体重を全部ボールに乗せた、
フルスイングのバックハンドリターン。
――バシュッ!!
サイドラインぎりぎり、
ブルガリア側コーチ席の前に突き刺さる。
アナウンサー
「リターンエース!!
青柳、ここで勝負球を決めた!!」
9-8(日本マッチポイント)。
最後のポイント、
ラリーの末にイワノワのボレーがわずかにアウト。
主審
「Game, set, match, Aoyagi / Mizukawa!
4-6, 6-3, 10-8!」
日本ベンチ総立ち、
翼と玲奈はネット前でハイタッチ&ハグ。
これでミックスも決勝へ。
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◆ 爆笑勝利インタビュー
コートサイドの椅子に座ったままマイクが向けられる。
インタビュアー
「青柳選手、水川選手、
ミックスダブルス決勝進出おめでとうございます!
ファイナルセットは10-8、大接戦でした。
まずは率直に、いまのお気持ちを!」
翼
「いや〜……しんどかったです。
あの二人、ボール速いわ、脚速いわ、
生身の人間なんかなって思いましたもん」
観客:クスクス。
インタビュアー
「勝てた要因はどこにあったと思いますか?」
翼
「うーん……
“走らされたのは相手のほうが多かった”ってことですかね。
あと――」
一瞬、ニヤッとする。
翼
「決勝で勝ったら、
嫁(光子)に“ちゅ〜ボーナス3回分”って約束してもらったんで、
ここで負けるわけにはいかんかったです。」
観客
「うおおおおお!!(爆笑&歓声)」
インタビュアー
「3回分!?」
翼
「ええ。“金メダル=ちゅ〜3回”という
非常に分かりやすいインセンティブがありまして」
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続いて玲奈
インタビュアー
「水川選手も、素晴らしいネットプレーでした。
勝因はどう感じていますか?」
玲奈
「そうですね……
**“欲張り夫婦の物欲と色欲”が勝ちましたね。」
会場:ドッと笑い。
インタビュアー
「ど、ど、どういう意味ですか?」
玲奈
「だって、拓実さんも卓球で
『優子ちゃんにちゅ〜ねだろうかな』って言ってたでしょ?
こっちはこっちで、
決勝で勝ったら、うちも旦那に“ご褒美お願いセット”考え中です。
“ちゅ〜3回”とか、“旅行+ちゅ〜”とか?」
翼
「玲奈さん、それ以上は家庭会議案件になるんで……!」
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◆ 日本・青柳家リビング
ちょうどテレビから、
翼の「ちゅ〜ボーナス3回分」発言が流れる。
光子
「……」
陽翔
「ママ、パパ、ちゅ〜3回してもらうと?」
燈真
「パパ、ちゅ〜3回でがんばったと? すご〜い!」
彩羽
「ちゅ〜!!(両手をあげて突進)」
光子
「……うちの旦那、アホや。
国際放送で何言いよるとね、ほんとに……!」
でも、口元はどう見ても笑っている。
翼のコメントを見ていた優馬が
隣でニヤニヤしながら、
優馬
「まぁでも、あいつなりの“家族の守り方”かもしれんぞ?
笑わせて、メダル獲って、ちゅ〜もらって。完璧やん」
美鈴
「ちゅ〜は余計やけどね」
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◆ 柳川家リビング(オマケ)
優子
「……あの家、やっぱり夫婦でアホや……」
結音
「でもママも、パパに“ちゅ〜ご褒美”って言いよったやん?」
灯乃
「“アホ夫婦”って、ちょっと憧れるかも〜」
悠翔
「おねーしゃん、ちゅ〜!!」
(また結音と灯乃に突進)
優子
「やめんかーーい!!」
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