ヨハネスブルク・卓球会場 混合ダブルス 1回戦
◆ ヨハネスブルク・卓球会場
混合ダブルス 1回戦
柳川 拓実 & 三浦 結衣(JPN) vs ドイツペア
アップを終えて、
ミックスダブルス用のコートに立つ拓実と結衣。
結衣
「さ、三大会連続“夫婦漫才ミックス”いきますか」
拓実
「まだ籍入ってませんからね?」
結衣
「プレー上はもう“夫婦感”出とるけどね?」
拓実
「それは否定できん」
二人のやりとりに、
コーチ陣もスタッフも苦笑い。
でも、表情はリラックスしている。
対するは、
ドイツの強豪ペア。
男子はパワー系、女子は台上の巧さに定評があるコンビだ。
レフリー
「ラブオール。プレイ!」
◆ 1ゲーム目:日本ペア、テンポで圧倒
最初のサーブは結衣。
軽くトスを上げて、
相手フォア前に短く、キレのある横回転サーブ。
解説
「出ましたね、三浦選手の代名詞。
“触った瞬間に後悔する”やつです」
ドイツ女子がツッツキで返したボールを、
拓実がすかさずバックハンドで逆クロスへ。
男子のほうが飛びつくが、
ラケットの先にかすってオーバー。
結衣
「ナイッシュー!」
拓実
「ナイス布石」
続くポイントも、
・結衣の台上技術で甘いボールを引き出し
・拓実が3球目、5球目で仕留める
という“おなじみの方程式”が、
丁寧に、でも容赦なく繰り返されていく。
ドイツペアも、
パワーで打開を図ろうとするが、
日本ペアは回転とコースでそれを吸収していく。
アナウンサー
『柳川・三浦ペア、ほとんど危なげがありません!』
1ゲーム目 11-5 JPN。
◆ 2ゲーム目:ドイツが強打に出るも…
2ゲーム目、
ドイツは男子の強打を前面に出してきた。
男子サーブからの3球目一発。
威力は十分、
会場も何度か大きなどよめきを上げる。
が――
日本ペアの側にも“調整済みの答え”があった。
結衣
「たっくん、ちょっとだけ下がり目で受けて。
回転、ちょい増やしモードで」
拓実
「了解。
“ブレーキとカウンター”セットでいきます」
以降、拓実は一歩下がって、
相手のパワードライブをブロック。
ただのブロックではなく、
回転を乗せて深く返し、
逆にドイツ側のミスを誘う。
そして甘くなったボールは、
結衣が鋭いバックハンドでクロスに突き刺す。
解説
「いやぁ……
“勢い vs システム”って感じですね。
ドイツのパワーに対して、
日本ペアは“計算された対応”で押し返している」
スコアはじわじわ開き、
2ゲーム目 11-6 JPN。
◆ 3ゲーム目:遊び心も少しだけ
3ゲーム目。
リードをもらって、
拓実と結衣の表情に、ほんの少し“遊び心”が混ざる。
結衣がタイムの合間に小声で言う。
結衣
「たっくん、1本だけ“あのフォアカウンター”やってよ」
拓実
「え、どの?」
結衣
「この前のリーグでやった、
“相手のドライブを上書きするやつ”」
拓実
「了解。チャンスが来たらね」
その数ポイント後。
ドイツ男子が、
全力のフォアドライブでクロスへ。
観客が「おおっ」と声を上げる、その瞬間――
拓実のフォアが、その上からさらに被せるように走った。
ビターン!!
アナウンサー
『うわあああ!! これはすごい!!』
解説
「きましたね、柳川の“カウンター上書き”!
一度決まると、相手からしたら心が折れる1本です」
そのまま、流れを渡さず――
3ゲーム目 11-4。
ストレート勝ち。
拓実&結衣
「ありがとうございました!」
◆ 同じ頃・テニス混合ダブルス会場
混合ダブルス 1回戦
青柳 翼 & 上原 玲奈(JPN) vs カナダペア
場所は変わって、テニスのサブセンターコート。
翼のミックスダブルスの相方は、
かれこれ10年以上ペアを組んでいる女子ダブルスの名手・上原玲奈。
ツアーでも何度も優勝している、
“日本ミックスの鉄板コンビ”だ。
玲奈
「さて、ヨハネスでも“夫婦漫才ミックス”やりますか」
翼
「おい、そっちもそれ言うんかい」
玲奈
「大丈夫、戸籍はまだ別々だから」
翼
「安心していいのか、それ」
相手は、
カナダの実力派ペア。
男子はサーブ&ボレー、
女子はストロークが武器のオールラウンダー。
でも――
コイントス後の、
レシーバーに入る翼と玲奈の立ち姿は、
どこか“ホーム感”すら漂っていた。
◆ 序盤:サービスゲームを“教科書通り”に崩す
試合開始。
カナダ男子のサーブから。
最初は、
200km/h近いフラットサーブで押し込まれ、
1ポイント目はサービスエース。
玲奈
「ん〜、いいサーブ」
翼
「うん。
“次からどう崩すか楽しみなタイプ”のいいサーブやね」
2ポイント目。
翼はリターン位置を外に少し広げ、
あえてワイド側を見せる。
カナダ男子
(またワイドでエース取ったる)
が――
翼の読みは、
完全にそこに合っていた。
ワイドへのフラットサーブを、
タイミング早めに捕えて逆クロスへ。
足元に沈むリターン。
カナダ男子
(うわっ、低っ……!)
後ろに下がらざるを得ず、
ネットへ詰め切れない。
そこを玲奈が、
フォアのダウン・ザ・ラインで抜いた。
玲奈
「ナイッリターン!」
翼
「ナイスフィニッシュ」
以降、
・翼がサーブの読みとリターンで主導権を握り
・玲奈がネット前でエグい角度をつくる
という、“長年のテンプレ”が火を噴く。
第3ゲームであっさりブレイクを奪い、
そのまま第1セット 6-2。
◆ 第2セット:円熟コンビ vs 新鋭ペア
第2セット。
カナダペアは女子のストローク戦を増やしてきた。
ベースラインでの打ち合い。
一見、“若さとパワー”のカナダ女子が有利に見える。
しかし――
玲奈は、そのパワーを利用するのが抜群にうまい。
浅めのボールをわざと打ち、
前におびき寄せ、
その上をストレートロブで抜く。
玲奈
「ごめんね〜、ちょっと意地悪ロブで」
翼
「性格出とる」
翼も、
相手男子のポジションを見ながらサーブを散らす。
ワイドにスライス → 男子を外に引っ張る
その次のポイントで、女子のバック側へキックサーブ
返ってきた甘いボールを、玲奈がボレーでフィニッシュ
アナウンサー
『いやぁ……“経験値の暴力”ですね』
解説
「コンビネーションが完成されすぎていて、
カナダペアが“どこを攻めればいいのか”迷っていますね」
中盤で再びブレイクに成功し、
4-1。
その後も危なげなくキープを重ね――
最終スコア 6-2 / 6-3。
ストレートで1回戦突破。
玲奈
「よし、まずは一丁上がり」
翼
「まだまだ、ここからよ。
“ミックスでも三連覇狙えるところまで来たな”って感じやね」
玲奈
「帰ったら、光子ちゃんに“ネタにされる覚悟”しとかな」
翼
「それが一番怖い説ある」
◆ 日本・ちびっこ応援センターの反応
録画ダイジェストを見ながらの、
翌日のリビング。
陽翔(6)
「パパ、なんか女の人といっぱい一緒におった」
彩羽(1)
「ぱぱ〜、れーなしゃん〜?」
光子
「そこ覚えんでよか。
あの人はパパの“テニスの相方”やけんね」
結音(6)
「たくみパパのペアのゆいおねえちゃんも、かっこよかった〜!」
灯乃(4)
「“さわったらこうかいするサーブ”出しよった!」
優子
「表現のクセ!」
燈真(4)
「みんな、“ながねんコンビ”って感じやね」
美香
「そうね。
長年積み重ねてきた呼吸って、
画面越しでもわかるもんね」
光子
「そのうち、“ミックスダブルス・親子ペア”とか出てきそうやね〜」
優子
「やめて、マジでありそうやけん怖い」




