カメラ回っとったんかい編
◆ ラジオ収録後 ― カメラ回っとったんかい編
ラジオ局・小さい談話スペース。
テーブルにはペットボトルのお茶と、お菓子の袋が散乱。
光子
「は〜〜、今日はマジで腹筋ちぎれるか思った……」
優子
「“君への想いは 牛乳 卵 にんじん 玉ねぎ〜♪”は反則やろ……」
さおり
「いやあれマジでやらかしですよ?
カッコいいバラードのサビ見たら、
“カレーセット”書いてあったんですから」
そこへ、そ〜っと近づく影。
爆笑通信ディレクター・高山
「……あの〜、今、ちょっとだけよかですか?」
光子
「あ、高山さん! 爆笑通信チームやん」
優子
「カメラ回しよったと?」
高山
「ええ、実はですね……
さっきのラジオ本番から、ずっとサブカメラ回してまして」
さおり
「えっ」
光子
「えっ」
優子
「えっ」
高山
「フライデー爆笑ラジオカフェ × 爆笑通信コラボ回”ってことで、
裏トーク、ぜ〜んぶ素材いただいとります」
さおり
「サビでカレーの材料歌った話とかも?」
高山
「もちろんバッチリ」
光子
「“ミの奥にマヨネーズ”も?」
高山
「スロー再生までできます」
優子
「ジャージ本番事件も?」
高山
「ジャージ姿の写真、番組から提供もう取ってます」
さおり
「情報量〜〜〜!!!」
⸻
◆ 爆笑通信・編集会議
別日、爆笑発電所本部・会議室。
モニターには「ごぼう天ラジオ さおり回」のダイジェスト映像。
真理子(爆笑発電所女性部代表)
「はい、じゃあきょうの議題。
“さおりちゃん回のどこを爆笑通信で使うか”」
スタッフ
「全部使いたいです」
一同
「ですよね〜〜〜」
真理子
「とりあえず、候補はこの3本やね」
1. サビで「牛乳 卵 にんじん 玉ねぎ」事件
2. 冷蔵庫ドレミ&“ミの奥にマヨネーズ”事件
3. ジャージ本番→正式採用事件
真理子
「全部、**“やらかし → 工夫 → なんか新しいスタイル誕生”**っていう流れがあるけん、
爆笑通信的にもめっちゃ美味しい」
スタッフ
「発達障害の話もしっかり入れたいですしね」
真理子
「そうそう。
**“笑ってもらいつつ、“凸凹でも生きていけるんやで”って伝える”**のがうちらの役目やけん」
⸻
◆ 爆笑通信オンエア:特集「凸凹ママとサビに浮かぶカレー」
翌週・夜。
テレビ「爆笑発電所・爆笑通信」。
オープニングジングル。
画面には「特集:日向さおり ― 発達凸凹と爆笑とロックとカレー」。
MC:光子(VTRナレーション)
『きょうの爆笑通信は〜、
ファイブピーチ★サポートメンバーで、
ギタリスト奏太の奥さん、
“発達凸凹ギタママ”日向さおり特集〜!』
◆ VTR①:サビでカレー事件
スタジオのラジオ映像+テロップ。
さおり(VTR)
「サビ見たら、“君への想いは止まらない 牛乳 卵 にんじん 玉ねぎ”ってなってて」
テロップ
《♬ラブソングなのに急に煮込み始める》
光子
『なお、このあとファイブピーチ★メンバー内で
**“この歌、カレーのCMに売れるんじゃないか説”**が浮上した模様です』
◆ VTR②:冷蔵庫ドレミ事件
さおり(VTR)
「冷蔵庫の段ごとにド・レ・ミって付けて、
“マヨネーズどこ?”って聞かれたら
**“ミの奥!”**って答えたら怒られました」
テロップ
《音楽脳 全開カオス収納》
◆ VTR③:ジャージ本番→正式採用
ライブ写真が映る。
全員ジャージ姿で爆笑ロック中。
ナレーション光子
『衣装を忘れたところから始まった、
“全員ジャージライブ”。
しかし観客の反応は――』
観客インタビュー(VTR)
観客A
「部活みたいで最高でした!」
観客B
「うちらもジャージで行っていいですか!?」
観客C
「ジャージでこのクオリティ出されたら、
逆にスーツで来てた自分が恥ずかしいです!」
テロップ
《ミスから生まれた新スタイル → ジャージ公認ライブへ》
⸻
◆ 爆笑通信スタジオトーク
画面がスタジオに戻る。
ソファに光子・優子・さおり。
光子
「……というわけで、裏トークがっつり抜き取られたさおりんです」
さおり
「いや〜、編集されるって分かってたら、
もうちょっと賢いこと言いましたよ?」
優子
「いや、アレがさおりんの100点やけん」
光子
「でもさ、今回の特集、
**“忘れ物しても、凸凹あっても、
工夫しながら家族と笑って生きていける”**って、
すごく伝わったと思うよ」
さおり
「そうだったら嬉しいですね。
“やらかし多い人”は、だいたい私の仲間ですから」
テロップ
《全国の“やらかし民”を味方に》
優子
「今この番組見ながら、
“あ、自分も冷蔵庫ドレミやりそう”って思った人〜?」
(画面の向こうで、なぜかたくさん手が上がった気がする演出)
⸻
◆ 日向家サイドの視聴風景
そのころ――
日向&大畑家のリビング。
テレビには、さっきの爆笑通信。
陽生がソファの上で正座して見ている。
陽生
「ママ、テレビに出とー! ジャージでギターしとー!」
奏太
「だな。ジャージでもカッコいいママだぞ」
さおり(テレビの中)
「“忘れ物多い人は、だいたい私の仲間です”」
陽生
「ママ、“わすれものーズ”なん?」
奏太
「バンド名みたいに言うなって」
その瞬間、
キッチンからさおり(本物)が顔を出す。
さおり(現実)
「ちょっと奏太〜!
今日の晩ご飯の豆腐どこ?」
奏太
「冷蔵庫の“ソ”の段〜!」
陽生
「でた、“ソ”の豆腐〜!!」
3人
「わはははは!」
テレビの中のテロップ:
《※良い子はまねしてもいいけど、家族に説明してからにしましょう》
⸻
◆ 爆笑通信の締めコメント
再び番組スタジオ。
光子
「今日は、“裏トークからまるっと爆笑通信行き”の
日向さおり特集でお送りしました〜!」
優子
「ラジオもテレビも、
**“失敗はネタに、特性は工夫に”**変えていける場所でありたいね」
さおり
「そうですね。
私はこれからも――
**“カレーの材料を書き込まないサビ作り”**を
心がけていきたいと思います」
光子
「いや、一本くらいやろうや?」
優子
「ファイブピーチ★カレータイアップ案件、待ってま〜す!」
テロップ
《協賛:どこかのカレーメーカーさん、お待ちしてます》
画面フェードアウト。
⸻




