福岡高校吹奏楽部・放課後
◆ 福岡高校吹奏楽部・放課後
動画視聴後の静寂を破ったのは、三輪(部長)の声だった。
三輪(部長):
「……なぁ、春海ちゃん。
どうやってそんな上手くなったん?
普通の練習じゃ絶対こうならんよ?」
平尾(Perc):
「マジで。“天才”だけで片づかんレベルやけんね」
部員たちも、期待とワクワクの目で春海を見る。
春海はちょっと照れながら、指をぽりぽり。
春海:
「えっと……実はその……
M&Yとファイブピーチ★のみなさんに、
みっちり鍛えられました〜〜……」
部室:
「「みっちり!?」」
◆ “地獄の特訓”の実態、暴露される
春介:
「うちの家系、音楽の練習は全部“笑い付き”で行われます。
地獄かと思ったら天国みたいな、天国かと思ったら地獄みたいな……」
春海:
「いや半分地獄やったよ!? 特にあの人!!」
三輪:
「“あの人”?誰なん?」
春海:
「ドラム指導担当、優子おばちゃん」
部員全員:
「「え、よりによって優子さん!!?」」
◆ 優子式・超体育会系ドラム地獄
春海(回想):
「“春海ちゃ〜ん、そのフィルは“好きの気持ち”足らんっちゃ〜ん!”
とか言いながら、
私の後ろでいきなりタップダンス始めるんです。」
白石(Perc):
「集中できるか!!」
春介:
「しかも優子おばちゃん、テンポずれたら
“はいおしりペシッ!”って……」
春海:
「いや、それはちょっと……恥ずかしい……///」
部室:
「「うわぁぁぁ何そのスパルタ!!!」」
◆ 光子式・“呼吸と気迫”の特訓
春海:
「光子おばちゃんはね……“腹式呼吸の鬼”でした……」
・光子が春海の腹に手を当て
「そこや! もっと風送らんかい!」
→春海、横隔膜が死ぬほど鍛えられる。
・テンポが揺れると
「春海、その心の迷いが音に出とう!正直やねぇ〜」
→メンタルまで鍛えられる。
部員:
「完全にプロの指導者やん……」
◆ ファイブピーチ★はさらにカオス
春海:
「ファイブピーチ★の春介にーに(兄)も、鬼です……」
春介:
「いやいや、俺は優しいやろ?(満面)」
春海:
「にーには“笑いのテンポ”まで練習させるから!!」
部員たち:
「“笑いのテンポ”????」
春介:
「音楽は笑いやけん」
三輪:
「いや吹部でそんな理論は初めて聞いた!!」
◆ そして極めつけは――X JAPAN研究会(身内)
春海:
「ライブ前の1ヶ月は……
“X JAPAN研究会 in 小倉家” が毎晩開かれて……」
・家族+光子+優子+穂乃果+水湊
全員で DAHLIA のライブ研究
・高速ドラム解析
・スローモーションで映像コマ送り
・ラストの6連打は“家族総立ちでエアドラム”
春海:
「気づいたら覚えてました……」
平尾(Perc):
「気づいたら覚えるレベルでできるわけない!!」
◆ 結論:福岡高校吹奏楽部、戦慄
三輪(部長):
「つまり春海ちゃんは……
M&Y & ファイブピーチ★の“英才教育の塊”ってことね?」
春海:
「…………はい」
坂口(Fl):
「そりゃ紅白いけるわ……」
白石(Perc):
「ていうか……この学校、春海ちゃん来た瞬間に
“全国金賞の義務”背負ったんじゃない?」
黒川(Cl):
「まじでレジェンド世代来たかもしれん」
平尾(Perc):
「春海、明日から基礎練手伝ってね。
あなたコーチ枠やけん」
春海:
「えぇぇぇぇ!?」
(部室、大爆笑)
春介と春海、
福岡高校吹部での“伝説の1ページ目”は、
こうして鮮やかに刻まれたのであった。
福岡高校・音楽棟。
部室の熱が、まださっきのDAHLIAの余韻でふつふつしている。
平尾(Perc):
「いや、速い曲はわかった。
でもさ——スローのバラードはどうなん?
速いのだけ上手いドラマーもおるけどさ」
金田(Perc):
「そうそう。“遅いテンポでごまかせない”っていうやつ」
春海:
「あー……それも、みっちり仕込まれました」
三輪(Trp・部長):
「出た、“みっちり”」
春海:
「ALFEEのラブバラードで、
**『恋人たちのペイヴメント』**ってあるじゃないですか」
広田(Sax):
「あ、親世代がよくカラオケで歌うやつ!」
春海:
「アレを、
優馬じいじ&美鈴ばあば監修・M&Y&ファイブピーチ式“地獄のバラード特訓”
で鍛えられました……」
部員:
「名前からして地獄の匂いしかしない」
◆ バラード・モードON
スマホから、静かにイントロが流れ始める。
さっきまでのメタル系とは正反対の、切ないラブバラード。
春海は、さっきの“鬼ドラマーの顔”とは別人みたいに、
ふっと力を抜いた表情になる。
スティックを柔らかく握り、
深呼吸して——
スッ……
スネアに、薄いブラシのようなタッチで音を落とす。
トン…… チッ…… トン…… チッ……
テンポは遅い。
でも、まったく揺れない。
クリックを鳴らしていなくても、
“中にメトロノームが住んでる”みたいな安定感。
バスドラは、ごく控えめに。
ハイハットは、囁き声のように。
サビに入るところで、
少しだけスネアに重さが乗る。
トン…… チッ…… トン…… チッ……
音量は上がらないのに、
“気持ち”だけがふわっと前に出てくる。
平尾(Perc):
「(……あ、これあかん……)」
白石(Perc):
「(泣くやつやん……)」
金田(Perc):
「(バラードのテンポ、“1ミリもぶれとらん”……)」
クライマックス。
大きなフィルも派手なシンバルもない。
だけど、
ほんの少しだけタイミングを溜めて、
そっと、でも確実に、フレーズを支えにいく。
最後の余韻。
スッとハイハットを閉じ、
スティックをふっと浮かせて——静寂。
スマホの音もフェードアウトする。
◆ “神” 認定の瞬間
しばし、沈黙。
そのあと、一番最初に口を開いたのは、部長の三輪だった。
三輪:
「……ごめん。
さっきのDAHLIAより、こっちのほうがヤバい。」
平尾:
「テンポ、微動だにしてなかったよね?
今、俺の中の“ドラムの教科書”書き換わったけど」
内山(Tb):
「バラードで“空気”作れる高校生ドラマー、初めて見た……」
坂口(Fl):
「なんか途中から、“ドラムの音”やなくて、
“心拍”みたいに聞こえた」
黒川(Cl):
「うん。
“恋人たちのペイヴメント”ってタイトル、
はじめてちゃんと意味わかった気がする……
“足音”を、春海ちゃんが刻んどったんやね」
深町(Trp):
「……ちょっと待って」
春海:
「?」
深町:
「DAHLIAみたいな爆速メタルも叩けて、
ALFEEのバラードをここまでバチバチにキメる高校一年って——
もうさ、
“神”って呼んでよくない???」
部室:
「「異議なし」」
春介:
「はい、決まった。“打楽器の神・赤嶺春海”」
春海:
「やめて!! そういうのテストで名前呼ばれるみたいに言わんで!!!」
平尾(Perc):
「これから“神様”って呼んでもいい?」
春海:
「絶対やだ!!! せめて“春海先輩”とか“はるみん”とかで!!」
金田:
「“神みん”」
春海:
「悪ノリが早い!!」
(部室、大爆笑)
でも、その笑いの裏側で——
全員が、同じことを感じていた。
この世代、マジで全国狙える。
しかも、“笑いと音楽、両方ガチ”のスタイルで。
福岡高校吹奏楽部、
“赤嶺春海=神”伝説の幕開けであった。
◆ 福岡高校吹奏楽部・放課後
春海の“神バラード”で騒いでいる中、
誰かがふっと口にした。
平尾(Perc):
「……で、春介くんのほうは?
チューバはもちろん、ベースもヤバいって聞いたけど」
三輪(部長):
「だな。お前も紅白出とったよな?」
春介:
「あ、はい。
ファイブピーチ★のライブとか、
M&Yのサポートでベースを弾いたりもしてて……」
坂口(Fl):
「え……“プロ”じゃん???」
◆ 春介、チューバを構える
春介は笑いながらチューバを取り出し、
ゆっくり構えた。
舟木(3年Tuba):
「春介、せっかくやけん……
“低音の真骨頂”見せてくれん?」
春介:
「じゃあ……
みっちり鍛えられた“地獄の低音特訓”の成果を……」
黒川(Cl):
「“地獄の”多すぎん? この家系」
春介:
「うちは“スパルタと笑いの複合施設”ですので」
部室:
「なんその施設!!?」
◆ 春介のロングトーン(地獄仕込みver.)
春介、息を吸う。
春海のときと同じく、
スーッと静かに、しかし迷いなく。
ボォォォォォォォ……
舟木(3年):
「(……音が……デカいんやなくて……“太い”……)」
内山(Tb):
「(なんこれ……低音に“丸み”がある……)」
西園寺(Euph):
「(息の質がもう一般高校生やない……)」
三輪:
「春介くん……これ“プロの録音”で聴く音よ?」
春介:
「うち、光子おばちゃんの“呼吸の鬼教室”通ってたんで……」
坂口(Fl):
「あの呼吸トレの魔女か!?」
春介:
「美香お姉ちゃんにも“響かせ方”叩き込まれましたし……
優子おばちゃんには“腹筋”鍛えられて……
翼おじちゃんには“体幹”教わって……
優馬さんには“精神論”……」
部室:
「指導者のコーチ陣おかしい!!!」
◆ さらに“低音メロディ”を吹いた瞬間
春介は、
ファイブピーチ★ライブで披露した曲の、
低音ソロ部分を吹き始めた。
これが——想像以上の破壊力だった。
ボォォォ……
ブォォォォォン……
ボゥンッ……
響きが、部室の床を震わせる。
坂口(Fl):
「なんか……建物ごと揺れた気がする……?」
平尾(Perc):
「コントラバスの役割も全部やってる音やん……」
深町(Trp):
「いや……ベース音だけで“曲”として成立しとる……」
舟木(Tubaリーダー):
「春介くん……今日から君は俺の師匠や……」
春介:
「え、えぇぇぇ!!?」
◆ そして“ベース”も披露
すると春海がニヤッとする。
春海:
「部長……ついでに、ベースも見てみます?」
三輪:
「見たい!!」
春介はチューバを置き、
部室隅のコントラバスを借りて構える。
春介:
「じゃあ……
紅白サポートしたときのベースリフ、少しだけ」
ゆっくり、指を置いて——
ボン…… ボンボボボッ……
ドゥン…… ドゥッドゥッ……
たった数小節。
でも、部員たちは声を失った。
内山(Tb):
「フォームが……綺麗すぎる……」
黒川(Cl):
「音程の取り方が“完璧”……」
平尾(Perc):
「ていうかリズム感が変態レベル……」
三輪(部長):
「もういい。
赤嶺春介——
チューバもベースも“プロ枠”で認定します。」
部室全員:
「異議なし!!!」
春介:
「いや、異議出して!!!」
(部室、爆笑)
◆ 最終評価
・春海 → “打楽器の神”
・春介 → “低音の皇帝”
吹奏楽部員たち:
「赤嶺兄妹、なんで高校吹部に普通におるん?」
三輪:
「福岡高校、歴代最強世代誕生やな……」
こうして、
双春コンビの“プロ級、いやプロ超え”の実力が完全に露見し、
福岡高校吹奏楽部は震撼の渦に包まれるのであった。




