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美香と光子と優子の爆笑ストーリー。光子と優子29歳  作者: リンダ


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29/93

春介と春海、博多南中卒業

博多南中学校・体育館。

まだ肌寒さの残る、2052年3月の朝。


ステージの上には「第○回 卒業証書授与式」の横断幕。

保護者席にはアキラと美香、そして光子・優子、翼・拓実、美鈴と優馬たち家族がずらりと並んでいる。


アキラ:

「……もう中学卒業かぁ。あっという間やったな」


美香:

「ね。あのちっちゃかった春介と春海が……」


美鈴:

「ほらほら、泣くとはまだ早かよ。これからが本番たい」


優馬:

「俺はもう泣きそうやけどね」


そんな家族の会話をよそに、式は粛々と進んでいく。


卒業証書授与。

合唱「旅立ちの日に」。


そして、いよいよ――


司会:

「続きまして、卒業生代表の言葉。

 三年A組 赤嶺春介くん、赤嶺春海さん。前へどうぞ」


体育館がざわっとする。

「双子やん」「どっちがどっち?」「吹部の赤嶺やろ?」

小さなひそひそ声がいくつも飛び交う。


ステージに上がった二人は、

背筋を伸ばして並んだ。

春介はネクタイを締めた制服姿、春海はきりっとしたセーラー服。

二人とも、緊張と覚悟が混じった顔をしている。


マイクの前に立ち、いったん客席を見渡す。

家族の顔が見えた瞬間、二人の目が少し柔らかくなった。


春介・春海:

「「卒業生代表の言葉」」


声がぴたりと揃う。

そこから、交互に言葉を紡いでいく。



春介:

「三年間、お世話になった先生方、

 支えてくれた家族のみなさん、

 そして、共に過ごした仲間たちへ。

 卒業生を代表して、感謝の気持ちを伝えます」


春海:

「入学式の日、

 まだ大きすぎる制服に袖を通して

 この体育館に座っていた私たちは、

 わからないことだらけで、不安でいっぱいでした」


春介:

「それでも、

 教室で名前を呼んでくれた担任の先生。

 『大丈夫、一緒に覚えていこう』と

 黒板の前で笑ってくれた姿を、今でも覚えています」


春海:

「部活見学の日。

 音楽室から聞こえてきた吹奏楽の音に、

 私たちは引き寄せられるように足を止めました。

 チューバの大きな音。

 打楽器の、胸に響くリズム。

 あの日、あの部屋で出会った仲間たちが、

 今の私たちをつくってくれました」


客席の吹奏楽部の後輩たちが、

少し目を赤くしながら聞いている。

顧問の佐伯先生も、ハンカチで目元を押さえていた。


春介:

「チューバがうまく鳴らせなくて、

 “音じゃなくてため息が出よるぞ〜”って怒られたり」


春海:

「スティックを落として、合奏を止めてしまって、

 “ドラムじゃなくて心臓止める気か〜”とツッコまれたり」


体育館のあちこちから、くすくすと笑いが漏れる。


春介:

「それでも、何度も何度も

 “もう一回いこうか”と

 向き合ってくれた先生方のおかげで、

 僕たちは最後のコンクールまで、

 ステージに立ち続けることができました」


春海:

「一緒に笑って、一緒に泣いて、

 楽譜を汗でくしゃくしゃにしながら頑張った仲間たち。

 あなたたちがいたから、

 朝早くの練習も、夜遅くの片付けも、

 全部、宝物の時間になりました」



そして、話題は家族へと移る。


春介:

「家に帰ると、

 いつも『おかえり』と言ってくれる両親がいます。

 眠そうな目をこすりながら、

 朝早く弁当を作ってくれる母」


春海:

「夜遅くまで仕事をしているのに、

 コンクールの前の日には必ず

 “本番楽しんでこいよ”と

 肩を叩いてくれる父」


ステージ下のアキラと美香の目が、

じわっと潤む。


春介:

「二人が音楽を続ける背中を見て、

 僕たちも楽器を始めました。

 “音楽は、人を笑顔にする”って、

 小さい頃から何度も聞いてきました」


春海:

「中学生になって、

 その言葉の意味が、少しだけわかった気がします。

 文化祭で笑ってくれたクラスのみんな。

 定期演奏会で涙をこぼしてくれたお客さん。

 そして、今日ここで、

 私たちの成長を見守ってくれている皆さん」


春介:

「僕たちは、

 音楽を通して、

 たくさんの“ありがとう”をもらいました。

 本当に、ありがとうございます」


二人は揃って、深々と頭を下げた。



最後に、進路と未来への一言。


春海:

「これから、私たちは

 それぞれ違う道へ進んでいきます。

 勉強や部活、仕事。

 楽しいことも、つらいことも、

 きっと今よりずっと増えると思います」


春介:

「それでも、

 博多南中で過ごした三年間が、

 僕たちの背中を押してくれると信じています。

 “失敗したっていい。もう一回やってみよう”って

 言ってくれた先生たちの言葉を、

 これからも忘れません」


春海:

「最後に。

 私たち双子は、家ではよく

 “春をふたつ、にこひとつ”というギャグを言います。

 でも今日は、少しだけ真面目に言わせてください」


春介・春海:

「春をふたつ、にこひとつ。

 ここから先も、

 笑顔と感謝を胸に、

 安全運行で、進んでいきます。」


体育館に、どっと笑いと拍手が広がる。

先生たちも、保護者も、生徒たちも、

笑いながら、目元を拭っていた。


春介:

「三年間、本当にお世話になりました」


春海:

「ありがとうございました」


春介・春海:

「「ありがとうございました!」」


二人が深くお辞儀をすると、

体育館いっぱいに大きな拍手が鳴り響いた。


ステージ袖に戻る途中、

春介はちらりと客席を見た。

アキラは鼻の頭を赤くし、

美香はハンカチを握りしめて号泣している。


光子と優子は、

「やるやん、うちの双春」と

誇らしそうに笑っていた。


美鈴は、隣の優馬に小声でつぶやく。


美鈴:

「……うちら、ほんとに幸せやね。

 こんな立派に育ってくれて」


優馬:

「ああ。

 この子らが歩いていく未来が、

 いつまでも、笑いと平和で満ちとるといいね。」


卒業式の空には、

まだ少し冷たいけれど、

確かに「春の気配」が、

静かに、でも力強く、広がり始めていた。





◆ 卒業式後 ― 校門前での記念撮影


〜春の風と、双春の旅立ちと、家族みんなの笑顔〜


卒業式が終わり、

学校の正門には、

「祝 卒業 博多南中学校」の大きな横断幕が風に揺れていた。


春の光を浴びて、

制服姿の生徒たちが次々にスマホを構え、

友達と、先生と、家族と写真を撮りあっている。


春介と春海も、

仲間たちに囲まれて笑い合っていた。


陸上部の友人:

「春介、まじで寂しくなるって!」


吹奏楽部後輩:

「春海先輩、絶対また部活きてください!!」


春海:

「うん、合奏のときスネアの位置ずれとったら怒りに来るけんね〜!」


春介:

「なんで怒る前提やねん(笑)」


そんな賑やかな輪から呼ぶ声。


美香:

「春介ー、春海ー! 家族写真撮るよー!」


春介:

「行くよ春海!」


春海:

「はいはい、行こ!」



◆ 全員集合、記念撮影隊


校門前に並んでいたのは、

青柳家・柳川家・美香一家・小倉家勢ぞろい。


美鈴:

「ほら、主役二人は真ん中に立ってんしゃい!」


優馬:

「春介と春海、帽子の角度揃えてみ。写真写り大事よ?」


アキラ:

「お前、自分が写真写り一番気にしとるんやないか(笑)」


美香:

「ほら、双子らしく肩寄せて。そうそう」


光子:

「はいはい、うちの弟子たち〜、笑顔でね〜!」


優子:

「“にこっ”ってしてみ。卒業祝いの“にこひとつ”よ?」


春介:

「いやそれ絶対言うと思った……!」


春海:

「うちらのギャグどんだけ浸透しとるん(笑)」



◆ ちびっこ乱入で、写真が撮れない地獄


カメラを構えた翼が言う。


翼:

「よし、全員入ったねー……じゃ、撮るよー?」


その瞬間だった。


陽翔(5):

「春介にーに、だっこー!」


結音(5):

「春海ねーね〜! 写真いっしょに写る!!」


燈真(4):

「とぅまもまん中がいいーー!!」


灯乃(4):

「ひのも“花びら撒くポーズ”する!!」


彩羽(1):

「ぱぱーー!!!!」


悠翔(1):

「おねえしゃーーん!!!」


わあああああああああ!!!

次の瞬間、双子はちびっこ祭りの中心に取り囲まれた。


春介:

「ちょ、ちょ、陽翔!! よじ登るなって!!」


春海:

「灯乃、その花びらは本当に撒かんで大丈夫!!」


燈真:

「とぅま、今がセンターのチャンス!!(謎の闘志)」


結音:

「ゆのんはここ〜!」


彩羽&悠翔:

「ぎゅーーーー!!」


美鈴:

「……あらま、これじゃ写真撮れんねぇ(笑)」


優馬:

「もう“卒業より家族写真のほうが大仕事”になっとる」


光子:

「ちょっと、陽翔ー、春介のネクタイ引っ張らんで!」


優子:

「悠翔!! カメラに向かって舌出さんで!!」


翼:

「……うん、これ、いい意味で地獄(笑)

 でも撮るよー! そのままで行こう!!」



◆ 「2052年・春、家族の形。」


翼がシャッターを押す。


カシャッ。


そこに写っていたのは——


✨ 制服姿で誇らしげに立つ春介と春海

✨ その足にしがみつく幼児トリオ

✨ ピース・敬礼・ウィンク・変顔などポーズバラバラの子どもたち

✨ 笑ってる人、泣いてる人、ツッコんでる人、抱っこしてる人

✨ ちょっと写りこんでる美馬の謎の表情

✨ 後ろで涙ぐむ美鈴と優馬


まさに“小倉ファミリーの春”。

力強くて、賑やかで、カオスで、あたたかい“家族の形”。


翼:

「はい、最高の写真撮れたよ……!」


美香:

「うわぁ……これ、家宝になる……」


アキラ:

「ほんとやな……」


美鈴:

「ようここまで育ってくれたね……ありがとうねぇ……」


優馬:

「よし、打ち上げは焼肉やな!」


全員:

「「やったーーーーー!!!」」


春介と春海は、お互いに目を合わせて笑った。


春介:

「中学、ちゃんと卒業したね」


春海:

「うん。

 ここから先も——

 “春をふたつ、にこひとつ”で行こっか」


春介:

「もちろん!」


門の上では、春風が桜のつぼみをそっと揺らしていた。


2052年の春。

双春、ここから新しい道へ。

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