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美香と光子と優子の爆笑ストーリー。光子と優子29歳  作者: リンダ


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23/90

◆ 翌朝 ― “記憶ないんですけど”会議、開幕

◆ 翌朝 ― “記憶ないんですけど”会議、開幕


燈真の誕生日パーティーの翌朝。

青柳家のダイニングには、妙〜な空気が漂っていた。


光子:

「……あたま、ちょっとズキズキする……」


翼:

「そらそうやろ。シャンパン、本物やったもん」


光子:

「シャンメリーやなかったと……?」


翼:

「それ、昨日も同じ会話したからな?」


光子:

「……で、わたし、昨日なにしたと?」


翼は、にや〜っと口元だけ笑う。


翼:

「――“おかーしゃん、だっこして〜”って言いながら

 自分の母親に抱きついとった」


光子:

「……は?」


ちょうどその時、美鈴がキッチンから顔を出す。


美鈴:

「おはよう、“4歳児みっちゃん”」


光子:

「ぎゃああああああ!!?」


陽翔&燈真&彩羽:

「ママ、ほんとに4歳やった!!」


光子:

「うそやろ!? 覚えとらん!!」


美鈴:

「ほらほら、ちゃんと動画あるけん(スマホ掲げる)」


光子:

「撮っとるんかーい!!!」



◆ 柳川家サイドも地獄の朝


同じころ、柳川家。


優子:

「うぅ……頭がポワポワする……」


拓実:

「おはよう、“にぃに〜”って甘えてきた嫁さん」


優子:

「やめろおおおおおお!!」


結音:

「ママね、“ゆうこ、あしつかれた〜 にぃにだっこして〜”って言いよった」


灯乃:

「ひののママ、かわいかった〜〜」


悠翔:

「ままぁ〜〜〜にこにこ〜〜〜」


優子:

「うわあああああ!!!」

「わたし、そんなこと言ったと!?!?」


拓実:

「うん。で、“しぇけんのこと、がんばる……”とか言いながら寝てった」


優子:

「“世間”噛んどるやん!!」


拓実は、ここで決定打を放つ。


拓実:

「――はい、動画ドーン」


スマホ画面には、

ソファでとろ〜んとした顔で


「ひの〜〜 ゆのん〜〜 すち〜〜〜」


と言っている優子の姿。


優子:

「動画消して!!!」


結音:

「むり!! ゆのんの心の中に保存しました」


灯乃:

「ひのの心にも“ほぞん”した!!」


優子:

「うちの娘たち、バックアップ機能強すぎる……!」



◆ 合同反省会 in オンライン通話


その日の午後。

青柳家&柳川家、オンラインビデオ通話。


画面には光子と優子、

そして後ろでニヤニヤしてる翼と拓実。


光子:

「……あのさぁ」


優子:

「なんでわたしたち、シャンパン一杯で幼児化するっちゃろうね……」


翼:

「体質」


拓実:

「あと、日頃のキャラ」


光子:

「それ、どういう意味よ」


拓実:

「もともとテンション高いから、

 ちょっとアルコール入ると“素”が爆増するんよ」


優子:

「まぁ……動画見た感じ……

 “素の3歳時代”に戻っとった感は否定できんね……」


光子:

「よりによって燈真の誕生日で幼児化するとか……

 なんか“4歳に嫉妬した2人の3歳児”みたいやん」


優子:

「表現やめろ!!(笑)」


陽翔:

「でもね、ママたち可愛かったよ?」


結音:

「うん、ちょっとびっくりしたけど、

 “あ、ママたちも昔はこんなだったのかな”って思った」


燈真:

「とぅま、“おかあしゃん いっしょにねんねしよ〜”って言われた」


彩羽:

「いろはも!!」


光子:

「……もう、爆笑発電所でネタにするしかないかな」


優子:

「どうせバレるしね……」


翼&拓実&子どもたち:

「賛成!!!」



◆ 子どもたちプレゼン企画


「昨日のママおかしかったランキング」


数日後。

青柳家のリビングに、ホワイトボードが一台運ばれてきた。


タイトルは大きくこう書いてある。


『昨日のママおかしかったランキング

〜酔っ払い幼児化スペシャル〜』


光子:

「タイトルがもうひどい」


優子:

「しかも“昨日”って言いながら、もう数日経っとるし」


◆ プレゼンター:陽翔&結音

◆ 審査員:翼・拓実・美鈴・優馬

◆ 観客:当の本人たち&ちびっこ全員



第3位:


「とぅま&いろはと一緒にアンパンマン見たがるみっちゃん」


陽翔:

「第3位は、

 “おかーしゃん、アンパンマンつけて〜。

 とぅまと いっしょに みたい〜”って言ったママ」


燈真:

「とぅま、そのとき“えっ ママも見るん!?”ってびっくりした」


彩羽:

「いろは、いっしょにみたかった!!」


光子:

「いや……アンパンマンは普通に今でも好きやけどさ……」

「言い方!! 完全に4歳児やん……」


美鈴:

「“アンパンマン見たいスイッチ”久々に見たわ(笑)」



第2位:


「にぃに〜って拓実に甘える優子」


結音:

「第2位はこれです!」

ホワイトボードに書かれた再現セリフ:


『にぃに〜、ゆうこ、あし つかれたぁ〜

  だっこしてぇ〜〜』


拓実:

「言いました。完全に聞きました」


優子:

「ぎゃああああああ!!」


灯乃:

「ひの、はじめてママがパパのこと“にぃに”って呼んどるの見た」


結音:

「なんか、“過去のママ”が出てきたみたいで変な感じした」


優子:

「完全に黒歴史やん……」


翼:

「でも、かわいかったで?」


優子:

「フォローになっとらん!!」



栄えある第1位:


「“しぇけんのことがんばる……”と言い残して寝落ちする優子」


全員:

「あ〜〜〜〜それ!!!!」


結音:

「第1位は、

 “ゆうこね……しぇけんのこと……がんばる……”って言って

 そのまま寝たママです」


灯乃:

「“しぇけん”てなに?って思った」


拓実:

「“世間”です」


優子:

「言い方!!(笑)」


陽翔:

「動画見たけど、

 ちゃんと“しぇけん”って言いよった」


燈真:

「なんか、“せかいのやくにたつ3さいじ”みたいでおもしろかった」


優子:

「やめろ!キャッチコピーつけるな!」


翼:

「大賞、おめでとうございます」


優子:

「なんの大賞よ!!」



◆ 特別賞:


「おかーしゃん、だっこして……のみっちゃん」


陽翔:

「特別賞はこれです」


『おかーしゃん……

  ねんね したい……

  だっこ……して……』


光子:

「やめてぇぇ!!!」


美鈴:

「ちゃんと“だっこ”してあげたけんね?」


光子:

「覚えとらんのが逆に恥ずかしい!!」


優馬:

「“あのときに戻ってきたなぁ”って、ちょっと泣きそうになったぞ」


光子:

「それ言われたらなんも言えん……」


陽翔:

「というわけで、

 “いちばんかわいかったで賞”はママです!」


みんな拍手。

光子は顔を真っ赤にして、ちょっとだけ笑う。


光子:

「……じゃあせめて、

 このランキングは“家族限定公開”でお願いします」


子どもたち:

「はーい(ニヤニヤ)」


絶対守られないやつだと、

大人全員知っていた。



◆ 爆笑発電所・特別回


「ママたちの幼児化モード 大公開!?」


数週間後。

テレビ番組「爆笑発電所スペシャル」。


セットの中央にM&Y、

その両脇にソファでちょこんと座るのは――

陽翔・燈真・結音・灯乃・悠翔・彩羽。


テロップにはドーンと、


『家族が選んだ!

ママたちの“酔っ払い幼児化ランキング”』


優子:

「いや、タイトルやめって言ったやん……」


光子:

「ファンの皆さん、

 今日は温かい目で見守ってください……」


MC(別番組回のゲスト芸人):

「いや〜〜、紅白の大トリ歌ったアーティストとは思えない企画ですね!!(笑)」


優子:

「そう言われると刺さる!!」


光子:

「でもね、こういうとこ見せとかんと、

 “完璧な人”って思われても息が詰まるけん」


優子:

「うん。

 失敗したって、酔っ払って子どもに笑われたって、

 それでも一緒に笑えればそれでよかって、

 じいちゃんが言いよったしね」


客席:

「(拍手)」


MC:

「じゃあ早速、VTR行ってみましょう!

 “問題の夜・完全再現スペシャル”!」


光子&優子:

「ちょっと待てぇぇぇぇ!!!」



◆ まとめの一言


収録後、楽屋。


光子:

「……はぁ。全国放送で幼児化さらした女って、そうおらんよね」


優子:

「でもさ、

 あのVTR見て笑っとるファンの顔見たら、

 “まぁいっか”ってなったね」


光子:

「うん。

 子どもたちも、

 “大人になっても失敗するし、変なところある”って

 笑ってくれたなら、それでよかね」


優子:

「……ただし、シャンパンは今後完全禁止。」


光子:

「異議なし!!」


二人はハイタッチ。


その頃、リビングでは子どもたちがまたホワイトボードに、

新しいタイトルを書いていた。


『つぎの ねんまつの

ママおもしろかったランキング よていひょう』


――どうやら、

この一家の“カオスと爆笑”は、

2052年も、その先もずっと続いていきそうだった。




◆ 2052年4月――灯乃、ついに幼稚園デビュー


春の風がちょっとだけ冷たさを残している朝。

柳川家は、朝からてんやわんやだった。


優子:

「ひの〜! スモック反対に着とる〜!!」


灯乃(ひの/4歳):

「えっ!? うしろ前と!? ひの、うしろ前すき〜!」


拓実:

「いや“好みの問題”やない(笑)」


結音(ゆのん/年長):

「ひのちゃん、今日から“ようちえんのこ”なんやけん、

 ピシッとしとかなあかんよ〜?」


灯乃:

「ゆのんねえちゃん、“ピシッ”てなんね?」


結音:

「……だいたいでいいけん、ちゃんとしとけばOK!」


悠翔(ゆうと/1歳):

「ひーちゃ〜〜ん!! ようちえんいく〜〜〜!!」


優子:

「ゆうとは今日はお留守番〜。

 そのかわり玄関で“いってらっしゃいぎゅー”ね」



◆ 博多南幼稚園・入園式会場


ホールには、真新しい制服の園児たちと、

スーツ姿の保護者たちがずらり。


園長先生:

「それでは、入園式を始めます」


──保護者席の端っこでは、

M&Yこと光子と優子の姿も。


光子:

「ひの、似合っとるねぇ〜。

 “柳川家の爆笑幼稚園部門”ついに始動やね」


優子:

「やめて、その言い方(笑)」


翼&拓実&陽翔&燈真&彩羽&悠翔も、それぞれの場所から見守る。



◆ 入園児代表挨拶、まさかの人選


園長先生がマイクを持つ。


園長:

「本日はたくさんのご出席、ありがとうございます。

 それではここで、新入園児を代表して、

 ご挨拶をしてもらいましょう。

 年少組・柳川灯乃やながわ・ひのさん、お願いします」


優子:

「……え?」


拓実:

「ちょっと待って、初耳なんやけど!?」


光子:

「聞いとらんよ!? なんで代表しとると!?」


園長:

「※事前の面談で、受け答えがしっかりしていたため、

 急きょお願いしました」


優子:

「園長先生ぇぇぇぇぇ!!!」



◆ 灯乃、マイクの前に立つ


ちょこちょこと前に歩いていく灯乃。

制服の袖はまだ少し長くて、

スカートの裾をぎゅっとつまみながら、

緊張半分・わくわく半分の顔。


副担任の先生が、そっとマイクの高さを調整する。


先生:

「ひのちゃん、ゆっくりでいいから、自分の言葉でね」


灯乃:

「……はいっ!!」


会場がしん、と静まる。



◆ 爆笑入園児代表挨拶


灯乃:

「えーっと……」


一拍おいて、

ぱぁっと笑顔になって、ハキハキと言い始めた。


灯乃:

「きょうから、ひのは、

 “ほんものの ようちえんのこ” に、なりました!!」


(会場クスッ)


灯乃:

「ママは、“もうすぐやね〜、もうすぐやね〜”って、

 なんか、クリスマスみたいに まちよったとです!」


(保護者ざわ… → クスクス)


優子:

「うわぁ……バラされた……」


拓実:

「クリスマス扱いされとったんか、入園式……」


灯乃:

「ひのは、

 このまえまで、“おうちのプリンセス”やったけど、

 きょうからは、

 “ようちえんの ちょっとおてんばプリンセス” になります!!」


(どっ と笑い)


光子:

「肩書き盛ってきたねぇ〜!」


園長先生も肩を震わせている。


灯乃:

「それからね――」


一瞬、まじめな顔になる。


灯乃:

「ひの、おうちで、

 “ないちゃうときも あるかもしれんけど、

 さいごは わらって“いってきまーす”て いうんだよ”って

 ママとパパに ならったとです」


優子・拓実:

(ここだけで既にうるうる)


灯乃:

「だから、

 ひのが ないとったら、

 “だいじょうぶよ〜、さいごに わらえば まる”て

 せんせいたち、いってください!!」


(爆笑&拍手)


先生たち:

「“最後に笑えば丸”……名言出た……!」


灯乃:

「おともだちとは、

 おもちゃをなかよく つかって、

 ときどきケンカしても、

 “ごめんね”と“いいよ〜”を

 ちゃんと いいあえる ようになります!!」


(会場から「お〜〜」という声)


陽翔:

「……なんか、今日のひの、すごくない?」


燈真:

「とぅま、いま“人生のおべんきょう”してる気がする……」


灯乃:

「さいごに――」


マイクをぎゅっと握りしめる。


灯乃:

「きょうは、ひのたちのために、

 きれいな おはなや、

 かわいい かざりを ありがとう ございました!!

 これから 3ねんかん、

 せんせい、よろしくおねがいしまーーーす!!」


深々と、頭をぺこり。


……のつもりが――

勢い余って、ほぼ直角におじぎしてよろける。


客席:

「わぁぁぁ!!」→「あはははは!!!」


先生が慌てて支え、

そのまま会場は拍手と爆笑の渦に包まれた。


園長:

「……すばらしい挨拶でした。

 “最後に笑えば丸”――

 私たちも、忘れずにいたい言葉です」



◆ 式のあと、異常事態発生


入園式がつつがなく終わり、

門の前で写真を撮ったり、

先生に挨拶をしたり、

あちこちで笑い声が響いていた。


が――その裏で。


博多南幼稚園・最寄りの整骨院

「みなみはりきゅう・整骨院」


受付のお姉さん:

「え、えっと、今日はどうされたんですか?」


お母さんA:

「さっきの“代表挨拶”で笑いすぎて……

 腰が“ピキッ”て……」


お父さんB:

「自分は、肩が……

 “最後に笑えば丸”のとこで、

 拍手しながら変な角度になって……」


おばあちゃんC:

「大声で笑ったら、首から背中までガチガチになってしもうて……

 あの子は罪な子やねぇ……(褒め言葉)」


受付の後ろから、

院長先生がそっと顔を出す。


院長:

「今日は……なんかイベントでもあったんですか?」


受付:

「幼稚園の入園式だそうです」


院長:

「入園式でぎっくり腰多発ってどういうこと!?」



◆ 幼稚園に寄せられる“謎の報告”


数日後。


園の職員室。


事務の先生:

「園長先生、ちょっとよろしいですか」


園長:

「どうしました?」


事務:

「近所の“みなみ整骨院”さんから電話があってですね……

 “入園式の日から腰痛と肩こりの患者さんが急増したんですが、

 何か激しい運動でもされましたか?”って」


園長&先生たち:

「「「運動はしてない!!(笑)」」」


副園長:

「たぶん……

 **灯乃ちゃんの代表挨拶による“笑いすぎダメージ”**かと……」


担任:

「保護者アンケートにも、

 “腹筋崩壊しました”って書かれてました……」


園長:

「“腹筋崩壊”は教育用語に入らんけど……

 まぁ、いいか」



◆ 家に帰ってからの“戦犯”の自覚ゼロ


その日の夕方、柳川家。


優子:

「ひの、今日ね、すっごいがんばったね〜!!」


灯乃:

「ひの、“かわいいプリンセス代表”やった!!」


拓実:

「正式名称違うけど、まぁ合っとる(笑)」


結音:

「ひのちゃんの“最後に笑えば丸”ね、

 ゆのん、ちょっと泣きそうになった」


灯乃:

「えっ!! なんで!? ゆのん、まるになった!?」


悠翔:

「ひーちゃん、まる〜〜!!(ぐるぐる回る)」


優子:

「でもね、ひの……

 あんたの挨拶で笑いすぎて、

 整骨院に行った人もおるらしいよ?」


灯乃:

「えーーー!?

 ひの、人をなおす しごとしたかったのに……

 “こわす しごと”してしもうたと!?!?」


拓実:

「いや“壊して”はない!(笑)」


優子:

「“笑いすぎて痛くなるくらい楽しかった”ってことやけん、

 それは“よかしごと”したとよ」


灯乃:

「そっか!!

 じゃあ こんどは、“こころをほぐす しごと”する!!」


優子:

「もうやってるよ、ひの」


光子(ビデオ通話越し):

「うん、間違いなくやってる。

 今日から“幼稚園の爆笑プリンセス”やね」



こうして、

柳川灯乃の幼稚園生活は――


・入園式で腹筋を破壊し、

・整骨院の患者数を微増させ、

・でも誰よりも“こころをほぐす挨拶”でスタートを切る、


という、伝説級の第一歩となったのだった。

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