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美香と光子と優子の爆笑ストーリー。光子と優子29歳  作者: リンダ


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18/91

2051年紅白

 大晦日。

 NHKホールの外は、白い吐息と人いきれでむんっとしていた。


 中継カメラが、ライトアップされたホールの全景を舐めるように映し出す。

 画面の左上には、でかでかとテロップ。


 **第○○回 紅白歌合戦 生放送**

 総合司会:M&Y(青柳光子/柳川優子)

 白組司会:とんずらー

 紅組司会:はなまるツインズ


 観客のざわめきと、オーケストラピットの調弦の音。

 そして――おなじみのオープニングテーマが高らかに鳴り始める。


 ◆ オープニング・カウントダウン


 天井から吊られた巨大スクリーンに、カウントダウンが映る。


 10…9…8…


 客席のペンライトが、じわっと揺れ始める。

 その中には、小さな腕でペンライトを振る陽翔と結音(5歳)、

「おっきいテレビ〜!」と目を輝かせている燈真と灯乃(3歳)、

 抱っこされながら意味も分からず振っている**彩羽と悠翔(1歳)**の姿もいる。


 春介・春海・穂乃果・水湊も、客席の端でステージを見つめていた。


 3…2…1――


 ホールの照明が一気に真っ暗になり、

 次の瞬間、ステージ中央に白いスポットが二本、すっと落ちる。


 ◆ M&Y、センターに立つ


 スポットの中に浮かび上がるのは、

 真っ白と深紅のドレスに身を包んだ二人。


 青柳光子

 柳川優子


 M&Yが、笑顔でこちらを向く。


 光子:

「みなさーん! こんばんはー!!」


 優子:

「第○○回、紅白歌合戦っ!

 生放送でお届けしまーす!!」


 客席:

「ワアァァァ!!」「M&Yーー!!」


 両サイドの大階段に、

 白組・紅組の出場歌手たちがずらりと並んでいく。


 光子:

「今年も、歌と、想いと、

 そしてちょっとだけ――」


 優子:

「笑いすぎ注意報を添えて、お届けします!」


 客席:

「ぎゃははは!」


 テロップ:


 《※今年も番組後半、腹筋崩壊にご注意ください》


 ◆ 白組司会・とんずらー 登場


 光子:

「まずは白組司会の紹介からいきましょうか!」


 優子:

「大晦日に“とんずら”はさせません。

 最後までしっかり働いてもらいます!」


 光子:

「白組司会――とんずらー!!」


 右側の階段から、黒のタキシードに身を包んだとんずらーの二人が登場。

 深々と一礼して、マイクを受け取る。


 とんずらー・ボケ:

「どうも! 紅白という大舞台から、

 すぐにでもとんずらしたいほうの、とんずらーです!」


 とんずらー・ツッコミ:

「最初の一言がそれでええんか!」


 優子:

「とんずら禁止よ? エンディングまで帰さんけんね?」


 光子:

「途中で“CM中に消えた”とか許さんけん」


 とんずらー・ツッコミ:

「そんなホラー演出いらんのよ!」


 客席:

「アハハハ!」


 ◆ 紅組司会・はなまるツインズ登場


 光子:

「続きましては紅組司会!」


 優子:

「博多南小の頃から、

 “将来は絶対ステージに立つ子たちやろうね”って

 先生に言われ続けて――ほんとに来ました!」


 光子:

「紅組司会――

 はなまるツインズ! 八幡ひなた、枝光みずほ!!」


 左側の階段から、

 紅白の和モダンなドレスに身を包んだひなたとみずほが登場。

 22〜23歳になっても、かつての“はなまるスマイル”は健在だ。


 ひなた:

「みなさん、こんばんは! 紅組のひなたです!」


 みずほ:

「みずほです! 今年は、“はなまる”な紅組勝利を目指します!」


 光子:

「おお〜、言うねぇ〜」


 優子:

「とんずらーさん、負けとっちゃいかんよ?」


 とんずらー・ボケ:

「いやもう名前からして分が悪いでしょ。

 “はなまる”対“とんずらー”って、先生に怒られる対決ですよ」


 とんずらー・ツッコミ:

「通知表で“はなまる”つく側と、“職員室来なさい”って言われる側な!」


 ひなた:

「でも、今日だけは仲良く頑張りましょうね!」


 みずほ:

「“笑顔”と“ツッコミ”で、ホールを包みます!」


 ◆ オープニング・コンセプトトーク


 音楽が少し落ち着き、

 M&Yがカメラの正面に向き直る。


 光子:

「今年もいろんなことがありました。

 嬉しいニュースも、つらいニュースも、

 涙が出るような出来事も、たくさんありました」


 優子:

「そんな一年の最後の夜に、

 ここNHKホールからお届けしたいのは――」


 光子:

「歌で思い出を包み直すこと。

 そして――笑って年を越すこと。」


 優子:

「泣くのもオッケー。

 でも最後は、ちょっとだけ口角が上がってる状態で

 年を越してくれたらなって思います」


 とんずらー・ツッコミ:

「ハードルの設定が細かい!」


 ひなた:

「笑顔が一ミリでも増えたら、“はなまる”ですね」


 みずほ:

「涙も、歌と一緒やったら、“がんばった証拠”です」


 ◆ 出場歌手ざっくり紹介&特別企画のフリ


 光子:

「今年も、初出場から大ベテランまで、

 たくさんのアーティストの皆さんに集まっていただきました!」


 優子:

「話題のドラマ主題歌、SNSを席巻したあの曲、

 そして、あの伝説の楽曲のスペシャルカバーまで!」


 とんずらー・ボケ:

「え? 伝説の楽曲って、まさか――

 “洗濯機プリン・リミックス”とかじゃないですよね?」


 優子:

「それはNHKさんに全力で止められました」


 客席:

「そりゃそうだ!!」


 光子:

「代わりにですね、

 X JAPANさんの『DAHLIA』を、

 赤嶺双春 with H&M がロックにカバーしてくれます!」


 ざわつく客席。

 客席端で、春介と春海がこそっと頭をかく。


 とんずらー・ツッコミ:

「15歳であの曲は攻めすぎやろ!」


 ひなた:

「楽しみですね〜。

 “笑いの家系”から、ガチロックが飛び出します」


 みずほ:

「紅白ならではの、音楽のごった煮をご堪能ください!」


 ◆ さあ、開幕


 光子:

「それでは、皆さん。

 2025+α な今年のクライマックス、ご一緒に作っていきましょう!」


 優子:

「紅組も!」


 ひなた&みずほ:

「がんばるぞー!!」


 優子:

「白組も!」


 とんずらー:

「とんずらせんぞー!!(客席:笑)」


 光子:

「視聴者のみなさんも、どうか最後まで――」


 全員で声をそろえて。


「紅白歌合戦をお楽しみください!!」


 テーマファンファーレが鳴り響き、

 カメラが引いていく。


 光子:

「それでは、トップバッター――

 紅組からのスタートです!」


 ここから、2051年の“歌と笑いと涙の夜”が、

 ゆっくりと、でも確実に幕を開けていくのだった。


◆ 前半トリ:

赤嶺 双春 with H&M ―「DAHLIA」(X JAPAN カバー)


NHKホールがゆっくり暗転した。

ざわ…ざわ…と客席の空気が震える。


司会席の光子と優子も、

これだけは“身内びいき抜きで”本気の表情になる。


光子:

「さぁ、前半最後を飾ってくれるのは…

 今年、紅白を最もザワつかせたと言ってもいいユニットです」


優子:

「平均年齢15歳。

 でも演奏レベルは、“十数年修羅場をくぐったプロ並み”。

 いま、音楽業界でもっとも注目されている4人」


ざわつきが大きくなる。


光子:

「それでは聴いていただきましょう――

 赤嶺 双春 with H&M『DAHLIA』!!」


◆ ライトアップ


ステージ中央、

白いスモークがゆっくり流れ込み、

花びらのような赤と金のレーザーが交差する。


最初の爆音――

ドォンッ!!


観客席からどよめきが走る。


◆ メンバー紹介(演出として)


ステージ床のLEDパネルに、

血のような赤い文字が浮かぶ。


Drums:赤嶺 春海(15)

スティックが高速で回転し、

キレのある狂気的なフィルインを連発。


Bass:青柳 穂乃果(21)

黒髪を振り乱し、タイトな低音で曲の心臓部を支える。


Guitar:柳川 水湊(18)

冷静な表情で、繊細なアルペジオから鋭いリフまで完全再現。


そして――


Vocal:赤嶺 春介(15)

黒のロングシャツ、瞳だけがライトに反射して青く光る。


◆ 「DAHLIA」イントロ


水湊の繊細なアルペジオ。

美しくて、どこか壊れそうな音。


春海の足がハイハットを刻む。


穂乃果のベースがゆっくり加わると、

ホールの空気が一気に張りつめた。


春介の声が入る。


♪ Why do you still…

continue to suffer… ?


少年の声ではない。

大人でもない。

その“狭間の透明さ”が、Xの世界観に異様にハマっている――

そんな声。


客席から、思わず息を呑む音がこぼれる。


◆ サビ・爆発


春海のカウント。


1、2、3、4!!


ステージ背後で赤い炎の映像が渦巻く。

春海がドラムを叩きつける。

春介がシャウトを放つ。


DAHLIA──!!


照明が真っ赤に染まり、

観客席のペンライトが一斉に揺れる。


光子:

「……(口に手を当てて)すごっ…」


優子:

「これ、ほんとに紅白……? ライブフェスやん……」


◆ 中盤・テクニカルパート


● 水湊のギターソロ

攻撃的でありながら、どこか優しさの残る音。

本人の性格そのもの。


● 穂乃果のベースライン

低音の波が客席の腹の底に響く。


● 春海の超高速ツーバス

鬼神のような表情で、腕と足がまるで別の生き物のように動く。


客席:

「うおおおおおお!!」

「中学生でこれって反則やろ!!」


◆ ラストサビ


春介のシャウトが、天井を突き破るように響く。

声が震えて、でも壊れず、まっすぐ伸びていく。


曲の最後、

ステージ後方のLEDに巨大なダリアの花が開き、

光の花びらが舞い散る。


最後の一撃。


ドォンッ!!!!


春海が最後のスネアを叩き抜く。


ライトが一気に落ちる。


しん……と一瞬の静寂――


次の瞬間、客席が爆発した。


観客:

「スッゲーー!!!」

「鳥肌立った!!」

「前半トリにふさわしすぎる!!」


◆ 司会席へ


光子:

「……いや……はぁ……

 双春、うちの甥っ子、

 あいつら……マジで化け物やね……」


優子:

「春介も春海も、

 “笑いの家系”って言われてきたけど……

 音楽の家系でもええやろ!?」


とんずらー・ツッコミ:

「もう今日だけで三つくらい家系名乗れるやろ!?」


はなまるツインズ:

「紅白の空気が一気に変わったねぇ……」


◆ 締め


優子:

「以上、前半最後を飾ったのは――

 赤嶺 双春 with H&M!」


光子:

「この後はニュースを挟んで後半戦です。

 息して待っとってね!!」


客席:

「はぁい!!!」


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