オフだけど、やっぱり笑いで終わる日
旅の14日目 ― オフだけど、やっぱり笑いで終わる日
14日目は、完全オフの日。
「今日は各自、思い思いに過ごしてよし!」と光子が宣言した瞬間、
12人の目が一斉にキラッと光いた。
午前〜昼:それぞれの“オフ”の時間
チーム藍染:阿波の藍にどっぷり
光子・優子・祥子・隼、それから結音・灯乃の女子チームは、
阿波の藍染体験へ。
工房の中は、独特の藍の香り。
大きな藍甕がいくつも並んでいる。
職人さん
「藍は“ジャパンブルー”って呼ばれとるんですよ。
“育てる染料”やけん、手間がかかるんです」
光子
「へぇ〜、“育てる笑い”と似とるね」
優子
「いきなり自分らの仕事に寄せんでよか」
祥子は、ランニングウェアにも合いそうな手ぬぐいを選び、
隼はシンプルなストール用の布を手に取る。
結音
「わたし、ママとおそろいのハンカチ〜」
灯乃
「わたしは、ふわふわのやつ!」
布を折りたたんで、輪ゴムで模様を作り、
藍の甕にそっと沈めては、引き上げる。
光子
「うわ、緑っぽい…これ、ちゃんと青になると?」
職人さん
「空気に触れていくうちに、だんだん藍色に変わっていきますよ」
空気に触れて、ゆっくり変わっていく色。
さっきまで“しんどい話”や“戦争のこと”を語り合ってきた旅の日々と、
どこか重なって見えた。
優子
「なんかさ、人もこんな感じやね。
いきなり真っ青にならんで、
空気吸いながら、ちょっとずつ色がついていく感じ」
祥子
「マラソンの練習とおんなじやわ。
一気に速くならんけど、毎日ちょっとずつ積み重なっていく」
隼
「爆笑発電所も、積み重ねでここまで広がりましたしね」
染め上がった布を広げると、
世界にひとつだけの藍の模様が浮かび上がる。
結音
「わぁ〜〜! きれい!!」
灯乃
「みてみて! うちの、ハートみたいになっとる!」
職人さんも思わず笑顔になった。
チームアンパンマン列車:高松まで“キャラ列車遠足”
翼・拓実・陽翔・燈真・悠翔の男子チームは、
高松までアンパンマン列車に乗るコースへ。
陽翔
「きたーーー! アンパンマン!!」
燈真
「電車じたいが、キャラクター!」
悠翔
「全部写真撮る!!」
車内の座席、窓、つり革、床にまで描かれたキャラクターたち。
アスリート2人も、思わず童心に帰る。
翼
「この車両、テンション上がらん人おらんやろ」
拓実
「俺ら、もしこれで遠征行けたら絶対寝られんよな」
陽翔
「テニスボールも、アンパンマンにしたら?」
燈真
「卓球ラケットもアンパンマン!」
悠翔
「野球ボールは? ぜったいかわいい!」
拓実
「ごめん、それ全部公式に怒られるやつ」
高松に着いた後は、駅ナカや周辺を軽く散策し、
ソフトクリームなんぞ食べつつ、再び徳島方面へ戻っていった。
チーム市内観光:徳島のまちをのんびり散歩
残りの時間を、徳島市内観光に当てたのは、
誰かと誰か、というより、「その時の気分で動きたい組」。
商店街を歩いたり、地元のおやつをつまんだり、
ちょっとした土産物屋で爆笑発電所グッズのネタになりそうな品を探したり。
「完全オフ」と言いつつ、
どこかで常に“ネタアンテナ”が立っているのが、このメンバーらしかった。
夜19時:藍染工房から、ラジオ特別出張版
夕方、再びみんなで合流。
藍染体験をしたあの工房に、
今日は簡易ラジオ放送機器が持ち込まれていた。
看板にはこう書かれている。
「M&Yのフライデー爆笑ラジオカフェ
阿波の藍スペシャル in 徳島」
工房の主であり、藍染作家でもある
工房の作家さんが、今夜のゲストだ。
ラジオ本編:藍と生き方と、笑いの話
光子
「というわけで今夜は!
阿波の藍染工房からお送りする、特別出張版でーす!」
優子
「ゲストはこの工房を切り盛りしている、藍染作家の染谷さんです!」
作家さん
「どうも、染谷です。
ラジオなんて出るの初めてなんで、めちゃくちゃ緊張してます」
光子
「いやいや、さっきまで“藍は生き物なんです”って
めっちゃいい声で語りよったじゃないですか」
優子
「緊張してる人の声じゃなかったですよ?」
作家さん
「仕事の話となると、ちょっとスイッチ入るみたいで……」
藍の話、工房を始めるまでの話、
失敗だらけの最初の数年の話、
「それでも続けよう」と思えた瞬間の話。
作家さん
「藍って、手ぇ抜いたらすぐ機嫌悪くなるんですよ。
でも、ちゃんと向き合って世話したら、
急に“今日はええ色出したるわ”みたいな顔するんです」
翼
「それ、アスリートの身体とメンタルにも似てますね」
拓実
「サボると機嫌悪なるしな。わかるわ」
祥子
「ランナーの脚もそうですね。
サボったらすぐ拗ねる」
隼
「爆笑発電所のメンバーも、
放っておくとすぐ暴走する、って意味ではちょっと似てます」
光子
「誰が暴走藍や」
優子
「でも、手間をかけるほど色が深くなるって、
人間関係にも似てるなあって思って」
作家さん
「そうですね。
“時間かけてええんや”って気づけたら、
少し楽になるんじゃないかと思いますね」
ラジオのリスナーからも、次々とメッセージが届く。
《藍染やってみたくなった》
《“時間かけてええんや”の一言、刺さりました》
《笑いながら聞いてたのに、途中からメモ取り始めました》
本編は、笑いと、時々じんわり来る言葉であっという間にエンディングを迎えた。
放送終了後:爆笑裏トーク&爆笑通信
オンエアが終わった瞬間、
マイクのランプが「ON」から「OFF」に変わる。
光子
「はい、本番終了〜……
さ、ここからが本番です」
優子
「出ました、“裏が本番”宣言」
作家さん
「え、さっきまでのは……?」
翼
「いまのは“表の顔”です」
拓実
「ここから“地の顔”です」
爆笑裏トーク(収録版)
スタッフが小型レコーダーを回し始める。
優子
「さっき“藍が機嫌悪くなる”って話ありましたけど、
人間で一番機嫌悪くなるの誰ですか?」
作家さん
「正直に言っていいんですか?」
光子
「どうぞどうぞ」
作家さん
「……私です」
一同
「そこかーい!!」
話はいつの間にか、
藍甕の失敗談から、
最初に作ったTシャツの大事故、
ネットショップでやらかした商品名誤変換の話など、
完全に“工房あるある爆笑トーク”へ。
祥子
「“青柳ブルー”“柳川インディゴ”のコラボとか、いつかやりません?」
隼
「“走ると色が変わるTシャツ”とか」
作家さん
「そんな無茶ぶり、嫌いじゃないです」
そのまま爆笑通信へ
今度はスマホを立てて、爆笑通信のライブ配信に切り替わる。
光子
「はいどーも! さっきまでラジオ聞いてくれたみんな〜!
ここからは“藍工房から生配信・裏のお部屋バージョン”でお送りします!」
優子
「ラジオじゃ言えんかった話を、ここに全部ぶち込みます」
コメント欄には、
ラジオリスナーと各地の支部メンバーが入り乱れ、
《さっきの続き待ってた》《表も裏も聞く》《作家さん声イケボ》
《藍の話もっと聞きたい》《Tシャツコラボやってくれ》
などなど、熱が冷めない。
作家さん
「いや〜、オフの日にこんなにしゃべるとは思ってなかったです」
光子
「オフやけんこそ、力抜けて本音出るんですよ」
優子
「藍みたいに、空気吸ってじわじわ色ついていく感じでね」
翼
「今日の名言:
“オフの日ほど、おもろいことが起きる”」
拓実
「休みの日にラジオと配信やってる時点で、
うちらの“オフ”の定義を見直したほうがええ気がする」
祥子
「でも、こういう“ゆるい本音の日”があるけん、
また明日から走れるんよね」
隼
「藍も、人も、旅も、笑いも。
ゆっくり染まっていくほうが、きっと味ありますしね」
結音・灯乃・陽翔・燈真・悠翔も、
それぞれ自分で染めた藍のハンカチや手ぬぐいをカメラに見せながら、
「これ、わたし作ったやつー!」
「世界にいっこだけのやつー!」
と自慢しまくる。
コメント欄
《かわいい》《売ってほしい》《子ども作品展希望》
こうして、
“完全オフ”のはずの14日目は、
各自自由な時間
藍染体験
アンパンマン列車
市内観光
ラジオ出張版
爆笑裏トーク
爆笑通信
と、結局いつも通り、
笑いと本音と、ちょっといい話で締めくくられたのだった。




