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美香と光子と優子の爆笑ストーリー。光子と優子29歳  作者: リンダ


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102/119

10日目朝

博多の自宅で1日過ごし、迎えた10日目の朝。

博多駅のコンコースは、すでに通勤客でざわざわしていた。


◆ 博多 → 志賀島へ


「ほらほら〜、今日は“金印コース”よ〜。寝ぼけとったら置いてくばい?」


ポニテを揺らしながら、光子が子どもたちをせき立てる。

優子もママバッグを肩に掛けて、


「中洲川端で地下鉄乗り換えやけん、ぼーっと歩きよったら迷子になるけんねー」


と、いつもの調子で笑わせる。


博多から地下鉄で中洲川端へ。

そこから西鉄貝塚線に乗り換えると、車窓の向こうに少しずつ海が見え始めた。


「うわー、もう海やん!」

「きょうも“にほんの海の旅”って感じやね〜」


陽翔と結音が窓に張りつき、

燈真は小さなノートに今日乗る路線を書き込みながら、


「きょうのルートはね〜、かいづかせんと〜、うみのなかどうせんと〜、それから…」


と、すっかり鉄道旅モード。


和白で海の中道線へ。

ローカル線らしい車両がホームに待っていた。


「ここから“海の中道号”やね」

「名前ちょっと違うけど、雰囲気はそれでよかやん」


優子と光子が勝手に愛称をつけて盛り上がる。


車内では、幼稚園年少コンビの悠翔と彩羽が、

向かい合うシートの上で、ちょこちょこ足をぶらぶらさせていた。


「ひーちゃん、みてみて、うみ〜!」

「おにーしゃんも、うみ〜!!」


彩羽が陽翔と燈真をまとめて「おにーしゃん」呼びしながら指差すと、

翼は苦笑しつつも、カメラで子どもたちをパシャリ。


「この旅、写真データえらいことなるな……」


隣で拓実もスマホを構えながらぼそっとつぶやく。


終点・西戸崎で降り、そこからバスで金印の島・志賀島へ。


「ここが“漢委奴国王”のあれか〜」

「いや、小学生に一気に漢字ハードル高くない?」


結音が歴史のプレートを一生懸命読み上げて、途中で詰まり、

横から陽翔が得意げに助け舟を出す。


「“かんのわのなのこくおう”って読むっちゃん」

「さすが社会好き〜、クラスで絶対モテるやつやん」


光子の冷やかしに、陽翔は耳まで真っ赤。


碑の前で全員集合写真を撮ってから、

再び和白へ戻り、今度は貝塚側へ向かう。



◆ 海辺散策 → 折尾のかしわ飯


貝塚駅から少し歩き、海辺の風に当たりながらのんびり散策。

潮のにおいに、子どもたちもどこかテンションが上がる。


「ママ、ここでさ、ピクニックしたいね〜」

「こんど“貝塚ピクニックツアー”も企画しよっかね」


そんなことを話しつつ、

千早駅からふたたび鹿児島本線の列車へ。


「次は折尾で“かしわ飯”ね!」

優子が言うと、拓実のお腹がぐぅと鳴り、陽翔と燈真が爆笑する。


折尾駅の売店で、名物のかしわ飯弁当を人数分購入。

そこから若松線に揺られ、若松駅へ。


駅近くのベンチに腰掛けて、目の前に広がる港と古い街並みを眺めながら、

みんなで弁当のふたを開けた。


「うわ、めっちゃいい匂い!」

「これこれ、冷めてもおいしいやつ〜」


結音が一口食べて、


「……これ、反則級においしい……」


と真顔でつぶやくと、

子どもたちも大人組も一斉に頷いた。


「ここ、むかし石炭の積み出しでめっちゃ賑わっとったんよ」

翼がパンフレットを見ながら陽翔たちに説明する。


「せきたんって、あの黒いやつ?」

「そうそう。ここから日本の工場や町に送られて、“電気の元”になっとったんよ」


歴史の話に、燈真も興味津々でメモを取る。



◆ 下関へ、イルカにずぶ濡れコース


折尾に戻り、小倉で乗り換えて関門トンネルを抜け、下関へ。


「うみのした通るって、なんかドキドキするね〜」

「トンネル抜けた時のあの感じ、なんか好きやね」


下関駅から歩いて海響館(かいきょう館)へ向かう一行。


「ペンギンさんおる?ペンギンさん!」

悠翔と彩羽がぴょんぴょん跳ねながら進んでいく。


館内では、ペンギンたちがちょこちょこと歩き回っていて、

子どもたちはガラスに張りつき状態。


「こっち向いた!こっち向いた!」

「はやい、ペンギンさん、はやい〜!」


そして、問題はイルカショーで起きた。


前の方の席に座った一行。

司会のお姉さんが、


「前の方のお客さま〜、水しぶきがかかる可能性がありますので〜、

 カメラやスマホにはご注意くださーい!」


と言ったその瞬間。


光子

「陽翔、結音、燈真、灯乃、覚悟はよかね?」

優子

「“びしょ濡れゾーン”にようこそ〜」


イルカのジャンプと同時に、

バッシャーーーーン!!


「きゃああああああ!!!」

「つめたっ!!!」


見事に水をかぶる、M&Yと子どもたち+祥子と隼。


後ろの席から翼と拓実が動画を撮りながら爆笑している。


「マジでバケツでかぶったレベルやん……」

「これ、たぶん帰りの爆笑通信のサムネ決定やね」


濡れた髪をタオルで拭きつつも、

子どもたちは大はしゃぎ。


「もういっかい、もういっかい〜!!」

「次はパパたち前に座らせよっか」


光子と優子がニヤリと悪だくみ顔をするが、

翼と拓実は全力で首を振った。



◆ ローカル線の果て、長門本山へ


下関から山陽本線に乗り、小野田駅へ。

そこから、ぽつんと短い支線――雀田経由、長門本山行きの電車へ。


ホームに入ってきた小さな電車を見て、

悠翔と彩羽は「ちっちゃい〜!」と大喜び。

鉄道好きの燈真は、目をキラキラさせながら写真を撮りまくる。


雀田で乗り換え、いよいよ長門本山行きのローカル線に。


車内の一角に、

カメラと時刻表を持ったカップル鉄ちゃんが座っていて、

一行を見た瞬間、目を丸くした。


「……あれ、もしかして……」

「テレビの……ファイブピーチの……え、M&Yもおるやん……」


光子

「どもども〜、“普通列車縛りの旅”ご一行でーす」

優子

「あなたたちも、なかなかマニアックなとこ攻めよるね〜」


「え、え、え……マジで本物??」

「てか、なんで長門本山行きに!!?」


「そっちこそなんでよ!」

と、なぜか“行動理由ツッコミ合戦”が始まり、

車内は一気に和やかムードに。


終点・長門本山に着くと、

小さなホームと、静かな海、そして空。


「うわぁ……」

思わず誰もが声を漏らした。


「これ、映画のロケ地にできるよね」

「“世界の果てでかしわ飯を食べながら”とかタイトルつけたい」


光子の妙な案に、優子が即ツッコミを入れる。


ホーム脇のスペースで、

一行+鉄ちゃんカップルで記念撮影。


「じゃ、いきますよ〜。“日本の海とローカル線に、かんぱーい!”」


パシャッ。


写真を撮り終えた瞬間、

すぐに折り返しの電車のドアが閉まりそうになり、

「やばい!置いてかれる!!」と全員でダッシュ。


ギリギリ滑り込んで、車内でゼーハー言いながら笑い合う。


「これ、絶対あとでネタにされるやつやね……」

「“長門本山ダッシュ事件”やね」



◆ 宇部新川の夜


雀田から乗り継ぎ、宇部新川で下車。

今日の宿は駅近くのビジネスホテル。


チェックインを済ませて、

近くの食堂で夕食を囲む。


「今日は水も鉄道もようかぶったね〜」

「イルカの水しぶきと、ダイヤの波にね(笑)」


子どもたちは、唐揚げ定食やハンバーグに大満足。

悠翔と彩羽は、眠気と戦いながらご飯を口に運んでいる。


部屋に戻ると、

恒例の爆笑通信・宇部新川スペシャルがスタート。


今日は、


・イルカに思いっきり水をかけられた瞬間の動画

・長門本山駅での“ギリギリ折り返しダッシュ”

・若松のかしわ飯を前に、拓実が一瞬だけ無言になる“真剣な顔”


これらが次々と支部のグループ通話に共有され、

福岡本部はもちろん、大野城支部、海外支部まで

腹筋崩壊のスタンプで画面が埋め尽くされる。


光子

「というわけで、本日の教訓!

 “ローカル線の折り返し時間と、イルカの水しぶきには要注意”」


優子

「以上、“海と列車と笑いでおなかいっぱいツアー”10日目の報告でした〜!」


画面の向こうで、

爆笑発電所の面々が口々に感想を送り、

アリョーナスとカティアからも、


『次はぼくらも、その“びしょ濡れゾーン”体験したいです(笑)』


というメッセージが届く。


こうして、

日本の海に近い鉄道を巡る旅・10日目は、

ローカル線と海と笑いにまみれた一日として

またひとつ、爆笑発電所の“伝説ノート”に書き加えられていくのだった。

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