つわり、舐めてました
うーん。何か………。
うーん。まあいっか………取り合えず投下!
ギルドに到着したので、先ずは食事をとるために食堂に向かう。朝食の時間を過ぎているためか、食堂内のお客の数はまばらであった。
「リエラはギルド内の食堂を利用した事はあるかい?」
「いえ、まだ無いですが………」
そう伝えると、ルチルさんが簡単に教えてくれる。
「そうだね、一言で言うと早い・安い・質より量………といった所かな?」
ああ………それはまた典型的な食堂ですね。まぁ大体の安いお店ってそうなりますよね。貴族じゃなければ高いお店になんて、まず行きませんから。
「ふむふむ………そうですか。特に味にこだわりはありませんので気にはなりませんが、栄養価は気になります」
味は気にしませんが、栄養価は気になりますね。一応私1人の身体ではありませんし。
それにしても………殆どつわりらしいつわりもありませんので、ついつい忘れがちになって無茶もしてしまってますが、この状態を鑑みるにどうやら私って安産家系なのかもね。
「味より栄養価か………。それならばこの野菜たっぷりのスタミナスープはどうだろうか?」
ふむ。食べやすそうなのでこれにしますか。
「そうですね………。私はその野菜スープにします」
私の料理が決まると、待ってましたと言わんばかりにエルルゥさんと二ー二ャさんが、同時にウェイターの人を呼ぶ。
「へい!カモンそこのウェイター!」
「ほらこっち~!注文するよ~?」
他の皆はもう注文決まったんだ………早いな。
私が感心するようにマジマジと3人を見詰めると、ルチルさんが察した様に教えてくれる。
「あー………私たちはギルドの食堂では、それぞれ食べる物が大体決まってるんだ」
なるほど。だから皆はメニューすら見ずに即決なんですね。
「そうそう…で、私はガッツリ濃い味付けの肉料理がメイン!」
あ、はい。エルルゥさんはそんな感じなんでしょうね、ギットギトな肉の脂が好きそうですし何か分かります。
「私は~あっさり味付けのお魚料理がメイン~」
こちらも納得な感じがする二ー二ャさん。名前からしてお魚好きそうですし、理解できる。
「そして私は辛い味付けの野菜料理がメインだね」
おお、辛口がお好きなんですねルチルさん。
なんだか皆さんらしいチョイスで、意外性には欠けますね。まあ、意外性なんて求めてませんが。
「リエラは何か外見から判断すると甘いものとか果物が好きそうだよね?」
エルルゥさんが私の顔を見ながらそんな事を言ってくる。
確かに甘いものと果物も嫌いではありませんが、どっちかと言うと塩辛いもの…………それもお酒のツマミ系が大好きですね。乾物とか内蔵系とかって最高ですよね。それともちろんお酒ね。
しかし現在は妊婦なので飲めませんし、余り味の濃過ぎたり塩分濃度が高い食べ物は却下ですよね。
無事に産み終わるまでは我慢我慢………。
早いと言われているだけあって、直ぐに私たちが頼んだ料理が運ばれて来る。
「レッドベアーの灼熱焼き、増し増しのお客様?」
ゴウゴウと音と煙を上げ、大量の分厚い肉の塊が乗っかった鉄板が運ばれてきた。それに元気よく返事をするエルルゥさん。
「はいはーい!!私だよ、私!!!」
ぷうーんと匂う香ばしい薫り………妊娠してなければ食欲をそそる良い匂いなのだろうが、何だかムカムカする。
「フィッシュエレファントの干物定食のお客様?」
ある種独特な薫りを放ちながら運ばれて来た料理に、満面の笑みを浮かべながら手を上げる二ー二ャさん。
「ふっふっふぅ~!こっちだよ~」
その独特な薫りがなぜか鼻につき、気分が優れなくなる。
「地獄煮込みのマグマスープ辛さ10倍のお客様?」
グラグラとまるで地獄の釜の中身の様な、真っ赤な色をしたスープを持ってきた相手に優雅に微笑みながら合図をするルチルさん。
「ふっ……………」
痛い痛いっ!既に匂いだけでも目がチクチク痛くなる。
これ以上そのマグマみたいに煮たったスープを、私の方に近付けない下さいねっ!おえっぷ。
「お野菜たっぷりの栄養満点スタミナスープのお客様?」
ああ、私のだ。へ、返事をせねば。
「…………は、はい…………………」
頑張って返事はしたが、注文したスープが目の前に置かれるともうダメだった。
私が頼んだ野菜スープにはスタミナ…………と、名前が付いていたのは確認できたでしょうか?
そう、そのスタミナの部分がいけなかった。
たっぷりのニンニクを使用しているみたいで、確かに身体には良さそうなんですがその匂いがまた強烈だった。
つわりが比較的に軽いと舐めていた私の空きっ腹な胃に、ダイレクトアタックして来やがったのである。
「うえっ…………」
不味い………流石に食堂でマーライオンが如く戻すわけには。
私は痛む足を引きずりながら、食堂からの逃走を図ったのであった。
「えっ?あれっ?」
「んん~?どうしたの~?」
「足取りがヨロヨロしていたが大丈夫かな?」
3人とも何か言っていたのだが、切羽詰まっていた私は黙殺して食堂を後にしたのであった。
つわり描写無理やと確信した。
今後もあんまり書かない方向で行くことにします。うん多分。




