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こんな所で手に入るとはっ!?

即時投下ですのであしからず。

 

ゴブリン共の巣から箒で逃げながら、簡単に私が助けに来た理由を2人に説明していると、不運な出来事が私を襲った。



「ううっっ………っ……」


 私はズキズキと痛む顔面に、眉をしかめながら呻いた。


「ありゃりゃ?大丈夫かな~?」


「ああ、貴女の可愛らしい顔に痛そうなミミズ腫が出来てしまってますね?」


 クリクリおめめが可愛らしいニーニャさんと、まるで宝塚のトップスターもかくやという外見のルチルさんが、心配そうにこちらを見てくる。


「いやぁ……ははっ……大丈夫ですよ。エルルゥさんと無事合流したらちゃんと治しますので………」


 何でもないふりを装って大丈夫と言ったつもりだったのだが、どうやらやせ我慢しているのが、バレているのかニーニャさんとルチルさんは心配そうな表情でこちらを見ている。


 ううっ…。そこまで心配されるような大層な怪我じゃないんですよ?

 その瞬間を目の前で見ていた2人には、結構酷く当たった様に見えたのだろうけれど、ただ単に話に夢中になりすぎて前方への注意が疎かになった結果、樹木に顔面を強かに打ち付けたってだけですから。


 それに私はこのメンバーの中では腐っても最年長だから、この程度の怪我で大袈裟に痛がったりするのも、ちょっと恥ずかしい気がするし、変なプライドが邪魔をして素直に声に出して痛いとは言えなかったのだが、そんな私のしょうもない葛藤など知るよしもない2人は、本気で心配してくれている。


 申し訳ねぇ……。私のこの怪我はそんな真摯な眼差しで心配して頂く様な事では無いんですよ。



「治すってどうするの~?薬草でも持ってるの~?」


 ニーニャさんが不思議そうに聞いてきます。


「えっ?薬草……ですか?」


 薬草は持ってません。と、いうよりも当初の目的では薬草を採りに来たんですけどね、ははは。


「おや?持っていないのかい?攻撃魔法が得意だからって、防御や回復を疎かにしては駄目だよ?ほら…………」


 ルチルさんが腰に下げていた布袋から、数枚の薬草を私に手渡してくれた。


 んっ?んんん?こ、この薬草って、もしやイタミナクナール草では?


 なんとっ!こんな所で手に入るとはっ!


 よし!もう少し貰えないか、ルチルさんに聞いてみよう!


「あの、ルチルさん。少しお窺いしますが、これってイタミナクナール草ですよね?その、申し訳ないのですがもう少しわけて頂く事は可能でしょうか?」


「うん?そうだよ?それはイタミナクナール草だけど、渡した量では足りなかったのかな?ちょっと待って………まだあるからね」


 そう言うとルチルさんはもう数枚、イタミナクナール草を布袋から取り出して私に手渡してくれる。


「有り難う御座います!」


「偉いね、こんなに小さいのにちゃんとお礼が言えて……」


 はうあっ!ルチルさんに頭を撫で撫でされてます!!

 そ、そんなに私の頭って撫でやすいんですかねぇ?会う人会う人がほぼ撫でて来るんですけど?


 私は若干腑に落ちない顔付きでルチルさんに頭を撫でられながら、自分のギルドカードを取り出すと依頼内容を確認した。



 …………………………………そして、項垂れた。



 どうやら依頼内容は、イタミナクナール草を採取袋みっつ分となっていたみたいだ。今貰った分を入れても後、2袋分は集めなければ依頼完了にはならない。


 う~ん……これ以上は薬草をくださいなんて、お願い出来ないからどうしようか………ああっ!そうだ!彼女達も冒険者でしょうから、イタミナクナール草が自生している場所まで案内してもらえばいいんじゃない?

 断られたら今回助けた事をネタに脅せば……いやいや、優しくお願いすれば良いんじゃないかな?


 冴えてるっ!今の私は物凄く冴えてる!!


 そうと決まれば早くエルルゥさんと合流せねば。




 私はチャッカリ貰ったイタミナクナール草を魔法の鞄にねじ込むと、エルルゥさんを置いてきた場所まで、早足で歩き出したのであった。


「あれっ?顔の腫れを治さないのかい?」


むむっ?確かにもらったイタミナクナール草は、魔法の鞄にねじ込んで使用してませんがそこは言及するなし。


「………こんな命に関わらない様な怪我の事よりも、今は一刻も早くゴブリンの巣から遠ざかる方が先決かと……。それに何故かは分からないのですが、ゴブリンから貴女達を奪ったのにも関わらず、1匹も追手が来ないのにも違和感を感じますので、一刻も早くエルルゥさんと合流して町に帰った方が得策かと……」


「ん?まぁそうだね。確かに妙だ」


「私たちが逃げ出した後~何かあったのかな~?絶対に確認しに戻ったりはしないけど何か怖いね~」


私がイタミナクナール草をちょろまかしたのを、誤魔化すために口に出した言い訳であったが、考えてみたらやっぱり何かおかしい………何故奴等は獲物を奪った私を追い掛けて来ないのであろうか?何か私達を追うよりも大変な事が起こったのだろうか?


形容しがたい不安が込み上げて来た私は、その不安を誤魔化す様に早口で「早くエルルゥさんと合流して町に帰りましょう!」と、言いながら2人を急かしたのであった。


「こらこら……1人で進むと危ないよ?ほら、私と手を繋ごうか?」


「ああっ!ちょっ、ちょっと待つの~!!置いて行かないでよ~!」


 私に助けられたのに、何故か子供扱いしながら手を引いてくるルチルさんと、そんな私達の後を置いてかれない様に付いてくるニーニャさんであった。





ラッキーと思ったら、依頼の数よりも薬草の数が全然少なかった件について。


【リエラは残念な娘】


って事ですよ。



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