緊急事態に付き、使用してもオーケーだよね?
誤字脱字はあると思われますが、一先ず書けたので投下させて頂きます。
エルルゥさんの悲痛な叫びを振りきってゴブリンの魔力痕を追っていると、これ見よがしに怪しい『The!モンスターの巣穴!』と、言わんばかりの洞窟にたどり着いた。
その場で少し止まって、ゴブリンに付けた私の魔力痕を探ってみる。
……………うん、私の魔力が付いたゴブリンは、確かにこの洞窟の中に居る様だ。
ここは間違いなくゴブリン共の巣だ。大量のファイアーアローでも撃ち込みたいけれど、拐われた女性達が居るのはずなので自重します。
その代わり透過魔術を使用しましょう。これならば姿が消えるのでコッソリと巣の内部に忍び込めるはずですから。
「ヴァニシュッ………」
呪文を唱えると直ぐに私の身体が透け始めた。う~ん……いつみても気味の悪い現象ですね。
この透過魔術は小さい頃、主にイタズラ目的で使用していましたが、あの時はよもやこんな事に使用するなんて、夢にも思って無かったですからねぇ……っと、よしよし消えましたね。
確認するために私は自分の身体を見回した。
オッケー!ちゃんと消えてるぞっと。
私は急いで洞窟内に入り込む……………………と、内部は悪臭に満ち溢れていた。
ギャー!!!くっ……臭っ!臭いっ!!鼻が!鼻がもげるっっっ!!!
洞窟の中は薄暗く湿っていて、そして物凄く臭かった。
「……ぐっ………オエッ………………」
酸っぱいものが容赦なく込み上げてくるが我慢せねば。
透過魔術は姿は消せるが、私が出す声や音までは消されないのだから。
「…………っ………っ………っ…………」
口元に手をあて、気合いで込み上げるものを抑え込む。
うぐぐ……うぐぐぐぐぐ……。
鼻を思いっきり摘まむと、幾らか悪臭はマシになってきた……………と、言うよりも既に鼻が臭いのせいでおかしくなったのか、どんどん麻痺してきた様だ。
ううっ……。この麻痺……ちゃんと治るよねぇ?
まぁ、治らなければ回復魔術でどうにかするしかないか。はぁ。
***
予期せぬトラップに貴重な時間を取られてしまったので急がねば。
時おり込み上げるものを我慢しながら、洞窟の内部を少しふらつきながら進む。
洞窟内部はほぼ一本道であり、私の魔力が付いたゴブリンの居場所までは直ぐであった。
広い空間にはウジャウジャと、緑色の肌のゴブリン共がところ狭しと蠢いているのが確認できる。
う、うっぷ。
この光景だけで、もう既に私はグロッキーです。
……透過の魔術を使用しているとはいえ、流石にこの中に入るのはちょっと……いや、かなり至難のワザだが。
あっ!良い事を思い付いた!アレを使えばこの中に入らないで済むかも?
それと、拐われた女性たちはどこに居るのかな?
一本道だったからここに居ないとなると、どこか別の場所に捕らえてあるんでしょうけど。
フム……それにしても、この中で蠢いているゴブリン共は、何故か一仕事終えて家に帰ってきた父親(理恵の方)を、彷彿とさせられる程に緊張感が皆無だな。
逃がしたゴブリンが、人間に襲われたっていう報告をしてないのでしょうか?
それともたかが人間の小娘、恐るるに足らず!って、思われてるのか?
まぁ、どちらにせよ私にとっては好機であるには違いは無い。あのゴブリンが保身を図って報告をしていなくても、私を舐めてて報告をしてなくても、どっちだって構いはしませんから。
息を殺して潜むこと数分………私に更なる好機が訪れる。
蠢くゴブリン共が若干姿勢を正し始めたのだ。
どうやら薄暗くて見えていなかったのだが、空間の奥側にもうひとつ道があり、そこから他のゴブリンよりも頭よっつ分ほど大きいゴブリンが、ズシンズシンと大きな足音を立てて現れた。
おおうっ!あれはホフゴブリンですね。2メートル以上はあろう身長に、肉厚の筋肉に全身覆われてます。
ありゃあ………きっと物凄いパワーを持っているんでしょう。
あの腕で殴られたら、私なんて軽く4、50メートルは吹き飛ばされてしまうでしょうね。
……………………………当たれば、ですけどね。
ホフゴブンは力と体力がゴブリンよりも強くなってはいますが、いかんせんスピードが遅く、その上知能もゴブリンの時よりも更に低下している……いわゆる脳筋ってやつですから、頭は物凄く悪いです。それを補って余りあるパワーなんですけど、私から言わせてもらえばレベルアップじゃなくて、ダウンしてるんじゃないかなぁ………とか思っちゃってたりして、ね。
「グガアアアア~!!!」
そのホフゴブンが、何やら雄叫びを上げながら頭上に掲げたのは2人の人間の女性だったのです。
「きゃあ~~~~~~~~!!!」
「ひいっ!た、助けっ……………」
女性達はガタガタ震えながら、怯えて泣き叫んで居ます。
どうやら両手両足を縄か何かで縛られている様です。
多分、拐われたエルルゥさんの仲間のニーニャさんと、ルチルさんだと思われる。
「ガアウア~~グゲェ~……」
「ギヒィー………ギヒィー………」
「バフウ!バフウ!」
ホフゴブンが戦利品の2人を掲げた後の、ゴブリン共のヒートアップぶりは、狂乱と言っても過言ではないほどの盛り上がりを見せた。
うわぁ…………流石に女っ気が全く無いゴブリン共の巣だ。2人の人間の女性を見ただけで、この騒ぎよう………パネェな。
フッフッフッ……こんなに盛り上がっているのに、水を差すのは忍びないけれど、人間の女性はゴブリン共の子供を産む為に、ましてや性処理をする為に居るわけじゃないから、奴等から奪い去ってやりますよ。
丁度ホフゴブンが彼女達を掲げてくれているので楽勝だ。
私は素早く魔法の鞄より箒を取り出して跨がると、呪文を呟きながらホフゴブンに向かって猛スピードで飛んで行く。
「エアーカッター!もいっちょエアーカッター!!」
ザザシュッッッッ!!!
「ウギャァァァァァァ!!!」
チッ!ホフゴブンの腕を両断するつもりだったのだけど、予想以上に防御力が高く両断する事は無理であったが、ホフゴブンは痛みで掲げていた女性達から手を放した。
……っ!間に合えぇぇぇぇっ!!!
私は箒のスピードを更に速めると、2人の女性が地面に激突する直前に両腕でキャッチする事に成功した。
「きゃっ…………」「えっ?えっ?」
自分達が一体どういう状況なのか、全く分かっていない様子のニーニャさんとルチルさんだったが、現在の私にはお2人に説明して上げる暇も、余裕も無かった。
「………グラビティ!」
私は重力魔術のグラビティを唱え、2人の重さを軽くすると、そのまま箒に跨がったまま猛スピードで洞窟の中から脱出を図ったのであった。
あーもー色々済みません。
主人公は光魔術以外は何でもありです。




